サイボーグ
「ウ、ウオォォォ!?」
「す、すげぇ……」
「さぁ、私のとっておきだ。存分に味わえ」
空から放たれたレーザー攻撃。攻撃地点が見えないから本当に宇宙からの一撃だろうか?
「バカナァァァ!」
「私のとっておき、気に入ってくれただろうか?」
「僕は気に入りましたよ。アレは何処から攻撃を?」
「空の上。とでも呼ぼうか。そこにある私の兵装から撃たれている。あれは地上で使おうとすると危険過ぎたからな……空の上で待機状態にしてあるんだが、こういう時に遠隔操作で武装を発射して敵を破壊するには丁度良い」
うーんと、ヘックスさんは宇宙に何かガン〇ムでも飛ばしてるのかな?
「まぁ、流石にこれだけ離れていたら距離減衰も発生してしまうが、それでも充分な威力はある」
威力が減衰してると言っても、さっきの崩落攻撃とかに比べたら攻撃の威力は段違いだ。というかボスの背中に直撃してそのままビームが貫通してるからもし、これを減衰無しで喰らったらそれこそもう体が一瞬で溶けるレベルの攻撃なんじゃ……やっぱりヘックスさん、アトラさんとヴァイア様に並ぶだけのパワーがあるよな……そりゃあ、これでアトラさんとヴァイア様を島に呼んで調査したいんですけど……なんて言えば、オーバーパワー過ぎるな?
「ふむ、やはり砲身の冷却性能がまだ弱いな……第2射は期待しないでくれ」
ヘックスさんの中でも大分古い兵装なんだろうか?改善の余地ありみたいな感じで話しているけど、あんな攻撃乱発されたら逃げるのはほぼ不可能だろう。それに、例えばの話だけど宇宙で待機状態のその兵装を地上に持ってきて装備したら、どんな事になってしまうのか……考えるだけでも怖いぞ?
「グッ、ギッ…オ、レノ……シマ……オレノシマァ!」
「ほう?まだ戦うのか」
「それじゃあここからは僕の出番ですね」
ボスの頭部が両開きのドアの様に開き、そこから人間と機械を合わせたような……サイボーグみたいな見た目の男が出てきた。コイツが例の魔術師だったりするのか?
「マホウト、キカイノ、ユウゴウタイ。ソノケッサクトシテェ!オレジシンヲ、ジッケンタイニツカイ、ウマクイッタハズダッタノニィ!キサマァ!」
「おー、派手な武装持ってますねぇ?」
サイボーグの右手が魔法陣が砲身の様に連なっている銃?みたいな武器と、左手は見た目が直剣だけど、その刃の部分が回転しているドリルモドキみたいな武装を構えた。確かにアレだと受け流ししようとしたら腕がズタボロになってしまうかもしれない。意外と接近戦が危険かな?
「マズハソノヘラズグチダァ!」
僕の顔面に向かって右手の砲身から火球を発砲。そして正面から見えていなかったが、背中にブースターみたいな物が付いていたみたいで、圧倒的な加速とドリルソードでの突き。火球で目くらましをしてからそのドリルソードに炎を纏わせて突進するというなんかカッコイイのか無駄なのか分かりにくい攻撃をしてきた
「おおっと!中々危なっかしい攻撃だなぁ?」
「ヨケルナァ!」
「それは無理な相談だねぇ。それに無駄も多いね?」
炎を纏ったドリルソードの刺突攻撃を地面に寝そべりながら回避する。敵の前で寝そべるとか普通に危険過ぎるけど、ある意味地面に寝そべるのと、刺突を外している状態なのでお互いに隙を晒している状態とも言える。あえて晒している隙と、生まれた隙。同じ隙でもそこには雲泥の差がある
「ナンダト!?」
「まず、火球という攻撃手段を持っているのに、わざわざそれを破壊しながら刺突をする。普通に2段攻撃の方が厄介」
「グフッ!?」
寝そべった状態で相手の右足に蹴りを入れる。バランスを崩して、倒れそうになるサイボーグは右手の魔法砲身で体勢を崩さないように体を支える
「そして手という便利な物を手放したのも悪いね。【ディスラプトマイン】」
両手とも武器になっているサイボーグの悪い点と言っても良いかもしれない。2本の足で立ち、両手が武器。そして先程の攻撃で体勢を崩された時に体の支えとして、魔法砲身で体を支えていた。その魔法陣に向かって【ディスラプトマイン】を放つとどうなるか?
「ヌオッ!?ウオォォォォ!?」
魔法陣で出来ている砲身は【ディスラプトマイン】によって消され、もう一度体勢を崩す。そうしたら次は逆の手で体を支えなければならない。が、その逆の手はただいまドリルよろしく高回転中。それを支えとして地面に突き刺したら、地面を掘り進めるか、自分が回転する事になるだろう。今回は幸か不幸か地面に左手が埋まっていった。途中で回転は止めたみたいだが、絶賛左手埋没中。そんな大き過ぎる隙を見逃す訳が無い
「はぁ!」
「ゴハァ!?」
動けない所をサイドキックで胴体と頭を二度蹴り。容赦無く人間の弱点の正中線である鳩尾と鼻部分を蹴り抜く。まぁ、サイボーグだから人間の弱点がそのまま効くとは思わないけど……どっちにしてもダメージは入るだろう
「ふぅん?耐久性は結構あるみたいじゃん?それじゃあまだ壊れないでくれよ?」
「ア、アァ……」
やはりボスだけあって固いなぁ?これは最後までボコボコにしないとねぇ?