拘束アイテム
「とりあえずイベントアイテムの近くには居た方が良いかな?」
どういうミッションなのか分からないけど、すぐに使ってもらった方が今後にとって良いだろうし、それなりに進入禁止エリアの周りをうろついていれば向こうの方から使いに来てくれるかもしれない。適当にぶらついてみるか
「ヤバい!来たぞ!」
「俺が行く!おい!こっちだ!」
分かりやすい陽動だなぁ……まぁ乗っかるんだけどね?あの人は魂の欠片を持っているけど、捕まえなくても良いか。英雄にしてあげよう
「おやおや。追いかけっこですか?得意じゃないんですけどね」
「嘘つけぇ!」
ベルトパワーは使わないで走って追いかける。どう見ても進入禁止エリアから離れる動きだ。やっぱり時間稼ぎをしているんだな
「この……クソ速ぇな!」
「お褒めの言葉として受け取りましょう。もう少し速度をあげましょうか?」
「俺だって相当AGIに振ってんだぞ……【クイックムーブ】!」
「でも全部ではないんですよね?」
相手のスピードが上がった。やっべ、このままだとちょっと追いつけないかも……【オプティアップ】か【オプティダウン】を使うか?いや、【オプティダウン】は使っちゃダメだな。多分捕まえちゃうかもしれない。この人の囮としての役割をさせて、見失いそうになったらベルトパワーを使うくらいに留めておこう
「何処まで逃げるんですかねぇ?」
「へっ!じゃあ捕まえてみろよ!」
うん、明らかに逃げる向きを変えた。という事はミッションをクリアしてアイテムを入手したのかな?ここはバッタジャンプを使った接近にするか
「しょうがないなぁ」
「何だよそれ!?」
跳んでる最中に【インパク】で方向転換とかしてないからまだ優しい方だ。とりあえずこれで誘導では無いにしろ、ある程度速度をコントロールしつつ、相手の行きたい方に行けるだろう
「どうしました?息切れですか?」
「そうだよ……かなりしんどいわ……」
「じゃあ捕まえさせていただきま…」
「おりゃぁぁ!」
「なっ!?」
こっちに向かって突っ込んでくる人が居る。とりあえず正面のバテた人に意識を向けてたから直前まで気が付かないって感じにしてみた
「えっ、マジでなんだ!?」
体を布みたいな物でグルグル巻きにされた状態で釣りあげられる。簀巻き状態で空中に持ち上げられたのは学園でニャラ様の触手に連れていかれたあの時以来か……にしても予想より凄い拘束の仕方だ……確かにこれならエリアの色んな所から僕が捕まったのが分かる。10分間この状態は結構恥ずかしいぞ……
「よっしゃ!やったぜ!」
「まじでもうダメかと思った……」
「ナイスナイス!」
下の方でミッションをクリアして僕を拘束した事で喜んでる人達が結構居る。でもこれでこの拘束が終わったらもう僕を拘束出来る物は無いだろう。流石にミッション一回クリアで何回も拘束出来るアイテムだったらどうしようもないし、そこまでこっちが不利にはしてないと思う
「よし、今のうちに魂の欠片を入手してさっさとここから脱出だ!」
上空で吊るされながら下の話を聞いていたらもう行ってしまう見たいだ。まぁ確かにワザワザ捕まえた奴が見せしめみたいな状態で放置されている間に何もしないのは時間の無駄でしかない。さっさと動くべきだ
「意外と眺めは悪くなかったな。あとはまた捕まえに行くだけだけど……流石にもうあの人達は全員別のエリアに逃げこんでいるだろうしな……」
まだ残っている可能性は無くは無いが、わざわざ動きを止めた奴がまた動き出すって時にアイテムも無しで突っ込んでくる奴は居ないだろう
「さて、再始動だ」
拘束も解かれ、地上に戻ったので、また逃亡者を探しに行く。というかそろそろ早い人なら3つ目の魂の欠片を入手して鍵を手に入れた人が居てもおかしくはない。鍵を作ったら各エリアに数か所にある脱出の門で鍵を使えば門が開いて脱出が出来る。そのエリアに向かう前に叩く事が出来れば相手の逃走を阻む事が出来るだろう
「とりあえずNPC捕縛者の数体には監視をしてもらおうかな」
今まではエリア内を動いて逃亡者を探していたNPC捕縛者だが、その中から数体を高い場所とかに設置して、監視。敵が居たら近くの捕縛者に知らせるという形にする。捕縛する為の手は減るが、捜索の目を強化して、確実に1人ずつ捕まえて行く方法にしよう。本来は僕が拘束される前にやれば良かったけど、まぁ僕が拘束されて動けなくなってから再始動した事で動きに変化があった方が第二段階感が出て良いかな
「監視役は捕縛はしなくて良いから、とにかく周りの捕縛者との連携重視でお願いしよう」
手が減った分、目を増やす。捕縛者の量よりも質を重視だ
「えーと、こことここと……あとはここに…ここにも居た方が良いか。これ以上減らすと手が回らなくなるな。よし、これで行こう」
エリア内の高い建物、見渡しの良い場所にNPC捕縛者を配置して、逃亡者を発見する事にまずは重点を置こう
「でもあの感じも良かったな……今度はそういう方向性で行ってみるか」
ガチ宮さんとグランダさんを追いかけた時に使った手段の1つをまた別の形で使ってみるか