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捕まえなければならない存在

「逃げたな?という事は……やったなぁ?」

 チェルシーさんは確実に捕まえねばならない。お仕置き対象に決定だ。逃がさない為にも枯れ井戸で移動しよう。ベルトパワー、【マクロ】を使って纏めて発動する強化魔法、ポン君にHPとMPを渡して身体能力強化、AGIが上がるご飯。とにかくスピードをアップさせて枯れ井戸内を真っ直ぐに走る。さっきのあのパーティを維持しているのであれば、ダイコーンさんが居るハズだからバイクを使ってあの場から逃げているだろう


「結構焦ってたよな」

 僕に見つかった事をどれくらい脅威に感じているかを考えたけど、結構焦って建物から逃げていたからこのままだとエリアから出てしまうか?それなら枯れ井戸を使えばエリア境界線付近で出られるはずだから一応先回りは出来るかな……僕の足が間に合えばギリギリ捕まえられるか?間に合わないかもしれないけど行ってみよう。間に合えばまずはチェルシーさんにお仕置きだ




「よし、後少しだ!」

「行くんですの!」

「頼む頼む頼む……」

「ヒャッハー!あとちょっとだぜぇ!」

 もうエリアの境界線は目前と言っても良い距離まで来た。あれだけの距離を離れていたら流石にハチ君が追いつく事は無いと思う……思いたい……そうであってくれ


「そこのバイク停まりなさーい。停まらなければ今度見かけた時にバイクに勝手にチェーンを付けます」

 今では無く、今後。しかも別にバイクを破壊するとかではなく、ただチェーンを付けるという嫌がらせみたいな事を言う。ダイコーンさんはバイクを大事にしているから僕もそのバイクを破壊するとかの脅しは避けたいと思って少しパンチの弱い脅しをしてみた


「…………」

 ダイコーンさんが無言でバイクの速度を落とし、バイクを止めた


「ちょ!?何で止まるんですか!?」

「早くしないと捕まっちまうですの!」

「これは……仕方がない。俺が足止めしよう」

 これに関しては分かる人と分からない人が居てもおかしくはない。自分にとって大事な物とそこまで大事ではない物との線引きは他人が出来る物ではない。ダイコーンさんにとってバイクはとても大事な物だからその大事なバイクに勝手にチェーンを掛けられるなんて事はまぁ、嫌な事だろう。それによって足止めには成功したけど、ジェイドさんがまず僕に向かって立ち、その後ろにダイコーンさんが構える。レイカさんとチェルシーさんは逃走しようとしていたので、まずは今回の一番の問題児を抑えないとなぁ?そうだ。確かレイカさんは……


「逃げようとしているお嬢様方。少し待っていただけますか」

 お嬢様という言葉に反応してか、レイカさんの足が止まる。流石に3人も止まってしまうとチェルシーさんも足を止めざるを得ないという感じで足を止める


「今、私が用があるのはたった一人。どうやら私の噂を流している人が居る様で、その人さえ捕まえれば私の溜飲が下がるのですが、レイカ様。そこに居る人を突き出してくれればそうですね……3人ともここから安全に脱出するまで私も、このエリアの他の捕縛者も手を出させないとお約束しましょう」

 3人くらいなら脱出してもまぁ良いだろう。さて、これでチェルシーさんを差し出すか、仲間だからダメみたいな感じで拒否されるか。どっちかなぁ?


「ちょちょちょ!?流石に売らないでくださいよ!?」

「レイカお嬢様なら今どうするのが一番良いのか、理解していらっしゃるのでは?」

「おじょっ……そ、そうですわね……」

「そんな簡単に騙されないで!?」

 情報屋はなぁ……情報は大事だけど、切り捨てられても仕方がない所があるかもしれない。悪く言う訳じゃないけど、どうしても自分に不利な情報を売ってるかもしれないと思うと自分が売られても文句は言えないよね


「ヒャッハー!悪いが仲間は売る事は出来ねぇなぁ?お前らはさっさと別のエリアに逃げなぁ!」

 ダイコーンさんがバイクを変形させてその身に纏う。それをされちゃうと完全に交渉決裂だな


「そうですか。それでは仕方がないですね」

「待てダイコーン!それじゃあお前は……」

「へっ!たまには俺もやらねぇとなぁ!」

 そう言ってダイコーンさんがこっちに両手を広げて向かってくる。変形したバイクが丸鋸アームとして使われている為、横幅が凄く広い。ジャンプしなかったら間違いなく引っかかるなこれは……


「行けぇ!」

「「「っ!」」」

 3人ともエリアの境界線に向かって走る。ふーむ……そっちか。なら大丈夫かな


「本当に立派に育っちまったなぁ?」

「ロールプレイのコツを教えてもらったからですよ。ダイコーンさん」

 この人もある意味僕の中ではロールプレイを教えてくれた師匠だ。だが、こういう場面では手を抜くというのは失礼になるだろう


「はんぺん!しらたき!ちくわ!」

 白い狼のはんぺんと人型スライムのしらたき。そして巨大なアリクイのちくわが召喚された。なるほど、確かにこれなら僕をここに留めるのに丁度良いかもしれない


「さぁ、やるぜ?」

「ええ、やりましょうか」

 ダイコーンさんとの戦闘。そういえばこのバイクってどういう判定なんだろう?バイクを触っても捕まえられないとなるとちょっと面倒になるかな?



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― 新着の感想 ―
[一言] 〉「よし、後少しだ!」 〉「行くんですの!」 〉「頼む頼む頼む……」 〉「ヒャッハー!あとちょっとだぜぇ!」 〉「そこのバイク停まりなさーい。 ここまでの流れが完全にホラーw しかも山荘か…
[良い点] 「今度(走ってるのを)見かけたら(タイヤ回転してるところを)チェーンかけます。」 と深読みしてしまったけど俺は悪くねぇ!!
[良い点] ダイコーンさんほんま見た目に反してイケメンすぎるぜぇ [気になる点] さて、三人が逃げた先はどちらかな??
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