PV第2弾
「ハチさん!こっちです」
「あ、居た居た。あの人です」
「あの人が……」
「気が乗らなかったら拒否して構いません。嫌になったらやめても問題ないので」
チェルシーさんとソリが合わなかったら師匠になる事自体やめてもらって構わない。正直チェルシーさんよりルクレシアさんの方が優先度が高いし
「まずは話してみないと分からないので少し話してみます」
「お願いします」
チェルシーさんもこっちに来るのでそろそろお話はストップだ
「えっと……ルクレシアです。よろしくお願いします……」
「あ、チェルシーと言います……」
オドオドしてるとはちょっと違うと思うけど、お互いに探りを入れてる感じかな?
「そうそう!ハチさん新しいPV見ましたよ!」
「あ、僕まだ見てないんですよね。ちょっと今から見て見よう」
せっかくPVが見れる所に来ているんだから見ない方が勿体ない。早速見て見よう
「あの、それは私も見て良いんでしょうか?」
「多分大丈夫だと思いますが、ハチさんのショッキングな映像が出ると思うので、注意しておいた方が良いと思います……」
「まぁ……でしょうねぇ……」
僕だって今回のは流石にヤバいという自覚がある。あれをルクレシアさんに見せるのはあまり良くない気がするなぁ……
「それ程までに気を付けないといけない物なんですか!?」
「貴方は多分ハチさんの事をある程度は知っていると思いますが、今回のはヤバいですよ?」
「そ、そうなんですか?」
なんか僕をダシにして仲良くなってるのかもしれない。とりあえずPV見るか
「逃亡セヨ!」
「はぁ、はぁ、はぁ……」
「逃亡セヨ!」
「追いつかれるぞ!」
「逃 亡 セ ヨ !」
「うあぁぁぁぁぁ!」
開始早々に急かす様に画面に「逃亡セヨ」の文字が出てきたと思ったら逃亡者が逃げているシーンに被せる様に警告みたいな感じで「逃亡セヨ」の文字が間に入って来る。「逃亡セヨ」の文字が消えたと思ったら逃げていた逃亡者の1人が徐々に追い詰められて捕まっていく様を見せられて緊迫感が凄い。多分捕縛者側からの視点だとは思うけど、これは怖いな
「ミッションをクリアしろ!」
「多分あっちかな?」
「油断は厳禁!」
「隠れろ隠れろ!」
「時には隠れてやり過ごせ!」
「…………!」
これは僕が逃亡者をロッカーに追い詰めた時のだろうか?逃亡者が走ってロッカーの中に隠れる様子が映った後、僕が部屋に入ってきた
「どこに居るんだぁい?居るのは分かってるんだよぉ?」
これは確か、部屋に入る前に言ったと思うけど、良い感じに編集されてるかな?
「出てきなよぉ?今ならまだ間に合うよぉ?」
我ながら本当に何に間に合うんだって話だよなぁ……
「おかしいなぁ!居ると思ったんだけどなぁ!」
人が入っているロッカーの隣のロッカーを殴って脅しているシーンだが、このシーンは他の人も見やすいように、ロッカーが半透明になって僕が中の人を脅している状態が凄く分かりやすくなっていた。中の人も窒息するんじゃないか?と思う位口元を抑えて、僕が出て行った後にドっと疲れたようにロッカーから倒れるように出てきた
「個性的な捕縛者から逃げきれ!」
そう言って僕達4人の紹介映像みたいな感じで、各々のハイライトみたいな物が流れた
「そんなんじゃつまらないのよ!」
「アハハッ!もっと走って~」
銃弾を曲げながら足を攻撃して動きを遅くするキリエさんとフランキスカ両手に人を捕まえまくるキリアさん
「悪いがここからは逃げられないよ?」
「「オゥイェス!」」
なんだろう……ブーメランパンツのムキムキおっさん2人とスク水忍者細マッチョのただでさえ凄まじい画面圧からの3人で決めポーズ。完全に柱か何かの男と言うべきか……今の内からハスバさん用に赤い宝石でも探しておくか?
「どう?開きそう?」
「あぁ、早くしてくれよ……あの人が来ちまう」
あ、このやり取りは……
「あの人って誰?」
「そりゃあお前、あの人ってい…え…ば……ひえっ!勘弁してください!もう出口なんです!」
「うーん、見逃して欲しい?」
あの脱出直前の人の所か……この人は本当に惜しかったよなぁ……
「お願いします!何でもしますから!」
「ん?今なんでもって言った?」
正直、この言葉を言ったらもうアウトと言うか、死亡フラグみたいな物だよね
「はい!」
「じゃあ、僕と勝負しようよ。じゃんけんで良いよ。勝ったらそのまま行って良いし、負けたら捕まってもらう。それで良い?」
「ありがとうございます!」
「じゃあ行くよ。じゃんけんぽん!」
「あらら、残念。惜しかったねぇ?」
そして立てたフラグは即回収されると……
「ぬわぁぁぁ!」
深淵触手でぐるぐる巻きにされるシーンもしっかり映ってるなぁ……
「絶望から逃走セヨ!」
ハスバさんがサイバー忍者状態でかなりの人数が居る所を駆け抜けて大量に捕まえるシーン、キリエさんが念動力で石の柱を作ってキリアさんが振り回すシーン、そして……
「「「「「行くよ」」」」」
最後に僕が【暴走因子】を発動して10人超えたシーン。今回のPVは割と短めでCMみたいな感じだったな?チラッと横を見ると顎外れたんじゃ無いかな?と思う位開いた口が塞がらないルクレシアさんが居た
「分かりますよその気持ち……ところでハチさん?多分ですが、今回捕縛者側の人達に別のPVって来てませんか?」
「別のPV?というと前の奴みたいなって事ですか?」
「そうです。ちょっと他の3人は今忙しいみたいで頼めないので、ハチさんなら持ってるかなぁと」
そんな物あるかな?とメモリーシアターの映す物を変える装置の所に向かって映像を選択しようとしてみると、新しい映像が確かに用意されていた