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煽りの逃走者

「ほらほら、こっちこっち!……で良いんですよね?」

 ボスを煽りながらヘックスさんに次のキルゾーンへの案内を頼む。実際僕も分かってないけど、行き止まりの場所を選定してくれと言ってるから大抵は……


「その先の池を越えた先に地面の切れ目がある。そこは下に進めそうに見えるが、少し曲がると行き止まりになっているな」

 地面の切れ目……峡谷みたいな感じかな?丁度良いな


「おっ、池だ。と言う事はもう少し……おっと!」

 池の中から人型……と言うか水中戦仕様みたいで手足に水かきが付いているから何処となく河童の様な見た目のオートマトンが4体現れた。なるほど先回りさせてたって事は結構怒ってるな


「コロセェ!」

 鋭いかぎ爪で僕を狙った振り下ろし。だが、残念ながらこちらにはそんな攻撃どうって事ない頼れるお方がいらっしゃるのだ!


「ぽよっ!」

 素早く4体のオートマトンの腕にちのりんが体を伸ばし、ガッチリ捕まえる。そしてそのままオーバースロー?で池の中にリリース。キャッチ&リリースという釣りの基本みたいな事をしてるけど、さっきの奴らは大きいからリリースしなくても……まぁ美味しくはないからリリースでも良いか


「残念だったねぇ?奇襲ミスっちゃったぁ!」

「コノォ!」

 可能な限り怒らせる。相手をバカにする態度はあまり良くないが、敵を思い通りに動かす為にはこうするのが一番だ


「どうする?どうする?今のままじゃ全く僕に歯が立たないよぉ?」

「ぽーよぽーよ!」

 これは確実にばーかばーかと言ってるな。ちのりんも分かって来たなぁ?


「ネンエキフゼイガァ!」

「その粘液生物に馬鹿にされるくらいお前が弱いんだろ?あはははは!まずは僕に追いついたらどうだい!」

「キサマァ!エエイ……チカラヲヨコセ!」

 ボスの周りに居たオートマトン達は磁石に引っ張られるように引き摺っていた下半身にくっ付き、僕が前に怖がらせる為にやっていたムカデスタイルの様な足を得た。あれで移動速度が上昇するんだろう。そして、ゴーレム達はボスの背中に登って下半身を破壊してボスの体にくっ付き、破壊した下半身がゴーレムの背中に砲門として再構築された。機動力をオートマトンが、攻撃力をゴーレムが補っているのかな?特に今何かダメージを与えた訳では無いが、第二形態みたいになった


「シネェェェェ!」

「おー、怒った怒った。逃げろー」

 ボスの背中に居るゴーレム達が砲撃をする。岩の砲弾をポンポン飛ばしてくるからここは回避に専念しよう。そして、しっかり行き止まりの所に向かえば追い込まれた様にも見えるだろう


「おっと、これはマズいかも……」

「オマエハモウ、オワリダァ!」

「僕もう終わりかぁ。それじゃあもう一回抵抗しなきゃね?」

「着弾するぞ!」

 勿論逃げている間にヘックスさんの支援を要請しておいた。追い込まれた風に見せた地面の切れ間。その上部を爆撃してもらう。さっきは崖からの落下によるダメージだったが、今回は上からの落石や土砂による圧殺を目的とした一撃。僕は壁を走って登り、生き埋めを避ける


「ナ、ナンダトォ!?」

「じゃあねー」

「ぽーよよー」

「ウ、ウオォォォ!」

 体の小さい僕達は比較的上から落ちてくる物も避けやすいが、さっき色々合体して体の引っ掛かりが多くなったアイツは上から落ちてくる土砂を何とかする為に背中のゴーレム達の砲撃で何とかしようとしている。デカいは正義と言うけども、状況に応じて小さい方が良い事もある。こういう時は大は小を兼ねないんだよなぁ


「鬼だな?」

「正直、大分悪い事してる気分ですが、勝負に綺麗も汚いも無いですからね。そもそも人数差で押してきてるならこっちもそれ相応の対処をさせてもらうだけです」

 3対何十何百を相手にするんだからこのくらいやらないと……


「他に行き止まりポイントとかあります?」

「他か……悪いがもう先程の様な効果が有りそうな行き止まりはもう無いな……」

 流石にもう崖を崩壊させるとか。地面を崩落させるのは通用しないだろう。同じ手を2度は喰らわないじゃないけど、流石に2度の攻撃で多少は冷静さを取り戻しているだろう


「3回目の支援攻撃もさっきみたいな爆撃ですか?」

「いや、3回目はドローンではなく、私の攻撃になるから違うな」

 一応聞いておいて正解だった。多分だけど、誰も乗ってないドローンは満載の爆撃、僕とちのりんが乗ってたドローン2機から半分ずつで1機満載分の爆撃がさっきの支援2回分だと思う。だとしたら最後の1発はヘックスさんの乗ってるドローンからの爆撃になるかと思ったけど、ヘックスさんだって多少は偵察用兵装だと言っても武装はしているハズだ。その兵装からの攻撃が最後に来るとしたら爆撃とは違うかなと思っていた


「一応聞いておきたいんですけど、どういう攻撃ですかね?」

「それは攻撃する時まで秘密だ。ただ安心しろ。味方には絶対に当てない」

 ヘックスさんの秘密武装……これは是非見たい。見たいから早い所復活してもらえませんかねぇ?



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― 新着の感想 ―
ちのりんの煽りはかわいいからこれからもちょっとやってほしい
[一言] おにちく
[一言] ちのりん、割とハチ君にお兄ちゃん面してるからノーカンノーカン!
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