表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
826/1999

こくほう級

「ハチ様。体調の方は大丈夫でしょうか?」

「しっかり寝たので大丈夫です。また途中で落ちちゃってごめんなさい。運営の人に迷惑とか掛かってませんか?」

 何より心配だったのは僕が最後の挨拶の前で落ちてしまった事によって何か問題が起こっていないか。それが一番の心配事だった


「むしろ、こちらこそハチ様に負担を掛けてしまったので謝らなければなりません。申し訳ありませんでした」

「これは多分僕が悪いです。きっと何かしらのスキルとかを想定されてない使用法をしたとかで負担が大きくなったとかだと思うんです。だからオーブさんが謝る必要はありませんよ」

 僕がそう言うとオーブさんが何かを調べる様な素振りで僕の体の周りを飛ぶ


「……確かにハチ様は他の方よりも高負荷な状態のようですね……感覚設定を下げると緩和されるかもしれませんが……」

「それは考えてないかな。他の人が同じような状態になってたりします?違うんだったら現状は僕だけですかね?」

「そうですね……ハチ様だけに異常が発生しているのではなく、ハチ様が同時に使用している能力によって想定以上の高負荷が発生している状態なので、何か異常が発生しているという訳ではないですね。そもそも普通の方はハチ様がログアウトされる前の戦闘法をすると10分と持たないかと思われます」

 そうなんだ……じゃあ結構僕ヤバい事してたのかな?


「じゃあ僕が鍛えれば問題無いって話ですね」

「本来なら安全性を考えてこのような事は出来ないようにするのが良いのですが……今のハチ様の姿を他の方は見たいと思って居るでしょうし、本人が今の状態を望んでいるのであれば、ここはハチ様の意志を尊重するべきなのか……」

 オーブさんが悩んでいる。まぁこのゲームが原因で死んだりしたらそりゃあ大問題だしなぁ……


「僕はこのゲームのお陰で日常を取り戻せたんだ。だからこのゲームの可能性?限界?そういうのを知る為に何かやってみるっていうのも良いかなって。だって僕一応βテスト参加者でしたけど、特に何も協力出来てなかったんで、今こういう事で出来る事を協力するのが良いかなって」

 βテストの期間はずっとリハビリをしていたので、バグを見つけたり、改善案みたいな物はほんの少しくらいしか協力出来なかったと思う。東郷さんに色々助けてもらったお礼とかもこういう事で返していけるのなら多少疲労する事があるとしてもやっていきたい


「出来れば無理はして欲しくないのですが、ハチ様の戦闘データ等はとても貴重なのでそうして頂けるとこちらとしてもありがたいです」

 戦闘データが役立ってくれているのならありがたいな。なんだろう?敵の挙動とかに使われたりするのかな?


「それはそうと、ハチ様。今回のイベントで捕縛者としての報酬があります」

 そういえばそうだった。捕縛者として逃亡者を捕縛したら報酬が貰えるんだっけ。何が貰えるんだろう?またこの前みたいに報酬はランダムで決めたりしちゃおうかな?というかそもそも選択出来る様な物なのか……


「今回のイベントでの事を鑑みて、ハチ様に対する報酬は称号になりました」

「称号ですか?どんな称号かなぁ……」

 〇〇〇の捕縛者とかそういう物かな……それとも〇〇〇の捕らえし者とかそういう物か?


「【国崩級危険人物】という称号です」

「国宝級?」

「国の宝ではなく、国を崩すような危険人物です」

 おーい?どういう事ですか?どう聞いてもまともでは無い称号何ですが?


「では称号を進呈いたします」

「えっちょっ」

 ちょっと待ってと言うよりも先にオーブさんが素早く僕に称号を付与した


『称号 【国崩級危険人物】 を入手』

『【国崩級危険人物】野放しにしておくと国すら崩壊させてしまうかもしれない危険人物になった時に入手 アカン!これじゃ国が死ぬゥ! 街等に入った時、警戒されやすい。但し、特殊なクエストなどが発生しやすくなる。全ステータス5%アップ』


 ステータス上昇量としては僕が持ってる他の称号に比べるとかなり弱めだが、特殊なクエストが発生しやすくなるというおまけ効果が付いている。これはアレか?危険な匂いのする男だから任せてみるかみたいな事が起きるかもしれないっていう……というかそもそも


「国が崩れる程の危険人物……僕ってそんな危なっかしいんでしょうか?」

「はい、ハチ様はかなり危なっかしいですよ?あれ?気付いていなかったんですか?」

「oh……」

 オーブさんにバッサリと言われてしまった。もう少し自重しろって事なのか……


「でもハチ様の何事にも首を突っ込むその好奇心はとても良い物だと思いますよ」

「好奇心は猫をも殺すと言いますが……」

「現状ですと好奇心で全て破壊するハチ様ですが?」

 オーブさんになんか凄い事言われた。でも、そう言われるくらい色んな事に首を突っ込んでいるのは否めない。だって気になるじゃん……


「そういえば逃亡者達の報酬ってどういう物だったんです?何か武器とか防具みたいな物だったんですか?」

 僕の報酬が称号だとしたら逃亡者達への報酬はなんだろう?気になる……


「好奇心には勝てないみたいですね?」

「あぁー……」

 オーブさんに軽く笑われたけど、確かに好奇心で首突っ込んでたわ



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 〉国崩級 「国を崩しかねない危険人物クラスの『補助術士』」 これだけ聞くと使い魔とかを前面に押し立てて戦うタイプに見えるのになぁ。 まさかソロだとは思わないだろうから、衛兵さんとかに称号報告…
[一言] 他人に空島貸してるのと本人の気質故に危険性が無いから忘れがちだけど 『戦闘不可の豊かな島という名の事実上の空中要塞一つ』を個人で持ってるから この世界の国のレベルなら称号とか関係無しに十分国…
[気になる点] そういえば結局何%の人が脱出できたんだろう?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ