屋根の改修
「さて、それじゃあ授業をしてもらったし、お礼としてオムライスを今から作るんでそこら辺で休んでてください」
「「はーい」」
「そうさせてもらうよ」
モルガ師匠も行ったし、魅了の授業料って事でオムライスを作ろう
「ちゃちゃっとやっちゃいますから……おっ?」
キッチンで冷蔵庫を起動してみると、なんかリアルタイムで野菜が増えた。多分だけどヘックスさん辺りが改良したのかな?この空島で野菜が入手出来るのはワリアさん辺りが作ってくれた野菜が当てはまりそうだし、村から送られているのかも……これは感謝して使わないと
「よーし!チキンライスはこれで完成と。あとは……」
「ハチ君ハチ君!終わったよ!」
「はっや!?」
チキンライスを作り終わった段階でモルガ師匠が帰ってきた。もう終わったの?
「頑張った頑張った!今日は久しぶりに頑張ったよー」
「後でどんな風になったか確認しに行くんで今はちょっと待っててください。オムライスももう少しで出来上がるんで」
フライパンにバターを溶かし、卵と牛乳を混ぜた物を入れて手早くかき混ぜる。半熟になったら畳んでオムレツを作り、チキンライスの上に乗せる
「はい、お待ちどうさま」
「「「おぉ……」」」
「はい、これ」
ナイフを渡し、オムレツの上を指でなぞるように指示する
「「「おぉぉ!」」」
自分の手でオムレツを割ってオムライスにするってのは楽しいだろう?僕もその楽しさを知ってるからこそリアルの方でも練習したからね。さぁ、食べるが良い。ケチャップもあるぞぉ?
「ほら、リリウムさんも割ってみてください」
「あっ、あぁ…おっ?おぉぉ……これは中々……」
あんまり声を出していなかったけど、リリウムさんが目をキラキラさせてオムライスを見ていた事には気が付いていた。一応威厳を保つ為か、他の3人から少し距離を取っていたから見られない様にしていたけど、一応リリウムさんの為に体でブラインドしておいた
「そういうのを食べるのは初めてですか?」
「初めてでは無いが、自分で割るという形の物は初めてだ」
オムライスは食べた事があってもふわとろオムライスは経験無かったか
「別にそういう物ではしゃいでも良いと思いますけどね?別にここでの振る舞いやマナーがどうのこうのとか言う人も居ませんし」
食べ散らかすとかじゃない限りそれくらいは問題無い。むしろモルガ師匠を見れば、素で色々やってるのはすぐに分かると思う
「そうは言われてもやはりここは城だからね。今まで生きてきて、染み込んでしまった物だからはしゃげと言われても難しいのさ」
それはそうだ。僕としては自然体で良いって感覚で言っただけなので体に動作が染み込んでいるのなら無理に崩そうとしなくても良い
「まぁ、気楽にご飯食べてください。モルガ師匠を見てたら無理とかしないで良いって伝わるとは思いますけど」
「それは充分伝わっているさ。あそこまでのびのびしているモルガ様はそうそう見られない。外では警戒している猫でも家の中だと暖炉の前で伸びて寝ている様な感覚……と言えばハチ君に伝わるかな?」
テレビとかでたまにみる両手とかあげて寝ている猫みたいな物か。完全に野生を忘れてるなぁみたいな
「そんな感覚でしたか。僕も今は家で猫とか飼ってたらこんな感覚かなぁって思ってた所だったんですよね。餌になったら何処からともなくやって来る感じとか」
料理を作っている時にやって来る確率が高いから、飼ってる猫か餌付けしている野良猫か、くらいの気分になっていた。今モルガ師匠にネコミミと猫尻尾が生えていても違和感がまるでないと思う
「ちょっとハチ君危ないじゃないか。吹き出す所だった……」
流石に吹き出すのはヤバい。でも同意っぽいな
「なになに?私の話?」
「なんか師匠って猫みたいだなぁって」
「それってそれって、猫みたいに可愛いって事かにゃ?」
「……まぁそんな所です」
「ハチ君ハチ君?どうして今答えるのに間があったのかなぁ?」
「さぁなんででしょうねぇ?」
下手に答えたら面倒になりそうだからここはスルー安定だろう
「リリ?リリ?どういう意図で猫みたいなんだい?」
「それはハチ君の口から聞くのが筋かと」
「さぁ、さっさと食べて師匠の屋上改造がどうなったのか早く見に行きたいな!」
リリウムさんはスルーパスを選択したみたいだ。そこは別に持ち上げて良いからそっちで請け負って欲しかったなぁ?
「「「「ご馳走様でした」」」」
「お粗末様でした。それじゃあ行ってみますか?」
「行こう行こう!私の成果を見てもらおうじゃないか!」
オムライスを食べ終わり、次はモルガ師匠が改造した屋上展望台を見に行こう提案したら、モルガ師匠が僕の手を引いて自分の成果を一刻も早く見て欲しいって態度だった。だからそのまま連れていかれるけど、後ろから3人ともついてくるのを見て、モルガ師匠の足が一旦止まった
「うんうん、見たいのは分かるけど、3人はちゃんとローブを着ないとダメだよ?日光に当たっちゃうからね!準備出来たら行くよー!」
そういって吸血鬼3人組にはローブを着たのを確認したら僕達4人を最上階の部屋までワープさせた
「さぁさぁ!見ててよー」
最上階の部屋の中心に杖が立っている。あんな杖あったかな?多分無かったと思う
「いざいざ!起動!」
杖にモルガ師匠が触れると、屋根に切れ込みが入り、花開く様に屋根が開いた