満員御礼
「200人はやり過ぎじゃない?まぁこれだけ居れば数人は抜けられるって考えかな……」
完全勝利はさせないみたいな運営の気概を感じる。これは勝ちたいな……
「幻影は流石に捕縛は出来ないだろうから捕縛は最大7人でやるとして……これは協力してもらうしかないな」
200人を7人で捕まえなければならないから大体1人あたり28人程度捕まえる計算だ。これは流石に自動で動いてくれるとしてもキツイ。こういう時は頼れる友人……友神に助けを求めても良いかな?
「アビス様、ニャラ様。聞いていたらもし、この後で面白そうな事になった時。僕の分身が出ていたら白いローブを着ている分身体は好きに使ってくれて構いません」
とりあえず呼びかけはしておいた。返事は無かったけど、いつも返事をくれる様な存在じゃないし、これはその時になってみるまで分からない
「僕と一緒に遊んでくれませんか?」
お願いしますとか、助けてくださいで手を差し伸べてくれる様な存在では無いと思うからここは遊んでくださいと言っておこう。まぁ来るかどうかは分からないにしても、一応話だけしておけば来てくれる……かもしれない
「もうそろそろ来るかな」
時間もそろそろ良い時間だろう。最終チェックをするのなら今が最後だ
「ゲヘちゃん、あれ?ゲヘちゃーん……うわマジか」
200人相手の最終防衛ラインとしてゲヘちゃんを呼んでおきたかったけど、まさかのゲヘちゃんの呼び出しが出来ない。これはかなりプランの組み直しが必要だぞ?
「とりあえずアミュレットの自動回復の効果が本体の僕だけに作用すると考えたらあまり魔法とスキルは乱発出来ないだろうし、MPの回復手段をなんとかするべきだな」
魔法やスキルが乱発出来るのは装備品のお陰で消費軽減とか、回復しているお陰だ。そのメリットが無くなるとすると分身体の僕にMPを回復しないと多分消えるまでの5分を待たずにMPが切れる。となると、各々が【コンバートマジック】でHPをMPに変換したり【レスト】を自分にかけて回復したりだが……あっそういえば良い物あったじゃん
「【アクエリアス】……これは今が使い時なんじゃないか?」
自分の足元に自動で少しずつ回復出来るエリアを展開する【アクエリアス】を各々発動しておけば多少継戦能力が向上するだろう。今回は相手を回復させてもそのまま捕まえてしまえば良いし、マイナスに働く事の方が少ない。今使わずしていつ使うって感じだ
「まぁ実際どうなるかは相手が来ないと分からないか。プラクティスゾーンで試したけど何処まで出来るのかは正直分かっていないし……」
確かに自分の分身は出てきた。確認として自分同士で打ち合ったりするくらいだったけど、実際に戦闘する事になればまた何か変わるかもしれない。行き当たりばったりだけど、まぁ何とかなるかくらいの気持ちで行くか
「よし、やってやるぞ!」
200人までとは言ってるけどまぁ200人も来る訳が無いだろう。あはははは
「わおっ、満員御礼……」
少し脱出地点から離れた多分このミッションに参加する人の待機場所には確実に200人は居る。多分だけど200人超えて後ろで見てる人も居ると思う。こうなったらとことんやってやろうじゃないか
「「「「来た……」」」」
「「「来たぞ!」」」
「「現れた!」」
「まさかこれ程までに私の所に来てくれるとは光栄ですね?皆様の魂はしっかりとあるべき場所へお送りしてさしあげましょう。後ろの方達もわざわざ来てくださったのです。お相手しましょう」
『GMコール この場に居る全員の相手をします。人数上限を解除してください』
『この場に居る348名が参加可能になりました』
人数恐ろしい事になってる……ここまで来たら魅了でも何でも使う。全員逃がさん
「な、なんだ!?」
「あれ!?参加可能になってる!」
「嘘っ!間に合わなかったと思ったのに……」
「300人越え……これならマジで抜けられるかもしれんぞ!」
マジでこれは抜かれるかもしれない。一斉に攻撃魔法を使われて足止めとかされると中々辛い事になるだろうし、タンクの人達が完全に自分が逃げる事を諦めて、仲間が逃げる事を優先した場合は押さえる事の難しさが格段に上昇する。300人以上いたらそういう考えのプレイヤーが居ても不思議ではない
「それでは、皆様よろしくお願いします」
さて、遂にスタートだな。どう動く?
「しゃあ!【アイスウォール】!」
「【ロックウォール】!」
どうやらウォール系の魔法で僕を動けなくしてその隙に逃げるつもりのようだ。躱すか?いやでもこの後移動がしにくくなるな
「【ディスラプトマイン】」
封鎖してこようとするウォール系魔法を【ディスラプトマイン】で破壊する。MPもあまり使いたくないが、これは演出として最初に破壊するのがかっこいいだろう
「うわっ!速攻で破壊された!」
「ウォール系だぞ!?そんなすぐに普通に破壊されるものじゃ無いだろ!?」
「あの人にはやっぱり通じないのか……」
「この程度では止められませんよ?」
初手インパクト勝負で相手の心を折りにいかないとこんな人数差やってられないよねぇ?