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ログアウトする為に

「さて、どうしようっかなぁ?」

 とりあえず森の中で蔦とか葉っぱとか集めた。これから寝床を作るにあたってやっぱり蔦は使えるんだよねぇ


「ちょっと試したいし、低い所で実験してみよう」

 木と木の間に蔦を輪っか状に結び、宙に浮いた2本を輪で繋ぐように蔦で結んだ。見た目は踏桟(とうざん)の密度の濃いすべてが蔦で出来た縄梯子が木と木の間に掛かっている様な状況だ


「えっと、【違法改造】」

 ヘックスさんから貰ったスキルを試してみる。するとゲージの様な物が現れた


「これを弄れば性能が変わるのかな?」

 ゲージの部分を見ると左に『寝心地』右に『耐久値』となっていた。これ他にも変更する候補があったら三角形とか五角形のレーダーチャート的な物になるのかな?


 とりあえず試しなので『寝心地』に全振りしてみる


「見た目は縄梯子だけどどうかな?あぁ……これ凄い良いかも!」

 蔦ベッドに寝っ転がってみると蔦とは思えない何か低反発マットにでも寝そべっているかのような寝心地。【違法改造】凄いぞ!


「あぁ、このままログアウトしちゃおうかな……ぬわっ!?」

 素晴らしい寝心地でログアウトしようとメニューを開いたところでブチッ!と音を立てて蔦が切れた。結果、背中から地面に落ちた


「痛たた……やり過ぎはダメって事ね……」

【違法改造】で『耐久値』を限界まで削ってしまったせいか一度使っただけで壊れてしまったみたいだ。全振りは良くないって事ね……


「これ逆に『寝心地』0で『耐久値』マックスにしたらカッチカチの板の上で寝るみたいになりそうだなぁ……」

 背中を擦りながら地面から起き上がり、今度は本番として木の上に登る


「この枝とこの枝なら太くて丈夫そうだな」

 枝と枝を蔦で繋いでいき、最終的に蔦でネットのような物を作り上げる




「これで……よし!」


 ---------------


 アイヴィーベッド(違法改造)


 レアリティ PM


 耐久値 140%


 蔦で作られたベッド。回収すると耐久値に関わらず壊れる


 ---------------


 大分変形したネットタイプのハンモック(一番近いのはメキシカンハンモックかな?)モドキを作り上げた



【違法改造】を発動し、今回は『寝心地』を少し犠牲にして『耐久度』を少し上げる。これでログアウト中でも壊れる事は無いはずだ……というかこれなら別に改造しなくて良かったのでは?


「あぁ、なんか硬めのトランポリンっぽい?」

 寝っ転がってみると『寝心地』を若干悪くしてみたけどこれくらいなら問題ない。とりあえずこれなら落ちる事も無さそうだからログアウトしよう


 自分で作ったベッドに寝転がり、ギリーマントを毛布代わりにしてログアウトを選択する。1分間のインターバルを置いてからログアウトした




「うわぁ、結構やってたなぁ……」

 外を見ると夕日が窓から見える。結構な時間遊んでいたのかもしれない……やっぱりこのゲーム時間忘れちゃうね


「明日は朝に練習して、昼のイベントに備えよう!」

 何処まで行けるか分からないけど上位入賞目指して頑張ろう!


 ゲームからログアウトした僕は諸々の家事を済ませて夕食を食べようとしていたら電話が掛かって来た


「もしもし?」

「もしもし影人?」

「あぁ、母さん?どうかした?」

 母さんからの電話だ


「影人の声が聞きたくなってね?」

「何か問題でも起きたのかと思ったけど、声が聞きたかっただけか……」

 海外から電話を掛けてくるとなれば何か問題でもあったかと思ったけど声が聞きたくて電話を掛けてくる母さん。こんな調子で大丈夫なんだろうか?


「この前先生に渡した試供品の商品があったでしょ?」

「あぁ、あの賄賂の……」

「ただの先に渡しただけのお礼の品よ?」

 言い方を変えてもそれはどうかと思う


「あれがやっと発売したの!」

「おぉ、頑張ったんだね!母さん」

「そう!もっと褒めて!」

 あぁ、褒めて欲しくて電話してきたんだなぁ……


「母さんじゃなかったらもっと時間掛かってたかもね?流石の手腕だね!」

「ありがとう。母さんやる気出てきた!また新しい製品の開発を頑張るわ!」

「うん、母さんと父さんならまた新しい製品を作るのもすぐだよ!日本から応援してるね?」

「ええ、ありがとう。影人の声も聞けたし、またバリバリ働くわよぉ!」

「父さんにも頑張ってって言っておいてねー?」

「忘れなかったら言っておくわ!やる気のある内にやるわよ!じゃあね!」

「あ、うん、じゃあね」

 なんか凄い電話だったなぁ?


「あの勢いだと父さんには僕の言葉伝える前に仕事に打ち込んで忘れてそうだなぁ……」

 母さんは気分が乗るとめちゃめちゃ働くけど気分が乗らないと凄くダレると父さんが漏らしていた。だから僕に電話を掛けてきた母さんを褒めてやる気にするのは僕の役目になっていた


「一応父さんにもメールで頑張ってねって送っておこう」

 ついでの様な形になってしまったけど父さんにもメールでエールを送っておく


 後で父さんから届いた返信メールには「雲雀さんがやる気になった。影人のお陰で父さんも助かるよ……父さんもお仕事頑張るよ!」と返って来ていた



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― 新着の感想 ―
[一言] ハチのおだて上手はこんなところに原因がwww
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