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未来を決める交渉

「復活させていただきありがとうございます。ここは……ハチさんのエリアですか」

 鍵になった魂の欠片の分離が可能なのか聞きに行ってみたら、魂の欠片に戻り、チェルシーさんを復活させる事が出来た。流石に3人では緊急脱出装置は使えないだろうから脱出地点を目指しながら人を集められれば集めてみよう。とりあえず第一目標は何処でも良いから脱出地点からの脱出。第二目標は人を集めて緊急脱出で行こう。あくまで第一目標から逸れない範囲で行かないと二兎追う物は一兎も得ずになってしまう


「一応、何処が逃げられそうとか情報あります?」

「一度捕まっちゃってる私が言うのもアレですが、ここはマジでヤバいですよ?こう、話している間にも後ろにスッとハチさんが立っていてもおかしくないですから……まぁ何処が良いかと言ったら双子悪魔のエリアが一番チャンスが有るかもしれませんね」

 2人居るあそこが一番チャンスがある……言い分を聞こう


「このエリアは私が捕まる前と様子が違うようなので、ハチさんが何かしらやってる可能性が恐ろしく高いのでここに居る事自体オススメしません。ハスバさんの所ですが、私が捕まったのって実はハスバさんの所なんですよね。それで、捕まった身からするとハスバさんもかなり足が速いので見つかった場合に逃げられる可能性が低いです。キリエとキリアは遠距離攻撃こそ危険ですが、それを捌ききればそこまで足が速い訳ではないので逃走確率で言えば一番高い……まぁどこも一筋縄ではいきませんがね」

 確かに捕まると終わりのこのイベントで他に比べて足が速くないのはかなりチャンスがあると言えるだろう


「じゃあそっちに行ってみる?」

「復活させて頂いた恩があるので、お二人の指示には従いますよ。ひょっとして緊急脱出を目的で復活させていただいたのでしたら人を集めてみます」

 これぞ情報屋の情報網という奴なのか?だったらお願いしてみよう


「それじゃあ鍵持ってそうな人に声掛けお願いします」

「了解です」

 これで脱出方法のもう一つが現実的になってきたわけだ


「にしても、どうしてこうなってるんだろう……」

「この蜘蛛の巣だらけのこの場所で1人になるのはマジで捕まるかもしれないので不用意に動かない方が良いですよ。それこそ、こういう場面で1人になった瞬間にハチさんなら音もなく捕まえてきますよ?」

 ここの捕縛者の情報は色々な情報が飛び交っているが、みな基本的に静かに襲ってくる事がデフォっぽい。背後に現れる事も多数だ


「飛び交う情報だけ聞いてたら同じプレイヤーだと全く思えないんだが……」

「そうなんですよねぇ……そもそも300人以上を相手に1人でほとんど捕まえるって時点で何を言ってるんだってなりますからね……」

 捕縛情報とか一応来るけど、マジであの時は意味が分からなかった。脱出情報も1人しか居ない。アイリスというトップ層のプレイヤーの1人だけだ。確かこのプレイヤーは姉妹でプレイしていて姉もトップ層のプレイヤーだったはずだが、そのトップ層の姉の方の脱出情報が無いという事は妹を逃がす為に自分が犠牲になったと想像出来る。トップ層の人間でそういう事をしないと逃げられないという段階で相当ヤバい


「ねぇ?あの砂時計って他のエリアがどうなってるとかの情報ってある?」

「砂時計ですか?私が捕まってから他の人の視点とかで見ていた限りですと、ハスバさんの肉林エリアが一番砂が少なくて、キリエとキリアの遊び場エリア、ハチさんの大劇場エリアの順で砂が多くなっていたので、このエリアが最後に残ると思います。行動するなら急いで行動しましょう」

 エリアが消滅していって最後には時間切れになるという現在の状況を考えると、ここで更に魂の欠片を集めるって言うのはやめておいた方が良いだろう


「よし、それなら急いで遊び場エリアの脱出地点に向かおう」

「えー、それは困るなぁ?せっかくここのエリアに居るんだからここの脱出地点を目指してくださいよー?」

「「「っ!?」」」

 まさに絶望とも言える一声。今会話していた3人では無いその声は、どこから聞こえてきているのか反響のせいで特定できない


「グダグダしてたせいで見つかったか……!」

「ど、どこ?どっから聞こえてるのこれ」

「あわわわわ……なんか凶悪度マシマシなんですけど!?」

 チェルシーさんを復活させた後は、コソコソと移動しながら建物の中とかに入りながら人の目を避けるように行動していたけど、どうやら見つかっていたみたいだ。相手は300人以上を相手に捕縛出来るだけの力がある。力があってその人が何処に居るか分からないというほぼほぼ「終わってる」この状況。どうにかして逆転する手立てはないだろうか……


「おやおや、チェルシーさん復活したんですねぇ?さっきは捕まえられなかったので今度は僕が捕まえましょうか?」

「こ、交渉しましょうハチさん!」

「ほう?」

 チェルシーさんが交渉をしようとしたら上から白いローブを纏った男の子が1人降りてきた。この人がハチさん……


「それで、何を交渉したいのかな?」

 俺達の未来を賭けた交渉が今始まる……

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― 新着の感想 ―
[一言] 白い方の八チは偽物で後ろに絶対にいるよなぁ
[良い点] これまでの説明が全て現実に進行形だったチェルシーさんには、一級墓石建築士の称号が付与されます。 あと、なにげに提供される「ハスバキチンと強い説」w
[一言] >俺達の未来を賭けた交渉が今始まる…… うん、存在が消去されてしまうフラグですね。 次はどんな旗建ててくれるんでしょうか? しかし、ここに来て一躍準レギュラー並みの活躍見せてくれますね。…
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