表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
814/2002

捕縛者集合

「あぁん?お客さぁん?余裕ねぇな?」

「うわぁ!?なんでここに変態が!?」

「上ばかり見てると足を掬われますよ?」

「ホワッ!?」

 ハスバさんがこっちのエリアに来てくれたお陰でハスバさんに屋根の上で派手なアピールをしてもらい、その間に僕はコソコソと見上げていた人達の背後に立ち、肩に手を乗せて最後の言葉を掛ける。僕1人でも出来るかもしれないけど、ハスバさんだからまぁ、発見時のビジュアルで皆の足が止まる止まる。僕の場合は基本、発見されたら即座に回れ右で皆ダッシュしてたけど、ハスバさんのスク水姿はやっぱりインパクトがあって良い。めっちゃ捕まえやすい


「ハスバさん、もっとその恰好でアピールしても良いですよ。その分僕が動きやすいんで」

「やっぱりハチ君と組むと心強いし、やりやすいな!このままエリア内に残っている逃亡者を全員捕まえようじゃないか!」

 多分だけど、サイバー忍者装備じゃ無く、スク水装備が良いって言われた事がハスバさん的には嬉しいポイントなんだろうな……


「緊急脱出はやっぱり中々止められないか……」

 遠くの方でロケットが打ち上がる。やっぱり、キリエさんとキリアさんも自分達のエリア全域を守るのは厳しいよなぁ……僕達の方も脱出地点の無い、エリアの端ギリッギリの所で緊急脱出ロケットを打たれたりしている。そうなるとやっぱり、脱出地点の守りを任せているNPC捕縛者を回したりしないと間に合わない。完全にジリ貧だが、打つ手がない訳ではない


『そろそろこっちの砂が無くなりそうね』


『分かりました。こちらに来たらエリアの脱出地点近辺で脱出しようとする人達の最後の希望を刈り取るっていう美味しい役割をやって欲しいんですが、任せても良いですか?』


『任されたわ!』


 緊急脱出は今の所仕方がない。何処で上がるか分からない物を捕まえる為には運よくその脱出しようとしている場面に会うか、もしくはこっちで緊急脱出したい人達を何処かに誘導するしかない。その為には人手が居る。逃亡者達が緊急脱出を繰り返せば、エリア消滅のカウントダウンをドンドン早くしていく。残った人達は砂時計の砂が無くなる前にエリア移動しないとそのままエリア消滅に巻き込まれてしまうだろうから、緊急脱出が間に合うのか、エリア移動しないと間に合わないのかを確認してからじゃないと行動に移せないだろう。その行動に移せなかったらエリア消滅に巻き込まれるだけだ


「まぁ、砂が減るって事に気が付いても見ず知らずの人の脱出は止められないよねぇ?」

 協力すべき仲間だとしても、脱出を中断する事は出来ない。自分さえ脱出出来れば良い、残った人の事など知らない……勿論それが悪いとは言わない。だって形はどうあれ、脱出した時点で残り時間が減るという事に変わりはないから、極論を言ってしまえば脱出をしようとした時点で身勝手に分類されてしまう。残った人達がやるべき事は脱出のタイミングを全員で合わせる。という簡単そうで滅茶苦茶難しい事をしないと残り時間に影響するという脱出がしにくい状態になったって逃亡者達は気が付いてるかな?このまま緊急脱出を続けたら……




「あら、良い場所じゃない?」

「わー!なにこれなにこれ!?お姉ちゃん見て見てー!」

 緊急脱出が繰り返し起こった事で、遂に遊び場エリアも消滅してしまった。屋根に向けて取り付けた足場用糸の上でびょんびょん跳ねてるキリアさん。それを見守るキリエさん。建物の上で腕を組んで直立しているスク水というカッコいいのかどうか分からないハスバさん。そして僕という4人の捕縛者がこのエリアに揃った


「一応守って欲しい所にもこんな感じで高所に登りやすいようにはしてあるんでお願いします。この地点なんですけど」

「良いよー!」

「この近辺で開けている土地はこの建物の周りだけ……確かにこれならロケットが上がる場所は絞れるわね」

「何かロケットに条件でもあるんですか?」

「上に何も塞ぐ物が無い所じゃないと呼び出せないみたいね」

 森の木々の中だとロケットは呼べないのか。これは良い情報だ


「ここにキリエさん達が展開してもらって、撃ちおろす形で通常の脱出をしようとしている人達を妨害。

 緊急脱出も周りで開けている所がここの周辺だけなので緊急脱出の阻止。その2つをキリエさん達に任せます。ハスバさんはエリア中央のここで屋根の上から強襲を掛ける形で捕縛。僕は脱出地点と反対側で緊急脱出をする不届き者達を捕縛しに行ってきます。それと、このエリア内にある枯れ井戸は全て繋がっているので、マップ内を障害物に囚われずに移動が出来ます……って言っても井戸に入ったら出られないか」

 そう言えば僕は井戸を歩いて登れるけど3人は無理か。一緒に移動して持ち上げたりしないとダメだな


「とりあえずキリエさんとキリアさんは僕と一緒にこの防衛地点まで枯れ井戸で向かいましょう、僕が持ち上げるんでそのまま井戸から出てくれればすぐに防衛地点です」

「ふーん?まぁ任せるわ」

「トンネル?走って移動するの?」

「2人までなら一応それなりに早く移動させる事が出来るんで」

 最後の戦いに向けてまずは人員の配置を済ませないとな



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ハチ君エリアがだたでさえカオスだったのに鬼全員集合で混沌としてきたね でもいいぞ〜!もっとやれー!
[良い点] いつの間にかキリエが喜ぶワードチョイスでうまく誘導する術をマスターしてる!? では皆様、絶望をお楽しみください^^
[良い点] 全員(奇人、変人、狂人)が揃った!  はい! 終ー了ー! それでも逃げたければ、逃げればイイさ。 逃げられればな! [一言] 絶望に抱かれ逃げ惑え。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ