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残念な奴

「相手は何処に居る?」

「ま、待って下さい!どうしてそこまで……」

「無関係と言えば無関係かもしれないが、他人が被害に遭わない様、平和的に終わらせる事が出来るのならそれをしない手は無い。相手のリーダーを捕まえる物とかはあるのか?」

 無関係と言っても、連れていかれる事故は起こっているんだから厳密に言えば知り合いが事故に遭う可能性があるから無関係じゃないんだよね。ルクレシアさんが連れていかれて記憶を持って行かれるなんて事になったらかなりマズいし


「ほ、本当にやる気なのですか?」

「疑うのは分かるが、どっちにしろ和平が出来なかったら今後もここに迷い込む奴が増える。ならやってやろう」

「……分かりました。でしたらこれをお持ちください」

 僕が人の言う事を曲げない感じに言ったのが上手くいったのか、僕に手錠の様な物を渡してくれた


『ジャマーワッパ このアイテムを装備したNPCはスキルと魔法が使用出来なくなる』


「これはもう一つあるか?予備があると動きに幅が出せる。空振りしたと見せかけて本命のもう一つで捕縛する。みたいな動きがな」

「なるほど。あと1つだけなら用意出来ます」

 おぉ、話が早い。空振りをすれば相手も油断するだろうし、2つ使えれば作戦も増やせる


「必ず相手のリーダーを捕らえてやろう」

「待って下さい!」

 おっと、割り込みが入ってしまったか。流石にそこまでとんとん拍子には進まないよなぁ


「こんな得体の知れない迷い人にそこまで任せて良いんですか!」

 わぁ、ごもっとも


「……なんなら手合わせでもしてやろうか?双方の力が拮抗しているのなら相手がどの程度なのか推し量る判断材料になる」

 とりあえず今回は少し態度を大きくしてみるか。なんか舐められたら相手と戦闘すらさせてもらえないかもだし……そもそもこの狼っぽい獣人の男の子にそんな決定権があるのかって話だけど


「どれだけ自信があるのか知らないけど、そう簡単に倒せるとは思わないでください!」

 この際、手加減無しでボコボコにするか?


「どうやら相手の力量を見ただけでは理解出来ない様だな……」

 一度軽く威圧してみたけど、そもそも見ただけで力量が分かるならそんなに困らないよね。一応ポン君が気を利かせて軍服の上から肩に掛けるコートみたいな物を出してくれたお陰で周りの奴も気味悪がって近寄り難いし、威圧の演出としてはそこそこ良いんじゃ無いかな?


「っ!?」

「どうした?俺の力量が見たいんじゃなかったのか?」

 ベルトパワーを使った踏み込みで突っ掛かってきた相手との距離を一気に詰め、少し通り過ぎた辺りで少し振り返り訊ねる。相手も全身の毛を逆立てて警戒をしているなぁ……


「ほら、どうしたんだ?この程度では教練にもならん。戦うのなら鍛え直してやろうか」

「ふぐっ!?」

 槍をもっていたけど、何となく警戒し過ぎで体が緊張状態になって動きが鈍いように感じた。適度な緊張は集中力が上がって良いけど、過度な緊張は体を強張らせるだけだ。槍を持っていた右手を叩き、武器を落とさせて、そのまま背後に回り、足を払って地面に組み伏せた。妙な動きをすれば右腕はそれなりに使えなく出来るぞ?


「ま、待ってくれ。我が息子が失礼をした。非礼をお詫びする」

 リーダーの獣人が頭を下げてきたので、拘束を解く。まぁ立ちあがりに攻撃でもして来たら……


「このっ!」

「どうやらまずは礼儀を叩き込んだ方が良いのではないか?」

「痛った!?」

 やっぱりと言うべきか、拘束を解いたら蹴りで反撃してきたので、つま先を相手の弁慶の泣き所にぶつけた。倒れた状態で適当に放った蹴りじゃそこまで威力も乗ってない。お仕置きには丁度良いだろう


「このバカ息子がっ!」

「痛ったぁ!?」

 リーダーの拳骨が獣人の男の子の頭に入った。まぁ、代わりに謝ってるのに反撃したらダメだよねぇ?


「すみません迷い人様。こちらが2つ目の手錠です」

「確かに。で、敵の居場所は掴んでいるのか?」

「この地下街の反対側にあるあの建物が奴らの拠点です」

 目視出来る距離だから結構近いっちゃ近いか。まぁ、近い方が良いんだけどさ?


「了解した。では敵の首領の捕獲任務に向かう」

「お、お気をつけて!」

 何も言わせないように簡潔に目標を決めて、敵の下に向かう。とりあえず不意打ちでも何でも良いから手錠を掛ければこの任務はほぼ完了するわけだ。暴れずに隠密にを重視して進んでみよう




「順調だな。という事はこれは何か来るな?」

 敵に見つかったら知識を吸い取られると仮定しながら建物の影や、タイミングを見て大通りを大胆に移動したりしながら敵の拠点に距離を詰めて行った。ここまで順調に来る事が出来たと言う事は、何かしらの裏切りとか、ビックリ要素があってもおかしくない……


「おい!迷い人!手助けに来……」

「【ハシャフ】」

 やっぱり来たよ。周りに敵の反応が無かったから何かしらアクシデントが起こるだろうなぁと思っていたらさっきの獣人の男の子が大声を上げながら助けに来たと叫んできたので【ハシャフ】で黙らせた。やっぱりお邪魔系キャラだったかぁ……



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― 新着の感想 ―
[一言] ホントーにお邪魔系キャラかなあ? 立場的にはとっても『埋伏の毒』が似合いそうなんだけど。
[一言] 縛ってバレない様にそこら辺に転がしとこうぜw
[一言] 予備は、使えない見方の分だったのか!
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