表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
800/2001

後ろの正面?

「分かんねぇ!もう誰も信用出来ねぇ!」

「そうだねぇ。誰も信用出来ないねぇ?」

「うひゃぁああ!?」

 そりゃあそんだけ大声で喋ってたら見つかるに決まってるじゃないか


「もうそんな心配しなくて良いからね」

「ほわぁぁぁぁ!」

 誰も信用出来ないって悩んでたみたいだけど、これでもうその他の人を信用出来るか出来ないかで悩む必要が無いね!


「やり過ぎたかなぁ?でもある程度はもう協力体制出来てるだろうし、もう別に良いよね」

 仲間を集めてまた大集団でアタックを仕掛けられると困るし、数パーティが出来るか出来ないかくらいで止まってくれるだろうこの辺で相互信頼関係を構築するのを困難にしておくのが今後の為になるはずだ


「これで偽物の見分け方が困難になっても更に仲間を集めようって人を優先的に潰せばもう大規模戦闘になる事もないだろうな」

 人を集められると僕が対応出来る人数を突破してしまう可能性が高くなる。もう【暴走因子】は使用出来ないので多分良くてスキルや魔法を色々使えばギリギリ60人くらいが全力で挑んで対応出来るかな?位だと思う。さっきの対多数との戦闘経験のお陰でどの人間を後回しにして、どの人間を優先的に捕まえるべきかの判断も出来そうだが、全力対応をした場合、確実に疲労してしまう。そこを突かれて逃走される可能性もある。今回の偽物作戦のキモは集まる人間の最大数を制限する事だ。全力戦闘は可能な限り少なくしたいのでこれが後々効いてくるだろう




「そもそも10人超えてる集団を相手にする時点で間違ってるんだよなぁ……」

 一般的に4人パーティとかを狙って一気に捕まえるのが普通だ。300人相手にする事自体が間違っている


「でも本当に触るだけで捕まえられるのが救いだな。捕まえる為に近接ダメージを与える必要があるとかだったら絶対に不可能だよこれ」

 一々攻撃しなければならないのであれば、確実に1人に取られる時間が長くなってしまうが、体に触れるだけで良いから何とかあの300人越えの状況でもほとんど逃さずに捕まえる事が出来た訳だ。今残っている人達は慎重派の可能性が高いから慎重派が集まって抵抗されるのは非常に時間を取られるかもしれない


「とりあえずこれで捕まえるのに掛かる時間は短縮出来そうだな」

 慎重派の人間なら今、捕縛されてしまうリスクのある仲間を増やそうとする行為は止めるだろう。このタイミングで仲間が増えている人達であれば……慎重では無いというか、警戒度が少し低いかもしれない……逆に捕まえるなら今がチャンスかな?


「今、集団を見つけたらラッキーくらいの気持ちで探してみるか」

 化け物を見たとかの情報で逃げ出したり、魂の欠片が入手しやすい情報が流れたお陰で人が入ってきたりで今どのくらいエリアに人が残っているか分からないが、集団を見つけたら仕掛けてみよう




「ふむふむ、そこに15人か。これ以上肥大化する前に片付けるか」

 偵察が割と集まっている集団を見つけた。これ以上集まられても面倒な事になるから捕まえに行こうか


「今回は姿を見せないやり方で行くか」

 枯れ井戸を使って、偵察が見つけてくれた集団の方に向かう。遠巻きから見てるけど、一応警戒はしているみたいだけど、全方位では無く前方と左右だけで背後の警戒は少し薄い気がする。まぁ、後ろを見ながら歩くって危ないし、耳で背後からの接近に備えるって形かな?


「じゃ、後ろから削っていきますか」

 場所はレンガ造りの家が並ぶ若干ロンドンチックな場所。切り裂きジャックみたいな恰好が良いかなぁ?と思ったけど、切り裂きジャックみたいな恰好ってどんな格好か分からないし、とりあえず後ろの人から1人ずつ貰って行こう


「……」

【ゲッコー】に複合された【忍び足】で足音自体かなり小さくなっているが、それでも見つかる可能性があるので自分に【ハシャフ】を使う。これで走っても足音しないというのがマジで強い。そして最後方に居た1人の口を塞ぐように背後からソフトタッチで捕縛する。相手の進行速度に合わせてそのまま口を塞いで捕縛するので、相手との速度の差で暴れられてその音で他の人に気付かれるというリスクを少しでも下げる




「なぁ、このイベント終わった後でさー……ってあれ?後ろに居た奴らは?」

「「「へ?」」」

 気が付いたら後ろには11人居たはずなのに、その11人が居なくなっていた


「え?結構な人数居たよね?」

「は?なんでなんで?」

「え?何か分かれ道の方にでも行った?」

 無いとは言えないけど、流石にそれは無理がある。そもそも気が付かれないレベルで10人以上が居なくなるなんておかしい


「どうなってるんだ……」

「消えた?」

「なんだ……ってあれ!?アイツ何処に行った!?」

 今しがた4人で人が居なくなったと話していたら、もう一人消えた。ここまで来たら間違いなく何処かに勝手に行ったんじゃない。何者かによって攻撃されていると嫌でも理解出来る


「嘘だろ……何で急に消えるんだ」

「おい!周りに気を付け……」

 注意を促そうとした時には既に2人になっていた


「い、いったい何なんだ!ここから逃げるぞ!」

「わ、分かった!」

 とりあえずこの場が危険と判断して残ったもう一人と走って逃げる事にする。あの場には何か転移系のトラップがあったのかもしれない。それを踏んでワープした……ありそうだ。ここは2人で固まっていれば何処かにワープしたとしても問題無いはず……




「こ、ここまで来れば……な、なんでだよ……」

 街中は危険だと逃走を選択して一緒に逃げたはずの奴が消えていた。残されたのは俺一人……


「だーれだ?」

「あんたかよ……」

 最後に背後から両目を手で隠される時に聞こえてきた声は見なくても分かる。開幕俺達に諦めるのは無しでと言ってきたこのエリアの担当者。その人の声だ。他の奴らもこういう風に背後から目と口を覆われて何も言葉も発せずに捕まって行ったのだろう。顔も見られずに15人も捕まえるとか、やっぱりこの人おかしいよ……



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ハチに後ろから両目を覆われてみたいですなぁ…なんか興奮する(変態)
[一言] 〉さっきの対多数との戦闘経験のお陰でどの人間を後回しにして、どの人間を優先的に捕まえるべきかの判断も出来そうだが ヤベェ。この天然AI、対多数用の戦闘データを得てさらなる精度の向上をしてきた…
[良い点] なあ、これプレイヤーメイドのホラーなんだぜ…?(チベスナ顔 [気になる点] こないだ700話だ!すげぇ!って思ってたのにもう800話ですか? (ということは、もう100日過ぎたの……???…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ