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乙女の試練

「さて、夜まで待たないと……」

 ハスバさんと話していたけど流石にそれだけじゃ夜まではまだまだ時間が掛かる……でも余計な事をしたらあっという間に夜になってしまう訳で……


「とりあえず面倒事が起こらない様にまた一人になれそうな所に行くか」

 顔見知りが居なさそうな所に行って夜まで待とう。ゆったりハンモックとか作って休むのもありだな。あとは戦闘になる事を想定してご飯食べておくとかかな?


「あえて城の一番上とかもアリかな?」

 星座魔法の強化には強化元の星座魔法を持っていて、夜間に屋外(邪魔する物が無い?)である事が必要だろうから城の一番上に一人用の展望台みたいな物を作ってそこから強化に行くのもアリだな?適当にサンドイッチでも作って食べながら即席の展望台でも作るか




「とりあえずの足場があれば今回は良いか」

 城の屋根の上まであがってしまえばそのまま行けるだろうけど、帰還した時に体勢が変わって、尖った屋根に串刺しとかになったら笑えない。あの時は寝転んだ体勢で行ったから帰ってきた時も寝転んだ体勢のままだったのか、どんな体勢でも戻ってきたら寝転んだ体勢で帰って来るのか。その辺りは検証していないから、安全の為にも足場は必要だろう。今回は立った状態で行ってみるかな


「ここはこうした方が良いか。あっ、こっちの方が良いかな?」

 城の備蓄というか、修理用木材みたいなのがあったので、それを少し貰って足場を作る為に思案する。素材の無駄遣いは良くないからね


「コーグン達にも手伝ってもらうか」

 城の中ならコーグン達もすぐに手伝ってくれるだろうし、工具ならではの意見とか聞けるかもだし




「結構上手く作れたな」

 こうすると素材が少なくて済む、ここに1本入れると強度が上がるなどコーグン達に色々教えてもらって小さいけど丈夫だし、地面の角度がかなり急こう配でも割と水平が取れる足場を作る事が出来た。滑り止めには魔糸を使えば良いし、これで行ってみよう


「よしよし、良いぞ。これなら寝そべるくらいは出来るな」

 最上階の窓から出て、街とは逆サイドにその足場を設置した。もうそろそろ日の入りだし、せっかくなら日が落ちる所を見ながらサンドイッチでも食べるか。それだとちょっと足場の位置を変えて丁度良い所に一旦変えよう


「夕日を見ながらBLTサンドを食べるのもある意味風流って奴?でも眩しぃ~」

 風流とか思ったけど、夕日を直で見るのはやっぱり眩しい。目がしょぼしょぼするな……


「ご馳走様でしたっと!さて、それじゃああとは星が出て来るまでに星座の形を改めて確認しておきますか」

 ルクレシアさんから貰った星座の小冊子を開いて【ヴァルゴ】と【ジェミニ】に対応する星座を確認する。【ゲッコー】のお陰で夜目も効くので暗くても本が読める


「さて、どっちが先に出て来るかなぁ」

 現実と似てるけど、同じでは無いこのゲーム内でどっちの星座が先に出てくるのか……


「おぉ?あれは……そうだ【ヴァルゴ】の星座だ!」

 空が暗くなっていき、空の星が見えるようになってきた。そこで見つけたのが【ヴァルゴ】の星座だ


「よし、それじゃあやってみますか!【ヴァルゴ】」

 星座を確認し、【ヴァルゴ】を使う。すると、体がふわっと浮き上がる様な感覚と意識が遠くなる




「おっ!来た!」

 何時ぞや見た暗い部屋。ここがスタート地点でまた出口を探して歩き回れば良いんだな?


「さぁ、マッピングするぞぉ!」

 マス目状になっている通路を進んでマッピング。あっちへこっちへ壁伝いで歩いてマップを作り、埋めていく。今回も一応全部見て回ろう


「時間は掛かるけど着実にここのマップが出来上がっていくのが面白いな」

 人によっては目的地に直接行きたいと思うだろう。でも、限定された空間でのマップは踏破率100%にしたい。完全オープンワールドとかは流石に厳しいけど、これくらいなら楽しんで踏破出来る




「今回は乙女の姿の像か」

 前回が天秤だったけど、今回は微笑んでいる乙女の像があった


「そこのあなた」

「あ、普通に話す感じなんですね」

 頭の中に直接みたいなテレパシー的会話ではなく、普通に乙女像が喋り出した


「我がヴァルゴの試練を受けますか」

「受けます。でも、合否判定が出た後に少しお話する時間を貰えますか?」

 色々とこの星座魔法の強化について聞きたい事があるし、前回はスルーしてしまったけど今回はお話が聞けると理解が深まる


「良いでしょう。では、試練を始めます。私を探してください」

「うっ!?」

 乙女像がそう言うと部屋全体が眩しく光る。閃光から目を守る為に目を閉じる直前に像が消えた所までは確認が出来た




「「「「「「「私はどれですか」」」」」」」

「そういうパターンか」

 7体の横並びした乙女像が同じ声で訪ねてきた。なるほど、間違い探しみたいな感じか


「なるほどねぇ……」

【察気術】での見分けを挑戦してみたけど全部ほぼほぼ一緒。像だからなのかな?まずは、さっきと少し感じ取った気配が違う両端2体は除外だ。そもそもなんかそっくりさんみたいで体型が違う


「ふむふむ」

 顔のパーツの配置が微妙に違う、体の肉付きが違う。真ん中と左2番目除外


「そうかそうか」

 手がゴツイ。右2番除外


「髪切りました?」

 残りは左から3番目と5番目だったが、3番目は最初に見た乙女像とほとんど見た目が一緒で、5番目は髪が多分3cmくらい切ったのかな?という印象だった。決定的だったのは乙女像の膝が3番目の方が皺が作り込まれていたので、そこだけ何か違和感があった。5番の方がその部分が最初に見た時と変わっていなかったから髪型を変えてこの中に隠れていたんだろう。髪なら変わってもおかしくない部位だからね


「この中から私を見つけて、それに私の変化によく気が付いてくれましたね。認めましょう。私、ヴァルゴは貴方に敗北しました。故に私の力は貴方の物です」


『【ヴァルゴ】 の性能が向上しました』

 よーし!無事強化出来たぞ!



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― 新着の感想 ―
[一言] 色んな意味で難易度高くない? 間違い探しなのに見本が消えるし、見た目変わってるし。 普段からの観察力と記憶力が試される⋯ というかハチくんだからいいけど間違い探しの試練って言われてないの…
[一言] タモリ式判定術!なんて高度な事をw
[一言] なんという観察力・・・モテる男は違うなぁ・・・
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