事情説明会
「「ドラゴン……」」
「だ、大丈夫なんでしょうか……ドラゴンってもの凄く強いって聞きますけど……」
「しかも漆黒龍ですか……龍王が来るなんて普通じゃない」
「あ、原因は僕がこの島でその漆黒龍の娘さんを預かってるからなんだけど」
「「「「は?」」」」
「紹介が遅れたね。こちら漆黒龍の娘さんのフォヴォス」
「夜露死苦ぅ!」
「「「「…………」」」」
紹介したら無言で4人に引っ張られて部屋の隅っこでこそこそ話が開催した
「ちょ、ちょっと!?なにとんでもない事してるんですか!?」
「漆黒龍の娘さんを攫って来たんですか!?」
「「いったい何を……」」
「そこもちゃんと説明するから……一旦落ち着こう。ね?」
自殺するつもりか?と言われそうなくらい皆に詰め寄られるから中々圧があるなぁ?
「「家出中……」」
「保護ですか。確かにそれなら……」
「でも、言葉遣いに対抗する為にあんな……」
「ん?夜露死苦ぅ!」
ルクレシアさんがチラッとフォヴォスの方を見たらサムズアップして夜露死苦してた。君の事で割と大事になってるんですぜ?
「とりあえずフォヴォスを探して相手が来るって言うのならこっちから呼び寄せて他の街、サーディライとかに行かない様にしようと思ってね。それで一応戦闘不可にはなっているハズだけど、龍王の力で無理矢理何かするかもしれないから皆の安全を考慮して空島から避難していた方が良いかもと報告しようと思ってね」
話の経緯がこれで伝わったかなぁ?
「「そういう事だったんだ」」
「危険……危険?」
「なんかハチさんが言うと本当に危険な事でもそこまで危険に感じないっていうのは危ないかもしれない……」
「あれ?」
なんか思ってた反応と違う……
「あれあれ~?皆揃って何してるの?」
「あぁ、モルガさん。今ちょっと漆黒龍が来るからどうしようかって話をしてる所なんで」
「はいはーい……って、え?漆黒龍?ハチ君今度は何をしでかしたの?」
確実に僕が何かやらかしたとなってる。酷いなぁ?
「いや、僕は別に何もしてないですよ」
「「「「いやいやいや……」」」」
「ほらほら、皆ハチ君が何かしたって言ってるよ」
僕は悲しいよ。仲間が一人も居ない
「ハチサンハ、ナニモシテナイト、イッテマス。ワタシハ、シンジマス」
「ゲヘちゃん……やっぱりゲヘちゃんだけは僕の味方だなぁ。あの人はまたおやつ抜きにしようねー」
すかさずフォローを入れてくれるゲヘちゃん。本当に良い子や……
「おいおい!君達酷いじゃないか!ハチ君がこんなに言ってるんだからハチ君は何もしてないよ!そうだよ!」
「「「「えぇ……」」」」
ほんとこの人は……おやつ抜きに弱いなぁ?
「とりあえず来るまでまだ時間があるから今のうちにフォヴォスにもっと色々教えないとなぁ」
「おう!もっと色々教えてくれ!」
「この人達、ドラゴンが来るって言ってるのにもの凄い落ち着き様……まぁハチさんが応対するなら別に逃げる必要は無いかも……むしろ貴重な龍王を近くで見られるチャンスなのでは?」
ルクレシアさんも龍王を間近で見るチャンスと捉えているみたいだ。いいねぇ?そういう考え方は素晴らしいと思う
「「むしろハチさんの所に居る方が安全そう……」」
「分かります!むしろ帰る方が逆に危ないかもしれないし、ハチさんがドラゴンをどうするのか見る事が出来るのなら逆にここに残った方が良さそうです」
さっきと打って変わって話に乗ってきてる。皆滅多に会えないだろうドラゴンを見られるチャンスという事で逃げる事はしないみたいだ。だとすると、皆に被害が行かない様にかなり頑張らないといけないなぁ
「まずはいかに素早く話し合いに持ち込むかだな……これはフォヴォスが居れば何とかなるか」
この島に来た途端、島の外からブレスで焼かれたりしたらたまった物では無い。まずは相手をいかに会話のテーブルに着かせるかが重要になるだろうな……
「まぁ、話し合いになったらその時の自分が何とかしてくれるだろう」
今から考えてもどんな事を話すかは分からない。案外いきなり世間話になるかもしれないし……
「とりあえず皆島に残るのなら自己責任になる事だけ覚悟してね」
「元からそのつもりです。チェルシーさんと勉強会が出来なくなるのは残念ですが、ドラゴンの事をお話のタネにしたいので、ハチさんは絶対無事にこの問題を解決してくださいね?」
ルクレシアさん結構チェルシーさんと仲良くなったのかな?まぁ師弟関係になってるのなら仲が良いのは良い事だな
「頑張ってみるよ。よし、とりあえず今日はこれで緊急会議は終わり!そうだキャティ?皆を連れてアグラウドの観光とかしてくれない?ここ数日はこの空島には人が来ないからつまらないだろうし、それならアグラウドを見た方が楽しいかなって」
一旦顔をレナーグさんに見せに行かないとキャティ君不足でいじけちゃうだろうし、皆を観光の為にガイドとして帰ってきたみたいな形にしておけば色々と便利だろう
「分かりました!ここ程面白い物は無いかもしれませんが、ガイドくらいなら出来ます!」
「「地下街……面白そう」」
「獣人の地下街は結構気になっていたので、実際に行けるのなら行ってみたいですね」
よしよし、これで僕が島の調査の方に力を入れられる