村の方へ
「これ1つくれるか?」
「それならこれも一緒に買ってくれたら少し安くしておくよ?」
「それじゃあそれも貰おう……か……」
「「な、なんだぁ!?」」
急に空島に飛んで来た2体のドラゴンを見た空島で物を売っていた人と、買っていた人があんぐりと口を開けた
「お、おい!あれ!」
「誰か……乗ってないか?」
飛んで来る2体のドラゴンの内、黒いドラゴンの背に誰かが乗っている。あんな事をする人間は……
「「あの人だぁ!」」
あの人、遂にドラゴンを従えてきたぞ!?
「よし、あの辺りなら降りても問題無いからあそこに降りてくれ」
「本当に空島が……」
「これが空島か!面白そうだ!」
ボルカさんもフォヴォスも空島が見え始めた辺りで少しワクワクしたのか速度が上がっていた。とりあえず周りに何も無い所に着陸させる。これでとりあえず空島に迎え入れる事が出来た訳だ
「フォヴォス。ここでもさっきみたいに人の姿になれる?流石に空島の施設はドラゴンサイズには作られてないから、人型の方が何かと良いと思う」
「分かったぜ!」
「それなら俺も人型になっておこう。久しぶりだから上手く行かないかもしれんが……」
2体のドラゴンの体が光り、体積がドンドン小さくなっていく。黒髪金眼のフォヴォスと赤髪赤目のイケメン……というよりイケドラ?人型は人型だけど、顔とかドラゴンのままだし、翼も畳んでいるけどけせてなかったり……ドラゴニュートって言った方が正しいのかな?こういう所も意外と龍王とその血筋関連で違ったりするんだろうか?
「やっぱそんなに人型になってないからちょっと難しいな……」
「それでも問題はないと思うけど、慣れればもっと人型になれるって事?」
「あぁ、何度も使っていればフォヴォスとそれ程変わらない程度には出来ると思う。まぁ、龍の誇りとかあーだこーだ言う奴は一定数居るから普段は使わないが、省スペースで済むと楽な時とかは人型になったりするな」
ボルカさん意外と龍王の素質あるんじゃないだろうか?プライドが無い事は無いと思うが、そういう龍の誇りとかに囚われないって結構大事だと思う。伝統を守るとかも大事だとは思うが、自分にとってそれが良いかどうかを決めるのは最終的に自分自身だろう
「ボルカさんも結構、龍の中だとアウトローな面もありそうですねぇ?」
「まぁ龍王と親交があったら価値観は基本的に崩壊するな」
一般的な龍は規律とか、伝統とかを守るタイプで、龍王系はもう自分から世界観作っちゃうような感じなのか?だとしたらそれはまた凄いな。流石ドラゴンという種族なだけある
「なぁなぁ!「タンシャ」って何処にあるんだ?」
「実はここには無いんだ。もしかしたら持っている人はここに居るかもしれないが……」
「ソイツから貰えば良いのか?」
「違う違う。そうだな……頼めば見せてもらえるかもしれない。そして、見せてもらったら、そのデザインとかを元に自分だけの「タンシャ」を作ろうじゃないかと思ってね」
多分だが、マウントアイテムは自分で作れると思う。誰かから貰う、販売している人から買う。そういう事が出来る時点で作るという選択肢もあるはずだ。そういえばヘックスさんってバイクにもなるし、飛行ドローンみたいにもなる凄いの持ってたよな?もしかして、マウントアイテムの作り方とか知ってるんじゃないかな?
「「おぉー!」」
「流石に人の姿でしか乗れないと思うから、さっき人の姿になれるか聞いたんだ」
「「タンシャ」って何の事か分からなかったが、要は乗り物か。確かにドラゴンに乗り物は必要ないな。人型だから楽しめるって奴か」
「どう?やってみたい?やってみたいなら、それが出来そうな知り合いにちょっと手伝ってもらおうと思うけど……」
「「やってみたい!(ぜ!)」」
最初はダイコーンさんにバイクを見せてもらおうと思っていたけど、これはヘックスさんに見せてもらった方が良いかもしれない。となると、一旦街じゃなくて村の方に行った方が良いか
「それじゃあついて来てくれ。心当たりがある人の所まで行く」
ドラゴン2体(人型)を連れてアストライトに向かって行く。これで上手く話が纏まれば僕も紫電ボード以外の乗り物も入手出来るかもしれない
「おーい!皆ー」
「ん?おう、ハチ!」
「どうしたー……ってなんか連れてきたな?」
「ぽよっ?」
エキドナ・アクエリアのドナークさん、ワイトソルジャー・ヴァリアントのワリアさん、ブラッドスライムのちのりん。村の最初の3人が井戸端会議的な事をしていたのでそこに突っ込んでいった
「ちょっとヘックスさんを探してるんだけど、家に居る?」
「多分居ると思うぜ?なんか新型作ろうかなぁどうしようかなぁとか言ってたぜ?」
おっ?これはもしかして渡りに船では?
「情報ありがとう!それじゃあちょっと行ってきます!」
「待て待て、そちらの2人はどういう方なんだ?ハチが村に連れてきたって事は旅人では無いんだろう?」
ワリアさんの察しの良さは素晴らしいな?
「こちら赤いのがボルカさん、黒いのがフォヴォス。ドラゴンです」
「「「はぁ(ぽよっ)!?」」」
「驚かせてわりぃな。でもここをぶっ壊したりはしないから安心してくれ」
「押忍!フォヴォスだ!夜露死苦!」
「おい!ハチ!ハチ!またすげぇの連れてきたな……?」
流石にドラゴン2体を連れてきたと言う事で驚いていた3人。これからヘックスさんに話をしに行くけど、上手く行くかなぁ?




