親ゴン襲来
「こっちはオーケーだ」
「こっちも良いぞ!」
「よし、フォヴォス。いつでも良いぞ」
「分かった。じゃあ呼ぶぞ!」
空島をフォーシアスの上から周りに攻撃が行ったとしても安全な海上に移動。空島の眷属達にも可能な限り注意喚起して、島の地下とか街の近辺等に避難。戦力……と言う訳では無いけど、島の住人達は教会の周りに隠れて集まってもらった。ほぼ島の中心で村の住人と城の住人と集まっているからかなり壮観だ
「親父ー!オレはここだー!」
空に向かって叫ぶフォヴォス。待って?それで来るの?それって結構な親バカなんじゃ……
「我が孤高なる翼よ!」
空の向こうから最初は小さな黒い影が飛んで来たと思って居たら、次第に大きくなり、特撮映画とかに出てきそうなサイズ感のドラゴンが現れた……って、まーじで飛んで来たぞ?これは……フォヴォスをもう少し作戦に組み込んでいくか
「なぜ、人の姿をしているのだ?我が孤高なる翼」
「鎮まり給え!さぞかし名のある龍の王と見受けたが、なぜそのように荒ぶるのか!」
「なんだ貴様……」
悪いけどここは割り込ませてもらった。まずはヘイト管理だ
「我が名はハチ!空に浮かぶこの地の主だ!そなたはフォヴォスから聞いたただ一人の父か!」
僕の好きなアニメ映画から喋り方を引用してるけど……どうかな?
「いかにも。そこに居る孤高なる翼の父である!」
空を飛んでるけど若干右を向き、右手を頭に当て、左手を真っ直ぐ伸ばす……何か「ポゥ!」とか言いそうな恰好で空を飛んで「自分が父さんです!」と宣言する龍王。チラッと横を見てみたら頭を抱えているフォヴォス。うわぁ……
「オレは今のアンタを親父だとは認めねぇ!そんな状態ならいつまでも帰らねぇ!」
「孤高なる翼よ。お前にもいつか分かるはずだ。これこそが強さに繋がると……」
「成長の壁って奴か?」
「何……貴様。龍の何を知っている」
「何、龍にも知り合いが居るだけさ。恥の歴史が強さに繋がるだったか?」
「……」
とりあえずボルカさんの話は嘘では無かったみたいだな
「だとしたら、フォヴォスは既にその壁は越えているハズだが?」
「何……?」
「フォヴォスの今の姿。見て分からないのか?」
ヤンキースタイルで特注バイクに跨っている。自分の娘の晴れ姿(?)だぞ?
「なんだその姿は……」
「このカッコ良さが分からないのか親父ィ!見損なったぜ!」
「………」
娘に見損なったって言われてしゅーんってうな垂れるんじゃない。威厳を保つの頑張れよ……
「まぁ、なんだ。いつまでも飛んでないで、着地したらどうだ?別にその瞬間に捕らえるとかはするつもりは無い」
「……良かろう」
そう言って一番近くにあった冥界門に着地した親ゴン
「あ、そこ冥界と繋がってますから下手するとあの世に連れていかれますよ?」
「ひゃ……」
即座に飛び立ち結構僕達の近くに降り立った親ゴン。案外情けないぞ?
「ご、ごほん……迎えに来たぞ。我が孤高なる翼よ。我等の住処に帰ろう」
「やだ!」
「あまり我を困らせないでくれ。我が娘だとしても許せる限界はある」
「うるせぇ!訳わかんねぇ話し方にしやがって!昔の話し方の方が好きだったのに今の変な話し方の親父なんか嫌いだ!」
「うっ!?」
もう絶対悪い奴じゃないよこれー……
「今の親父の所に戻るよりハチの所の方が住み心地も良いし、面白れぇからぜってぇ!戻んねぇ!」
「何ィ?」
あ、目に力が戻った。娘を取った奴だって思われてるなこれ
「貴様!貴様が我が孤高なる翼を!」
「その孤高なる翼を辞めろって言ってんだよ!」
「うぅ……」
娘に弱いなぁ……まぁあれか。娘が家出しちゃったけど、すぐに追いかけてもダメだなと思って、少し冷却期間を設けてから探そうとしたけど、寂しくなって探しに来たらもうなんか娘が変わっちゃってたみたいな……確かにそれは悲しくなるかも
「だが、娘をこのような横暴な態度にした罪は贖ってもらわなければならない!貴様の死でなぁ!」
右手をグワッと開き、爪を立てて僕を叩き潰そうとする親ゴン。これはちょっとマズいか?【インヴァル】を使って……
「やめろっつってんだろ!」
「ぐわっ!?」
キラッと光り、ドラゴン体に戻ったフォヴォス。特製の特攻服はしっかりとそのドラゴン体に合わせて伸縮し、ドラゴンが特攻服を着ている凄い状態になった。そのフォヴォスが親ゴンの右手を左手でガッツリ掴んでギューッと握り締めている。そのくらいだと戦闘行為にはならないんだなぁ
「こ、この力は……!?本当に壁を越えたと言うのか!?」
「だから言ったでしょ?娘さんは壁を越えてるって。そもそも娘さんは恥とかそんな物に囚われてない。言ってしまえば今のアンタが立っている所。……龍王よりも更に先に進める可能性すらある」
「「え?」」
ここはでまかせ勝負をするしかない。モニクの時にもやった叛逆の悪魔のような実際にあるか分からない存在を出していこう
「色々と話を聞いて思ったさ。この子は多分龍王では収まらない。龍王の更に上、龍帝になるんじゃないかってね」
「「龍帝!?」」
さて、ここからどうしようかな。どう話を作っていこうか