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勝ち抜けるために

「邪魔だオラー!」「【ファイアアロー】!」「【ダブルスラッシュ】!」

 戦場の中央付近では剣とか槍とかハンマーとか近接系の人達が、フィールドの外周付近では弓や魔法を使っている遠距離系の人達が居る。なんというか障害物とかも無いから酷い乱戦になっている。これ結構魔法使い系の人が生き残りそうだな……


 空中を見れば残り人数なのか「16」という数字が浮いている。【擬態】を使用してから動いていないからか誰もこちらを見ていない


「とりあえず残り人数が5~6人くらいになるまでこのまま隠れていようかな」

 火とか氷とか雷とか風っぽいのが飛び交っているあの中に入って行くのは回復アイテムがいくつ必要になるか分からない。戦闘の濃度が薄くなるまで手を出さないのが吉かな……


「強い奴来ーい!」「【マルチアロー】!」「【インパクトスマッシュ】!」

 色んな所からスキルやら魔法を発動する声が聞こえる。うえっ!?矢がこっちにも飛んで来た!


「【インパク】」

 ゆっくり迫る矢が僕に当たる前に手をチョップの形で前に出し、矢が手の前を通る時に【インパク】を発動する。すると僕に向かってきた矢が【インパク】によって弾き飛ばされる。これが新しく使えるようになった僕の攻撃への防御手段だ。【電磁防御】は勝手に発動してしまう物だけど【インパク】を使った弾き。これなら出来るだけ当たる瞬間で使えれば消費MPもかなり抑えられる。あと練習中に分かった事だけどMP消費が多くなると次発動するのに時間が掛かるクールタイムの様な物が発生してしまうので【インパク】を使ったガード?パリィ?これを使う時はMPは20以下で使用する事が望ましいという結論が出た


「あれ、マルチロック的な技なのかな……」

【マルチアロー】言ってたし、同時に何体も撃てる技なんだろう。にしてもごちゃっとしてるというか20人の個人戦だからなのか、逆に見る場所が無いみたいで観客らしい観客は100人も居ない。これイベントとして失敗なんじゃないだろうか……


「さぁ!トーナメント本戦に出場出来るプレイヤーはこの中に居るのか!」

 上でオーブさんが煽っているけどやっぱこれ完全に前座扱いになってない?いや、本戦トーナメントに比べたら完全に前座だけどさ……


「残り人数が減るとフィールドが縮小していきます!フィールド外側の人は気を付けてください!」

 オーブさんの警告と共に光の線が縮小する。なるほど、最初は遠距離系の人が強いけど終盤は狭くなるから近距離系の人が強くなるって感じなのね……


 じわじわと迫る線に追いつかれない様に匍匐前進で進む。【擬態】のお陰で大分楽が出来た


「正々堂々戦うべきなんだろうけど……バトルロイヤルだからね」

 厄介な攻撃をすると他の人に狙われる。目立つ行動をすると狙われる。弱っている所見せたら狙われる。バトルロイヤルとはそういう物だ


 空中に浮かぶ数字も10を切り、残り半数となった事で更にピリピリとした雰囲気になる。そろそろ違和感を持った人も居るみたいで弓持ちの人とか周りを見たりしている。あの人には消えてもらえると嬉しい


「おかしい……」

「何がだよ!オラァ!」

「ぐはっ……」

 あの自分よりデカいハンマーを持った人良いねぇ?その調子で弓持ちを追いやってくれると助かる。誰か巻き込んだみたいだけど何の武器の人かは分からない。けど、一撃で倒すって凄いな?STRめちゃめちゃ高そう……


 また1人減った事で戦場がまた小さくなる。そろそろやるか

「そりゃ」


【違法改造】済みの煙玉を戦場中央に放る。煙玉が地面にぶつかるとポンッ!という小さい爆発音と同時に瞬く間に煙が周囲に広がった。戦場全てが煙に包まれる。ここからは時間との勝負だ


 煙玉を投げる前に人の位置は粗方確認していたけど煙玉の濃度を少し下げていたのでうっすら見える。円の外側付近に立っていた杖を持っている魔法使い。まずは君だ


「【リインフォース】【リブラ StoA】」

 今回は一撃の威力よりも速さが重要なのでDEXは弄らずにSTRを下げ、AGIを上げる。そして魔法使いに走り寄る


「なっ!?」

「【インパク】」

 魔法使いの人の胴体に右手で掌底を打ち込みながら【インパク】も使う。割とギリギリな場所に立っていた魔法使いの男の人は光の線を越える。すると線を越えた途端姿がポリゴンになり消えていった。はぁ、場外ってこう消えるのね?


 ダメージは無くともノックバックで場外に出してしまえばこの通り。円近くに居る人はこれで飛ばす事が出来るから煙で見にくい今の内に人を減らす!


「【インパク】」

「ぐあっ!?」


「【インパク】」

「えっ!?」


 煙と【擬態】で地面と同じような色合いをしている僕の存在を確認するのが遅れた人達を【インパク】を使って場外に出す。ハンマーで人を一撃でキルしたりは出来なくてもこうやって戦う事は出来る


「なんだぁ?この煙は?まぁ良いか!」

「くっ……狙いが……ぐあっ!」

 聞こえてくる声的に弓の人がやられたみたいだ。これは次の戦いでも同じ戦法が使えるかな?


「2名の勝ち抜けを確認!グランダ様とエントリーナンバー815様です!」

 あ、僕の名前そう呼ばれるんだ……プライバシー設定のせいかな?



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― 新着の感想 ―
[一言] ひっじょーにどうでも良い話だけど、バトルロワイアルって言葉は無いんだなぁ、これが。 あれは作品名なんだなぁ。 ま、今更な話だけど。
[一言] こういうバトルでは主人公の持つスキルや装備は、最高の組み合わせだね。
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