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もしもし、私……

「ん?なんだこれ?携帯電話?」

 フレンドと2人で逃亡中に何か落ちているのを発見した。パッと見は今となっては完全に過去の物となった二つ折りの携帯電話だ


「何か見つけたのか?」

「あ、あぁ。何か携帯電話っぽいんだけど……おっ!これマジか!」

「どうした?」

 これは良い。こんな危険なエリアだけどこれがあれば魂の欠片集めがかなり楽になるぞ?


「ほら!これ魂の欠片の場所がマップに載ってるぞ!」

「マジ?めっちゃ良いじゃん!」

「偶然1つ欠片は見つけたけど、せっかくならもう一つくらい取って行く?」

「……せっかくレーダーも入手したし、もう一つくらいなら狙っても良いか」

 ここの捕縛者は滅茶苦茶ヤバい人だと噂には聞いているけど、実際にその戦闘とか見た事が無い。多分噂に尾鰭が付いているだけだと思うからそこまで警戒する必要も無いだろう。相手だってプレイヤーだ


「とりあえずレーダーによるとあっちに向かえば欠片があるみたいだから行こう」

「オッケー。とりあえず警戒しながらだな。NPCの捕縛者も居るからそっちにも見つからない様にしよう」

 2人で周りに警戒しながら慎重に移動して進む


「~♪」

「な、なんだ!?」

「何の音だ?」

 何かのメロディみたいな物が聞こえてきた。音の出どころを探してみたら携帯電話が鳴っていた。これは……着信メロディ?


「え?着信?」

「出た方が良いのか?」

「いや、出ない方が良いんじゃ?」

「でも何かこの着メロ聞いた事が有る様な無いような……」

「「あ、切れた」」

 なんか不安になるメロディだったけど、切れてしまった。今のはなんだったんだろう?やっぱり出た方が良かったんだろうか?




「とりあえずもう少しで欠片に辿り着きそうだな」

「このレーダーの通りならあとちょっとだけど……」

「~♪」

「「またこの着メロみたいなの……」」

 この着メロみたいな音が鳴っている間は携帯の画面にマップが映らない。スマホと同じ様に着信が来ているのと同じ様な状態だ


「出てみる?」

「大丈夫か?」

「このまま鳴りっぱなしだとレーダーとして機能しないし、音で呼び寄せてしまうかもしれないから……」

 これが鳴りやまなかったら音で捕縛者を引き寄せてしまうかもしれない。この携帯電話を捨ててしまえば良いかもしれないけど、捨てても意味が無い可能性もあるし、ここは出てみるしかないだろう


『も、もしもし?』

『もしもし?私、ハチーさん。今森の中に居るの』

「ふぁ!?」

「ど、どうした?」

「い、いや今……もう切れてる」

 驚いて携帯電話を落としてしまった。拾い直してもう一度耳に当ててみたが、既に切れていた。なんなんだいったい……


「今ハチーさんって奴から森の中に居るって……」

「っ!?おいそれってメリーさんの電話じゃねぇか!?」

「メリーさんの電話……あれ?それってヤバくない?」

 メリーさんの電話。徐々に自分の所に近寄って来る報告が電話で入って来る都市伝説。最後は貴方の後ろに居るの……って奴だよな?


「さっさとその電話を捨てて逃げるぞ!」

「お、おう!な、なんだ!?捨てられねぇ!」

 イベントアイテムのせいか分からないが、携帯電話を捨てる事が出来ない。これはマズい……


「~♪」

「「うわっ!」」

 また掛かってきた。どうしよう……


「と、とりあえず出ない方が良いか?」

「鳴りっぱなしでも良いから走るしかない!最悪もう捕まる覚悟であの魂の欠片だけ取ったら別のエリアに……」

『もしもし?私、ハチーさん。今街の近くに居るの』

「「スピーカー!?」」

 こっちから出てないハズなのに勝手に携帯電話から声が聞こえる。スピーカーで話している様な状態で街の近くに居ると聞こえたらまたブツっと切れてしまった


「やべぇよやべぇよ!近付いて来てるって!」

「あと200mくらいで魂の欠片だ!あの建物の間に有るはずだ!」

 もう俺達は既にロックオンされて逃げ出す事は多分不可能だ。だったら1つでも多く魂の欠片を取る。携帯電話を開けば魂の欠片は建物と建物の間にある。道が前後にしかないからどっちから捕縛者が来たとしても逃げる事は一応出来るはずだ。挟まれない事を祈りながら建物の間に突入する


「~♪」

『あぁもう!もしもし!もう魂の欠片は取ったぜ!』

『もしもし?私、ハチーさん。今建物の近くに居るの』

「どっちだ!?前か後ろか!?」

 どっちだ!?どっちから来る……


「私、ハチーさん。今貴方達の上に居るの」

「「上っげぴゅ!?」」

 俺達が最後に見たのは建物の上から降ってきたゴスロリの女の子のドロワーズだった




「ふぅ、ナイスタイミングだったなぁ?まぁ、残念ながら追いかけてた訳じゃなくて待ち伏せしてたんだけどね」

 携帯電話にレーダー機能を持たせて近い魂の欠片に誘導する。そしてお電話して後を追いかけてますよーとプレッシャーを掛ける。そうすれば逃げるか、最後に魂の欠片を取るか選ぶだろう。逃げたらそれはNPC捕縛者に任せて、逃げずに取りに来たら僕が捕まえる。そういうプランで建物の上で待ち構えていたけど、ちゃんと来てくれたなぁ?


「ゴスロリの恰好は……しなくても良かったかな?」

 何となく、メリーさんの電話で追ってくるメリーさんのイメージはゴスロリ衣装だったので、テアトルクラウンの服をゴスロリにして2人を捕まえたけど、普通にローブ姿で良かったかもしれない。まぁ形から入るって事で問題無いだろう



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― 新着の感想 ―
[一言] ハチーさんとかいうドストレートな名前よww
[良い点] 絶妙なパチモノ感 [一言] 逃げてた人は絶対後ろ気にしてましたよね。
[一言] メリーさんきたああぁぁぁぁ! ゴスロリなら恐怖心煽る為に人斬れそうな大きな鋏かデスサイズ辺りを持って鋏ならその場でチョキチョキさせるかデスサイズなら首元に這わせて脅すくらいやっても罰(蜂バチ…
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