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777/2002

人間不信

「よう!お前ら元気してっか?こんな感じかな……」

 ガチ宮さんの話し方は気さくな感じだと思うからこんな感じで行ってみるか




「ん?あれってガチ宮か?おーい!」

「バカッ!あんまり大きい声を出すな!発見されるだろ!」

「あれ?グランダさんが居ないけど……」

「もしかしてグランダさん捕まったのか?」

 おっと、ガチ宮さんを知っている人か。やるだけやってみるかな?


「よう!お前ら元気か?」

「「「「………」」」」

 うーむ、この警戒は失敗したな


「誰だお前!」

「ガチ宮じゃないな!?」

「何者!?」

「逃げた方が良いんじゃ……」

 ガチ宮さんとそこまでお話とかしてないし、どんな話し方をしているのかもあまり分からないからバレてしまうのも仕方ないか


「何で分かるんですかねぇ?」

【バリアント細胞】とテアトルクラウンの服の能力を解く


「「「「うわぁ!逃げろぉ!」」」」

 変装を解いたら一斉に走り出した。しかも厄介な事に二手に別れたから一旦どちらかを放置するしかないか……


「じゃあこっち」

 走り出しのスピードで見た限りだけど、遅い方を放置して、逃げられると厄介そうな早い2人組の方を先に捕まえに行く。遅い方は何処まで行くかある程度の予想は出来るし、一応NPC捕縛者に監視させて何処に逃げるのかを追跡してもらおう


「よっと、悪いけど逃がさないよ?」

 走って接近し、進行方向に粘着性を持たせた魔糸を展開する。避けれないと即捕まるぞぉ?


「ちょ!?やべっやべっ!」

「うわっ!間に合わねぇ!」

 べとべとした魔糸が足に纏わりつく。勿論そんな状況でまともに走れる訳もなく、速度が落ちる。今ならアレをやってもバレないかな?


「「ふびゃるぼびちゃすぴっ!?」」

 凄い驚き方だ。なんて言ったのかまるで分らなかったが、それも仕方ない事だ。2人の足を魔糸で遅くしたあと、そのままだと自分も自分で展開した罠に突っ込む様になってしまうが、壁を移動する事でその問題を解決した。その際に、四つん這いで移動したのだが、仮面を可能な限り人の顔っぽくした後に後頭部に装着して、テアトルクラウンの服を前後逆にして【バリアント細胞】で髪とかをそれっぽくしてみた結果。パッと見は壁を高速でブリッジしながら走る悪魔祓いもビックリな状態に……ちゃんと見れば違和感に気が付けるだろうけど、恐怖心を煽っている状態ではそこまで確認する事は難しいだろう


「う゛う゛う゛う゛う゛」

 獣のように低い唸り声の様な声を出しながら2人を追いかける。喉にあまり良くないだろうけど、まぁ今回だけだ


「あっ」

「ちょっ!?」

 1人が足を縺れさせてコケる瞬間、もう一人の足を掴んでしまい、一緒に倒れてしまう。そんなチャンスを見逃す訳が無く……


「捕マエタァ!」

「「ヒエッ……」」

 壁から跳び、倒れた2人を捕まえる。最後までその瞳には恐怖たっぷりな感じだったのでロールとしては良かったんじゃないだろうか?




「はぁ…はぁ…どうやらあっちの方を追いかけてくれたみたいだけど……どう?まだ走れそう?」

「ちょっと……一休みさせて欲しい……」

 足の速い2人とは別の方向に逃げたが、どうやら追手は来ていないようだ。この辺で一休みしても問題無いか?


「この辺なら隠れられそうか……」

 裏道の様に細い所だが、ここなら見逃してもらえれば一休み出来るかもしれない


「こっちに来たハズだよなぁ~?」

「「っ!?」」

 後ろの方から声が聞こえてくる。こうなったらもうここで隠れるしかない!


「ここでやり過ごそう!」

「うん」

 裏道のゴミ箱の影みたいな所に隠れてあの人が大通りを通り過ぎるのを待つ


「何処まで逃げたかなぁ~?捕まえるまで何処までも追いかけないとねぇ!」

 そのまま通り過ぎるまであの人に見つからない様に息を押し殺し、物音を立てない様にして待った。声が聞こえなくなるまでの時間はほんの数秒だったかもしれないが、とんでもなく長い時間だったような気がしないでもない


「行った?」

「多分行った。ふぅ……」

「はぁ……」

 ため息も自然に口から洩れる。親に怒られるとかそんなレベルじゃない恐怖が通り過ぎた。その事実でかなりリラックス出来た


「…く……しく…しくしく……」

「ん?何か聞こえないか?」

「何か……泣いてる?」

 裏道の先から何か泣いている様な声が聞こえる。ちょっと怖いけど、先に進んで見てみるか?


「確認してくる」

「一緒に行く」

 ここで単独行動は良くないと判断したのか、2人で泣き声の発生源を確認しに行く




「しくしく……ママ…」

「「子供だ……」」

 小さい子供が膝を抱えて泣いていた。どうやらお母さんと逸れたみたいだけど……


「なんか……凄い怖いんだが」

「怖くても子供は放っておけない。大丈夫?」

「お、おい!」

 そういえばコイツ子供好きだったなぁ……なんか怖いけど、とりあえず話を聞いてみよう。もしかしたら魂の欠片に関する情報とか持ってるかもしれないし


「どうしたの?ママと逸れたの?」

「ママ……どこ」

「こんな所に隠れてたら見つかる相手も見つからないんじゃないかな……」

「表…危ない人居る。光る丸い玉で遊んでたら…ママ居なくなっちゃった」

 光る丸い玉?……もしかして魂の欠片じゃないか?だとしたらこれはこの子の親を探し出せれば魂の欠片を貰えるミニクエストか?


「ママってどんな感じだ?」

 もしそうならこんな所早くオサラバしたい。ささっとクエストクリアしよう


「ぐすっ…ママは……皆が逃げる相手だよ?」

「「なっ……!?」」

 母親の情報を聞こうとしたら急に子供が俺達2人の胸に腕を突っ込んできた。鎧を貫通してその腕が心臓に到達したと認識した時、子供の声が俺達の逃げていた相手と同じ声になっている事に気が付いたのだった



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― 新着の感想 ―
[一言] 何回俺におしっこを漏らさせれば気が済むんだい?プンスコ
[一言] エグイわぁ・・・
[一言] ラッキーセブン、トリプル777話更新おめでとうございます笑 毎日楽しみにしています。
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