上陸する3人
「2人まで……それって一緒に戦うって事でしょうか?」
「あぁ、島で一緒に戦うか、上空から支援してもらう事が出来る」
上空から支援……だとしたら姫様に来てもらって支援魔法を掛けてもらうなんて事も出来る訳か
「例えばですけど、アトラさんとヴァイア様みたいな2人でも良いんでしょうか?」
「流石にそれは無理だな……もし連れて行けたとしてもどちらか片方のみだろう」
流石にアトラさんとヴァイア様というこの村で最強格2人を連れ出すのはゲームバランス的にもダメか
「うーん……じゃあ誰にお願いしようか」
「オレ!オレを連れて行ってくれ!オレのタンシャを作るんだからオレは絶対に連れて行ってくれ!」
フォヴォスが立候補してきた。本当の実力は分からないけど、あのマグマの中を余裕で突き進めるだけの防御力があるし、ある程度の実力はあると思う。連れて行っても問題は無いか
「じゃあフォヴォスには来てもらおうかな。もう一人は……ピュアルに来てもらう事って出来ます?」
そういえば割と実力者が近くに居た。ヘックスさんに乗せてもらって山を駆け降りた時、道を切り開いていたのはピュアルだ
「ピュアルか。問題無いか?」
「……!…………!」
「問題無いみたいだな。むしろ待ってましたと言わんばかりだ」
多分だけど、編成としてはかなり攻撃的な編成になっていると思う。この村限定でパーティを組むとするのなら、支援が期待できる姫様、防御性能が高そうなカブト武士のソイル、生前の戦闘能力が期待出来るワリアさん、手先の器用さとか蛇の胴体で足止めとか出来そうなドナークさん、意外とパワーと柔軟性があるちのりん、重い物も光の鱗粉で自由に動かせるエアラさん辺りは選択肢に入るかな。ミミックさんは未知数な部分が多すぎるし、パーライさんとホーライ君は雷属性だから弱点で凄く効くかもしれないが、逆に回復させてしまうかもしれないので一旦相手を調べるまで連れて行く事は出来ない
「このメンバーで行くんだな。ではこいつに乗ってくれ」
飛行ドローン状態から4分割され、プロペラと足場だけになったバイクの上に乗る。なんかバランスボードの上に乗ってるみたいだ
「おっとと!」
「あんまり暴れるなよ?流石に落ちたら拾いに行くのが大変だ」
「……!」
体幹を鍛えるには良いかもしれない。ピュアルとヘックスさんはほぼブレなく立っているので、僕も腕を組みながらバランスを取る。フォヴォスが若干ふらついているか?
「前に飛ぶから若干前傾姿勢が良いぞ」
「おっ、確かに楽かも」
「なるほど!掴んだぞ!」
乗った事は無いけど、セグウェイとかこういう感覚なのかも?フォヴォスもふらつきが無くなった
「ここで待ってるから気を付けてな!」
ボルカさんが空島から手を振り見送ってくれた。こっちも手を振り返して4人を乗せたドローンが空島から飛び立った
「概要を説明する。空島周辺の調査の為に色々と偵察を飛ばしていた所、謎の島を発見した。この島に大量のゴーレムやオートマトンの存在を確認し、ある程度の調査は進んだが、島の内部までは完全に調査出来なかったので島の内部を本格的に調査をしたい。その調査隊としてハチをリーダーに3人で調査をしてもらう。今回のメンバーは全員島に上陸して戦闘を行うが、問題は無いか?」
「問題無いです」
「任されたぜ!」
「………!」
ヘックスさんが先に調査して、その島を渡したくない魔術師の執念みたいな物がゴーレムやオートマトンを量産している所までは調査出来たと言う事なのだろう。話を聞いた時にも思ったけど、完全に調査してしまうのも良いけど、このままの状態にしておけば無限にパーツとか集められるんじゃないかな?
「連絡に関しては全員がインカムドローンで通信可能だ」
凄い小型のドローンをヘックスさんがこちらに向かって飛ばしてきた。これに話しかければ他の皆と通話が可能なのか
「これで万が一別れても状況確認が出来るんですね」
「私は上空で通信の制御や、万が一の時に備えて待機しておく。島の調査を任せたぞ。まぁ素材集めだけでも充分だが、調査が進めばこの島の地下資源を入手する事も可能だと伝えておくぞ」
空島にも一応鉱石とか取れる場所はあるけど、地上の地下資源はよりレアな鉱石とかあるかもしれない。そういった物が入手出来るかもしれないなら調査を進めるのも良いな
「オレのタンシャを作るにはどのくらい物を集めれば良いんだ?」
「タンシャ……バイクの事か。そうだな……このくらいあれば良い物を作れるだろう」
一応僕にもアイテムをどのくらい集めれば良いのか表示される
『戦闘用ゴーレムの破片×20 戦闘用オートマトンの破片×25 ゴーレムのルーン×2 オートマトンのコア×4 オートマトンの魔力レシーバー×1』
「結構集めるの大変そうだな……」
どちらかと言ったらオートマトンの素材が多めだろうか?この素材を集めればバイクが1台完成する訳だな?
「これを集めればオレ専用のタンシャが!」
「フォヴォス。タンシャを作る為にも暴走はしないでくれよ?勝手に進まれたら作れる物も作れないからな。回復アイテムも持ってきてはいるが、数には限りがある」
自動回復があるから継戦能力はあるが、敵がどんな能力を使ってくるか分からない。もしかしたら自動回復を阻害する物とかあるかもしれないから、回復アイテムに頼った戦闘になるかもしれない。早くタンシャを作りたいからと一人で突き進み、ダメージを負ってしまって回復アイテムを使い切ってしまったら安全の為にも撤退しなくてはならない。多分だけど今回のメンバーで調査が完了する事はないだろう
「こちらでも体力はモニタリングしておく。危険を感じたら即座に救出に向かう」
ドローンがHPを見てヘックスさんに情報を送られるんだろう。HPが減り過ぎたら強制帰還もあり得るからHPには気を付けよう