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地下街戦闘中

「とりあえず建物の中は候補から外して、裏路地を歩き回って探すか」

 近道と言っても家の中を通るのは流石に無いだろう。薄暗かったり、学生が通りそうにない所を重点的に調べてみよう


「見つかると良いんだけどなぁ……」

 こういうのは探そうとすると見つからないよなぁ




「もしかして迷い込むポイントが動いてたりするのかも」

 探してはいるけど見つからないって事は地下街に行けるポイントが動いているのかもしれない。日によって入れるポイントが変わってたりしたら探すの滅茶苦茶難しいぞ?


「まぁ歩き回るしか無いか」

 知覚を強化しても僕が感知出来ない可能性はある。そうだったらもう歩き回って探すしかない。屋根の上を歩き回るより裏路地を歩き回った方が発見出来る確率は高いだろう


「そもそも帰って来る事が出来るって事はそんなに危険じゃないのかな?」

 自分の目でまだ見てないけど、地下街に行けたとして無事に帰って来た人が居るという事は危険じゃないかもしれないけど、死亡事故が発生したという報告は無いって言うのと同じかもしれない。あの人は単純に運が良かったのか、地下街が安全だったのか……どうあっても調べる為にはまず地下街まで辿り着かないと


「ん?今何か……」

 今何か【察気術】に引っかかった気がした。一瞬範囲内に入ったって事はやっぱり動いている?


「あっちか」

 一瞬反応があった方に向かって走ってみると【察気術】にまた反応がある。このままこの反応を追いかけてみるか




「「「「あはははは~」」」」

「なんだ……ただの子供達か」

 魔力反応が凄いから魔法の素質がある子達なんだろう。裏路地より広場みたいな所で走り回る方が良いと思うけどなぁ


「まぁ狭い所も良いよなぁ……っ!?」

 子供達を見てたらもの凄い速度でこっちに何かが向かってくる。このスピードで子供達とぶつかったらマズいだろう。この通路で待っていれば近寄って来る何かとは僕が先に出会うはずだ。遊んでいる子供達に

 罪はないのだからこの急接近してくる物が地下街に行く為の何かだったら僕が盾になるべきだ


「あっ、これ止められない奴だ……」

 普通に見ても何も見えないが、【察気術】で魔力の津波みたいな物が裏路地に流れてきた。これは止めるのも避けるのも出来ないな




「はっ!子供達は……居ない。空は……無い。どうやら辿り着いたみたいだな」

 後ろを向いても、さっきの波が子供達を巻き込んだというのは無く、僕だけが波に飲まれた事。空を見ようと上を見てみれば見える範囲の土の壁と暗闇だけ。つまりは地下街と呼ばれていた所に来る事が出来たみたいだ


「さっきの波に飲まれるとここに来る事になる……ここへ来る方法は分かったけど、問題は帰り方だよな……どうして無傷で帰る事が出来る?何故記憶が飛ぶ?」

 話を聞いていたから分かるけど、ここから帰る時にはどうやって戻ったのか記憶が曖昧になるという事は何らかの干渉を受けるという事。仮にここで死ぬレベルのダメージを受けた場合に、死んだ時の記憶を消去して地上に戻る……なんてカラクリがあって皆帰還しているのだとしたらここは想定していたよりもかなりの危険地帯な可能性も出てきた。無傷で帰ってきたんじゃなくて、こっちで死んだから帰ってきた……なんて話だったらこれ相当ヤバい状況かもしれない


「どうする……動くか?」

 まずは周囲の安全確認をしてこの場に一旦留まり、まだ見ぬ何かから接触してくるのを待つか、こっちから動いて探るか。2つに1つだ


「何か反応があれば一番だけど……ポン君。もう少し強化出来る?必要ならあとちょっとくらいなら吸い取って良いから」

「はい」

 首筋のチクリとした痛みと、ちょっと範囲の増えた【察気術】のお陰でようやくこの地下街に何か居るのが発見出来た。どうやら戦闘中のようだな


「まだ距離があるから逃走する事は可能だけど……今逃げてちゃ何も分からないよね」

 逃走しても意味が無い。ここは積極的に向かってみるべきだろう




「あれは……人型の煙と魔物?」

 反応のあった方に向かって行くと、お互いとも煙の様な状態だが、魔物と人が戦っている様に見えた。これはなんだろう?


「攻撃シロ!」

「守レ!」

 両方とも声が聞こえてくる。人型の方が攻撃していて、魔物の方が守っているのか?何となくだけど……逆じゃない?


「迷イ人ノ帰還、完了シマシタ!」

「ヨシ、撤退ダ!」

「深追イハスルナ」

「了解」

 迷イ人?撤退?何となくだけど、魔物側が良い奴っぽく見えてきた。断定はまだ出来ないけど、人型だからと無条件でそっちに味方するとかはまだ決めない方が良さそうだな?でもここで魔物側が一時撤退するというのなら、そっちを追いかけてみるか?


「仕切リ直スゾ!撤退ダ!煙を張レ」

 魔物側が地下街を守っているのか?このままだと煙を張って撤退してしまうみたいだし、僕もあっちを追いかけよう。これもしかして所属する陣営を選べるタイプのクエストか?




「状況はどうだ?」

「あまり良くありません。押され気味です」

「攻め手に欠けています」

「そうか、報告ご苦労。一旦休んでくれ」

 魔物側を追いかけてみたけど、防衛線っぽい所を越えると煙が解除されて魔物っぽい姿から獣人みたいな姿に変わった。どうやら追いかけて正解だったかも



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― 新着の感想 ―
[一言] >攻め手に欠けています ハチ君「やあ」 超強力助っ人登場だぜ!これで勝つる!
[一言] あえて人の方に付かないハチ君。
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