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心当たり

「私の師匠は居ないんですね……」

「そんなに師匠が欲しいならそれこそギルドに頼めば良いのでは?」

 やっぱり僕の知ってる人でチェルシーさんの師匠になれそうな人は居ないと思う。物理とか魔法とかであればさっきの2人が順当なのかもしれないけど、情報収集的な事の師匠って流石に思い浮かばな……


「待てよ?あの人はある意味……」

「誰か居るんですか!」

「因みに、1つ聞きたいんですけどチェルシーさんは情報収集能力の師匠が欲しいんですか?それとも情報整理能力の師匠が欲しいんですか?」

「それで言うなら情報収集でしょうか?」

「それなら今の話は忘れてください」

「えぇぇぇ!?」

 だってあの人は情報整理の達人で情報収集の達人では無いと思うし……


「いや、勿論整理の能力も知りたいですよ!?」

「まぁその人が引き受けてくれる確率はめちゃ低いんですけどね……」

 情報整理の面で分かりやすい資料を作れるルクレシアさんは本当に尊敬出来るし、師匠としても優秀な気がするが、学生だからそこは受けてもらえない可能性が高い。会いに行こうと思っていたし、一回行くだけ行ってみるか


「とりあえず引き受けてくれるか分からないので話だけしに行ってみます」

「幾らか積んだ方が良いですかね?」

「お金の問題じゃなく時間の問題なので、それは無意味だと思います」

 ルクレシアさんをマジナリア学園から連れ出せなきゃ師匠にする事は出来ないだろうから多分無理だな


「というかチェルシーさんって別に師匠要らないレベルで情報収集出来てるじゃないですか」

「ハチさん。情報収集能力というのはどれだけあっても足りません。正しい情報を素早く集める方法。集めた情報を分かりやすく纏める方法。何を取っても大事なので些細な事でも知りたいんです」

 まぁ言いたい事は何となく分かる。資料を簡潔に纏めて、分かりやすく保存出来ればその情報が必要な時にまた引き出しやすくなる。情報を集めるだけ集めて、どの情報か分からなくなっても困るし、そういう情報の整理的な面でも学ぶ事が無いという事は無いみたいだ


「結構考えてたんですね。でも、そういう事なら師匠になれなくてもどういう点を気を付ければ良いかとかなら聞けるかもしれません」

 師匠になるのは無理だとしても資料のまとめ方とかなら聞けるかも……


「私は行けないんですよね?お願いします!」

 それじゃあマジナリア魔法学園に行きますか




「さて、図書館図書館~」

 図書館の受け付けに行けばルクレシアさんが居るハズ……


「あれ?なんだこの張り紙……」

 図書館入り口には張り紙がしてあり、中には入れないような状態になっていた


「何々……図書館改装中につき、立ち入り禁止……これどうしよう」

 図書館が立ち入り禁止だとルクレシアさんはいつもの席に来ないで帰ってしまうのだろうか?それとも新しい本が入るとか噂を流したら聞きつけて取りに来たり……は流石にしてないか


立ち入り禁止だけど、ルクレシアさんが何かしらの能力みたいな感じで実は通してもらってる可能性を考慮して、窓の外から中を窺ってみる


「おっ?誰か居るな……改装作業の人達か」

 窓から図書館の中の方を確認してみたけど、改装作業の為の人達しか見えなかった。さて、どうしようか……


「あれ?ハチさん?」

「はい?あっ、ルクレシアさん」

 後ろの方から声を掛けられたので振り返ってみたらそこにはカートを押しているルクレシアさんが居た


「こんにちは……今日は図書館は入れませんけど……どうしたんです?」

「実はちょっとルクレシアさんを探してまして……図書館が入れないってなってたんでどうしようかと思ってた時に丁度来てくれたので助かりました。ところで、図書館は入れないって言ってましたが、ルクレシアさんはどうしてカートを持ってここへ?」

 図書館に入れないのならそのカートはただ邪魔なだけだろう


「これですか?これは、図書館の改装作業している人達に差し入れをしたいと言ったら学校で用意してくれた物です。学生が勝手に差し入れしてしまうのは困るが、学校で用意した物を学生が運ぶのは構わないって言うので」

 確かに貴族とか結構居るみたいなこの学校で学生が勝手に業者に差し入れするのは出来る事なのかもしれない。でもそれだと学校の威厳とかに関わるから、学校で用意したけど、学生がやりたいって言うからその生徒に任せましたって形で威厳的な物を保っているのだろう。あとは熱心な学生に答えているとも受け取れるかな


「それ、僕も一緒について行って良いですか?」

「え?ええ、多分大丈夫だと思います。私も邪魔にならない所で改装作業を少し見学しようかと思っていたので」

 カートの上には冷たい飲み物とか用意されていたので、これの準備を2人でやれば自然な形になるかな?


「一応女状態で行っても良いです?僕は許可貰ってないんで万が一バレた時に僕の存在がバレないようにしたいんで」

 女子生徒2人組と男女のペアだとかなり印象が変わるはずだ。もし、相手に女子生徒1人が差し入れを持って行きますっていう情報があって、それが男女ペアで来た場合と女子生徒2人で来た場合。良い印象なのは女子生徒2人組だと思う。これは勝手な想像だけどね?


「本当に器用な人ですよね……」

「とりあえず差し入れが終わったらちょっとお話しましょう」

「分かりました。時間を取ります」

 さて、ルクレシアさんとお話して、情報を纏める極意みたいなのは聞けるかな?



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― 新着の感想 ―
[一言] チェルシーさんくれぐれルクレシアさんに失礼のないようにお願いしますねなんかあれば何かしらのペナルティーがきそうな予感がするんよ
[一言] チェルシー「纏めた紙……⁇っえ?これ!?私師匠に会わせてもらえるんじゃないんですか!?師匠熱いやりとりしたいっていいましたよね?……あ、会わないっていう条件で貰えた?……なら諦めますけど………
[一言] あ、類い稀なる適任者なじゃないですかー、しかもきっちり頼み込めば断りきれない流され属性のw まあ、ルクレシアさんがダメでも邪神ブートキャンプに放り込めばワンチャン?
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