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フォヴォス

「な、なんだ!?今、確かにただよろしくと言っただけのハズなのに、今の感覚はいったい……おい!教えてくれ!今のは何だ!?」

「今のは僕の所に古くから伝わる「やんきぃ」と呼ばれる特別な人が使う言葉……君の親が使う特殊な言葉と似ているかもしれないけど……」

「いや、親父のは何も響かなかったが、さっきの言葉はすげぇビビッと来た!もっと教えてくれ!」

 ヤンチャ感あったし、どうかと思って使ってみたヤンキーの当て文字的な言葉を使ったらなにかがドラゴンさん的にヒットしたみたいだ


「わかり……いや、分かった。「やんきぃ」の言葉を知っている限り教えよう」

 これがどう転ぶか分からないが、このドラゴンさんにヤンキー口調を伝授してみよう。下手すると僕は龍王と呼ばれる存在に命を狙われる事になるかもしれないが、まずはこの目の前の家出ドラゴンを何とかしてあげたい




「……そして俺の戦闘スタイル。拳で戦う素手喧嘩(ステゴロ)だ」

「素手?お前、武器は使わないのか?」

「武器に頼るのは漢らしくない。覚悟ある者は敵の懐に突撃をかまして勝利を勝ち取るんだ。そうだ。あれを見せよう。【アダプタン】」

 シロクマコスチュームを解除して、テアトルクラウンの服に着替える。【アダプタン】でこの激熱空間に何とか立っていられる様に火山内部に適応した姿になる。何となくドラゴンの鱗っぽいのが体の所々に現れた。【アダプタン】である程度適応しているハズだけど、滅茶苦茶熱い。汗が噴き出てるかもしれないが、ここはアレを見せないと


「な、なんだ!?そのカッコイイ服は!?」

「これは特攻服と呼ばれる服の模倣品。真に選ばれた度胸とか、忍耐力がある者のみが着る事が出来る服だ」

 一応背中に『天上天下唯我独尊』と書いてあるけど、確実にこの言葉を背負える気はしない。でも、特攻服も案外悪くないかもしれない


「か、かっけぇ!欲しい!」

 特攻服を見てカッコイイと言うドラゴンを見て、何となく、特攻服を着たドラゴンを想像した。意外とアリかもしれないが、ドラゴン1体分の服とか布が何人分必要になるんだろう?製作とかもかなり大変そうだな……


「その特攻服……俺も着たい!」

 絶対そう言うと思った。だが、現状だとドラゴンさんが着る事が出来る服が無い。服が有れば、テアトルクラウンの服の効果で一時的に着せる事とかも出来るが……


「すまない、この服を作る事は出来るかもしれないが、流石にドラゴンサイズの服は……」

「ヒトの大きさなら作れるのか!?」

「それなら出来るかもしれない」

「分かった」

 そう言うとドラゴンの体が光り、その体積がドンドン縮んていく。そして数秒か数十秒経ったその時、光が収まり、所々が鱗で覆われた黒髪金眼の女の子が立っていた


「ん?」

「どうした?その服俺も着てみたいぞ!」

 思考が完全に停止している気がする。あれ?男の子じゃ無かったのか?


「あ、あぁ……何か適当な服は持ってるか?」

「服、これで良いか?」

 ポンチョの様な物を頭からかぶるドラゴン……いや、女の子。そういえばまだ名前も聞いてなかったっけ……


「今更で申し訳ないけど、自己紹介してなかったな。僕は……伝道者のハチとでも名乗っておこうか」

「焦らすなよー!フォヴォスだ」

 フォヴォスと名乗ったドラゴン少女が構えている。あんなに大きかったのに今や僕とそう変わらないサイズ……もしかしてドラゴン的にはまだ僕と同じくらいの年なのか?


「これで、どうだ?」

 テアトルクラウンの服でポンチョを一時的に特攻服に変化させる。一応背中の文字は『罰怒我阿流(バッドガール)』にしておいた


「お、おぉ……かっけぇ!」

「そうか、似合ってるぜ!」

 一応悟られないように頑張って平静を装っているが、まさかの女の子だったという事実でまだ混乱している……ボルカさんなんで教えてくれないんだ


「分かったぜ!これで俺達はマブダチって奴なんだな!」

 ちょっと違う気がするが……ここは否定しても仕方がないか


「あぁ、これで俺達マブダチだ!」

 とりあえずここは握手しておこう


「おぉ!燃えるな!このやり取り!」

 楽しんでるなぁ……まぁ楽しんでいるのならそれでも良いか


「確かに燃えるな」

 実際に熱くて燃えそう。早い所ここから脱出したいな……


「どうだ?ここから出てもっと色々見て見る気は無いか?ここに居ても良いが、それじゃあせっかく俺が教えた事が何も出来ないぜ?」

 何でも良い。とにかくこの空間から外に出よう。熱すぎて頭が回らなくなる


「よし!良いぜ!外に出る。俺も「タンシャ」って奴に乗ってみたい!」

「よし、そうと決まれば出よう」

 まだボルカさんが用意してくれた道があるからそこを通って地上に戻ろう


「どこ行くんだ?このまま出れば良いだろ?」

「流石に溶岩は体が持たないからな……この道から戻る」

「何だよ?日和ってるのか?」

「あぁ?上等だ!溶岩だろうが特攻してやるよ!おい!背中乗せろ!」

 特攻服の話とかしてしまった手前。ここで逃げる訳にはいかない。でも正直めちゃ怖い。【アダプタン】で耐性付与されては居るだろうけど、熱いのに変わりはないし、溶岩に突っ込むとか全身やけどで済めば良い方だ。地上に出た時に僕の体残ってるんだろうか?



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― 新着の感想 ―
なんか一人称俺になって口調も変わってるし笑笑
[一言] 反抗を止めるんじゃなくてさらに増進させるの予想外ww
[一言] 〉溶岩に突っ込むとか全身やけどで済めば良い方だ あとでゲヘちゃんに心配されるやーつ。いやほんとに。
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