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封印されし者との対面

「で、何処に行けばソイツに会えるんだ?」

 とりあえず1人で行こう。話し合いで解決出来ればラッキーだけど、出来なかったら他の人には見せられない救援を求めたいし


「あちらの扉の先の階段を降りた先です。扉の鍵は2つ必要ですが……ギルバ。持っているだろう?」

「この鍵です。我々の未来をあなたに託します」

 それなりに離れた所にそこそこ大きな扉があった。2つの鍵が揃ったら開けられる扉か……捕まえた相手の鍵を貰ってもう片方のリーダーと一緒に開けるルートとかもあったのかな?


『陰の鍵 陽の鍵を入手』

 この鍵でその封印されている何者かに会いに行けるんだな


「確かに、貴様らの未来。託された」

 鍵を受け取って扉に向かって歩き出す。文句があるなら今この場で出てきて止めてくれ。後から言われてもどうしようもないから


「あの!」

「なんだ」

 キャティ君ここで止めるのか


「ボクもついて行きたいです」

「絶対にそれは許さん。もし戦闘になったとしても、今回は誰かを守って戦える程の余裕があるとは思えない。なにせ、相手は人よりも上位の存在らしいからな」

 話し合いに持ち込めれば相手の注意をこっちに引き付けられるだろうけど、そこに更に別の何かが居た場合はそっちに注意が向いてしまう可能性がある。気まぐれで消されるとか考えたら知り合いを連れては行きたくない


「ただ、何も出来ない訳では無い」

「それならボクには何が出来ますか!」

「俺が戻ってきた時に出迎えの1人くらいは用意しておいて欲しいものだな?」

「分かりました!」

 帰りを待ってくれる人が居ると思えば僕は絶対に帰って来ようと思えるし、キャティ君も待っていてくれという僕の意志を受け取ってくれるだろう


「よし……任務を開始する」

 扉に向かって進み、鍵穴に陰と陽の両方の鍵を入れて捻る。扉の模様がガチャガチャと動き、左右に分かれていく。そして最後に残った円形の模様が回転して左右に割れて扉が開いた




「ついて来てないよな?ふぅ……いやぁ自分でやった事だけど、プレッシャーヤバいな?」

 自分自身で言った事がデカ過ぎる事に後悔……はしてないけど絶対にやらなきゃいけないという責任を感じている。どんな相手が待っているのか分からないけど、頑張って交渉しよう。姿は……とりあえず軍人スタイルのままで良いか。ポン君の増加コートは一度消した方が誠実感が出るだろうか?それともそのままにした方がリーダー感が出るだろうか?なんて事を考えながら階段を降りて行く




「ここが最奥部か」

 階段を降りて行ったら、また扉が現れた。鍵穴みたいな物は横に2つ並んでいたので、また陰と陽の鍵を差し込んでみる。これは……そのまま2つ一緒に回せば良いのかな?


「引き返すなら今って感じだな……まぁ入っちゃう!」

 本当に進みますか?って引き留められている感じだったけど、他に準備する事も無いから先に進む


「……ほう」

 鍵を開けて部屋の中に入ってみると、暗いけど【ゲッコー】の暗視効果で何だろう……一言で言うのなら肉?みたいな物で床も壁も全て構成されている部屋に入った。一歩進むたびにぶよぶよした感触が足の裏に伝わってくる


「何者…」

相手の姿は見えないけど、声は聞こえる。この部屋の中に何か居るのか


「俺はハチ。少し上の街の事で話があってここまで来た。会話に応じてくれるだろうか」

「許可する…」

 まずは良い滑り出しかな?


「街に住む彼らは貴殿の庇護を離れて自立をしたいらしい。地上に上がりたいが、貴殿によって地上に行く事を禁じられている。自立する為なら煙の力なる物を返還する覚悟はあると言っていた。俺はそんな彼らの代理人だ」

 やりたい事、その為に借りた物は返す事、僕はそんな彼らの代理人だと簡単に説明してみた


「何だと…」

「彼らに手を出すのは止めて欲しい。あくまでもこの話は俺と貴殿との話だ。ここで彼らに危害を加えられたら会話をしに来た意味が無くなる」

 先に言っておかないとこの手の相手ってすぐに手を出す可能性があるからなぁ……


「何故あ奴らでは無く貴様が来た…」

「今の貴殿の態度を見るに、直接会ってしまったらその場で殺してしまう可能性もある。冷静な話し合いをする為にも、お互いに知らない人間が間に入って会話するのが一番だと思われるが」

 実際のを見た事は無いけど、なんか今僕がやってるのって弁護士みたいな事をしてないか?今後の事は弁護士を通してくれみたいな……


「人間は嫌いだ…」

「そうか……【アビスフォーム】」

「何っ…?」

 人間が嫌いって言われたら人間っぽくない姿で会話しようじゃないか


「人間は嫌いなんだろう?今の俺が人間に見えるか?」

「いや…見えぬ。分かった。それで何が望みだ…」

 これで良いんだ……


「彼らを、自由にしてくれないか」

「あ奴らは、管理してやらねばすぐに滅びてしまう…地上に出れば、それこそ人間に良いように使われてしまう…」

 養殖とは言わないけど、動物園で育てられた動物が野生で生きて行けるのかみたいな問題を言っているのかな?


「それは、地上では煙の力とやらが届かないせいで……という事か?」

「そうだ。我は、人の醜さを嫌という程見てきた。だが、人の持つ力も見てきた。故に今の状態が奴らにとって一番良い状態だ。地上に出る必要が無い」

 こっちはこっちで善意でやってる感じかぁ……これは中々骨が折れそうだな



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― 新着の感想 ―
[一言] 話し合いに大活躍なアビスフォーム! これにはアビス様もにっこり(〃∇〃) 絶対深淵と混沌が満面の笑みでみてるよw
[一言] お~善意パターンだったかぁ これは弄んでるパターンより厄介だぁ
[一言] 善意でやってる感があるだけに手に負えない厄介な存在だね なら肉塊をどうにか人化させてハチの国に招待したら友好結べそうな気がする 死神さんや吸血鬼と交流させたら良い刺激にもなりそうだし こうや…
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