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イベント前のウォーミングアップ

「オーブさんこんにちわー」

「ハチ様、いらっしゃいませ」

 やってきました白空間。色々練習するならここが一番だ


「今日は昼からイベントだし、スキルとか魔法とか色々確認したくてね?」

「ハチ様は……ソロ無制限部門に出られるのですね?」

「うん、ギリギリまで経験値を稼ぐ方が良いかもしれないけど自分の手札はしっかり確認しておきたくてね?」

 レベルを上げて強くなる。それは重要な事だけど自分の持っているスキル、魔法の全てを理解しないとこのスキルは使えない、この魔法は使えない。だからあのスキルと魔法だけを使おうと、とても狭い視野になってしまう可能性があるかもしれない。まだ使ってないスキルとか魔法を急に対人戦闘で使うのは中々に勇気がいるしね?


「なるほど、それは良い考えですね。で、どうされますか?」

「また前みたいにマネキンを出して欲しいんだけど……鎧とかって装備させる事出来る?」

「鎧装備ですか?分かりました少々お待ちください」

 また前回の様にマネキンが現れた。今回は鎧で頭からつま先まで防御されている


「悪いんだけど屈んでくれる?」

 鎧を纏ったマネキンが僕の言う通りに屈む。これからやる事を考えるととても心が痛い


「ごめんよ?」

 一応謝ってからマネキンの顔に足を向け、そのまま顔を軽く踏む


「やっぱり……これって条件が頭を踏む事だから足裏を相手の頭に当てる事で効果が発動するんだね」

 黒い靄がエゴから出ている。【戦意奪略】が別に相手を地面に倒さなくても発動可能なのは何となく出来ると思っていたけどこれが出来るなら色々出来そうなやり方があるな……


「それでこう!」

 ガクガク怖がっているマネキンに向かってちょっと突き指が怖いから掌底を胴体に打つ。すると僕の手が鎧をすり抜けてマネキンの体に触れる


「こうなるんだ……」

 軽く打っただけだからマネキンが後ろにこけただけだけどイドの【畏怖奪掌】の防具を無視した攻撃っていうのは鎧をすり抜けるのか……


「マネキンから恐怖の状態異常が消えていますね」

「セット運用しろと言わんばかりだね……」

 相手の頭部に蹴りをヒットさせて鎧を無視した一撃を見舞う……イドとエゴはこれで防具なのだから恐ろしい。あぁでもすり抜けるのは僕の腕だから剣とかじゃ使えないか……まさに僕向けの防具だ。ヘックスさんには感謝しないと……もちろん村の皆もだけど


「それじゃあ次……【幻影脚】やってみよう」

 コツコツと右足の踵を地面に打ち付けると足が勝手にステップを踏む。うわぁ……見た目と実際の感覚の違いが凄い。ついでに両手も打ち鳴らすとステップを踏みながらシャドーをする幻影の腕と脚。実際はただ立っているだけなんだけどね?


「ハチ様、今動いていないんですか?」

「うん、オーブさんには今僕が何処を向いているか分かる?」

「仮面が付いていて見えないですね」

腕も脚も目線も相手が認識出来ないのは強いな


「戦闘中だとプライバシー設定が若干緩和されますので目くらいは見えますが……それだと何処を向いているかもわかりませんね」

「あ、そうなんだ」

 目線は戦闘では重要なファクターだと思う。この仮面は僕から相手の顔は見えるけど相手からは僕の顔が見えないっていう強みがある。そういえばプライバシー設定最強だと相手から僕の顔が見えなくなるんだっけ?フードの影が濃い感じかな?まぁどうでも良いか




「オッケー、とりあえず【幻影脚】も確認出来たから次を試してみよう」

 屈伸したり、自分の思う通りに動かしたり、【幻影手】と同じ事も出来たし、このくらいで良いだろう


「次はマネキンを味方にしてくれる?」

「はい、味方に変更しました」

 マネキンが味方の判定になったのでマネキンのHPも見える。次の魔法をチェックしてみる


「【ライフシェア】おぉ……HPが持っていかれた……持っていかれたァ!」

「どうかされましたか?」

「いや、何となくやった方が良いかなって」

 僕のHPの半分がマネキンのHPに加算され、HPバーに半分くらいの長さのHPバーが上に追加されていた


「ちゃんと出来てるね。これはパーティ戦用かな?もう一回やってみよう【ライフシェア】!」

 ライフシェアをもう一度使ってみると自動回復で少し回復した分も合わせて残ったHPの半分がマネキンに移動する


「これ、使い勝手が良いとは言えないけど中々面白い性能してるなぁ……」

 HPを人に渡すのは気軽に使うのは難しいけど即座に他の人のHPを回復出来るのは良い


「【コンバートマジック HP】」

 HPを宣言するとMPがガンガン減ってHPが回復する。自動回復も合わさって中々の回復量だ


「これ合わせるとMPが空になるまでHP増やせそうだなぁ?」

 時間は掛かるけど味方のHPバー5本とかに出来そう


「まぁ回復関連が強化されたと……それじゃあメインディッシュを試してみようか」

 新しく覚えた魔法。【インパク】これが楽しみだったんだ


「何か用意は必要でしょうか?」

「マネキン君。また、頑張ってもらうよ」

「はい、味方状態を解除します」

 マネキン君には悪いけど試させてもらう


「【インパク】えっ?」

 左手をマネキンに向け、最低のMP5だけ消費して発動する。僕とマネキンの距離は1m程だが、【インパク】は届かなかった


「消費MPが低いと射程が短いみたいですね」

「ならマックスで試してみよう【インパク】!」

 マックスのMPを100消費してみると1m離れたマネキン君が2m程吹き飛んだ。マネキン君のHPは減っていない……本当に吹き飛ばすだけなんだ


「ん?マックス射程が1mなのかな……って事は?」

 立ち上がったマネキン君から10cmくらい離れた位置で手を向けてMPを10使って【インパク】を発動してみる。するとマネキン君が2m程吹き飛ばされる


「もう一回ね?」

 今度は10cmくらいの距離からMPを8消費して【インパク】を発動すると【インパク】はマネキン君には届かなかった


「なるほど、ノックバック効果は変わらないけど消費MP1で1cm範囲が増えるのね」

 それから練習やら準備等をしてお昼前にブランチを取り、イベントに備えた



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― 新着の感想 ―
[一言] ライフシェアの度に腕や足が取れる仕様になるのか…
[一言] 持っていかれたぁ....鋼錬(鋼の錬金術師)ですね。 人体錬成に失敗した時、エドワード・エルリックが言った言葉ですね。
[一言] このオーブの間と言う情報が漏れない訓練所を使えるのが、他のプレイヤーよりも有利な所だと思う。
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