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料理(実験)したくて

「あの、リリウム姉さま!ここは凄く勉強になる気がするのでここで色々学びたいのですが!」

「私も!」

 エリシアちゃんとフォビオ君が学びたいとか言ってるけど、別に教えられる事なんて何も無いぞ?


「ハチ君、相談なんだが……」

「何か教えるとか僕には出来ませんよ?」

「いや、単純にここに来る回数を増やしても良いかと聞きたいんだ」

「それは別に良いんじゃないかな。問題を起こさなかったら別に居るくらいは構わないけど、まぁ問題があるとするならリリウムさんがここに入り浸っていたらサーディライが大丈夫なのかなとは思うけど……」

 自分の街や国をほったらかしにするのは良くないとウカタマの方を見ながらリリウムさんに言う


「「……」」

 自覚のある2人は目を逸らした


「一応城にも部屋はあるから滞在しようと思えば出来るだろうけど、2人の食べ物までは用意出来ないからそれを考えるとリリウムさんと一緒にやって来る方が良いと思う。それに、勉強になる事があったとしても、ここは環境がかなり特殊だから学ぶって言うよりこういう所もあるって参考程度に留める方が良いと思うよ」

 この環境を地上でも同じように再現出来るかといえばそれは無理な気がしてならない。あくまで隔離された空間だから出来ているという事を忘れてはならない


「それに、僕だっていつでもここに居る訳じゃないからね。皆があくまでも自主的にここを維持する為に動いているからここは色んなのが居るんですよ」

 誰か1人が頑張っているとかじゃない。皆で頑張っているからここを維持出来ているのだ


「「なるほど!やっぱり協力関係が」」

 メモを取り始めるエリシアちゃんとフォビオ君の2人。ちょっと恥ずかしいからやめて欲しい。というか、やっぱりこれだけ来ると全然料理の実験が進まない


「とりあえず今僕は自分の事をやるので精一杯なので、街を見たりすると良いと思いますよ」

 まだ作っていない料理とか作って実験したかったので、他の皆に街の見学をオススメする


「またまた~そんな事言って一人で何か美味しい物でも作るんじゃないの~?」

 ウカタマが何か探りを入れるように聞いてくる


「まぁ美味しい物も作るつもりですけど、不味いというか危ない物も作るつもりなので被害を最小限にする為に皆には離れておいて欲しいっていうのが本音ですね」

 宝呪料理とか作ってる間に来て、大変な事になる可能性も充分に注意しなければならない。そういう事を考えたら近寄らない様に注意しておかないと皆の自己責任じゃなく、僕の過失になる


「具体的には今度、猟みたいな事をするんで、それに使う毒を混ぜた料理とかも作る予定なんですよね。だからそういう物を作っている時に皆につまみ食い~なんてされて倒れられたら僕、泣きますよ?」

「「「「「……」」」」」

 つまみ食いしそうなのがここに沢山居るので、真面目に毒入りの物を食べる事故は起こる可能性が高い。予防線はしっかり張ったぞ?


「ねぇねぇ!皆で色々見てまわろっか!この島凄いんだよ?エリちゃんとフォビ君も行こう!」

「わ、分かりました」

「行きましょう」

「おっ、ちょい待ち~それならウチの所も見て行ってもらおうかなぁ?」

「では私は見回りに戻ります」

「シンパイナサソウナノデ、モドリマス」

 皆キッチンから出て行く。これで調理に専念出来るな




「なんで飯綱さんは残ってるんです?」

「ハチさんに救ってもらってから勉強しまして、毒物なら多少は私も知識があります。猟でしたら、後で食べられる様に残留毒が少ない物が良いでしょうか?」

「えっ」

 まさかの飯綱さん、毒物に関して知識があるらしい。あの蟲人侵略の後料理以外にも色々学んでたんだなぁ……


「それで、どんな奴を狩るんですか?大型ですか?小型ですか?毒は即効性ですか?遅効性ですか?」

「ちょちょちょ、落ち着いて……皆にはあんな風に言ったけど、実は追いかけっこの罠として飲んだら麻痺とか動きが鈍る毒を使いたいなって思ってまして」

 これ、僕が何も言わなかったらそれこそフグ毒とかトリカブトクラスの強烈な奴をオススメされるかもしれない。流石にそれはマズい……


「そうでしたか、キッチリ仕留める為に必要なのかと」

「間違いではないんですけど……えーっと、じゃあ遅効性の鈍化の毒とかあります?可能なら入れた飲み物の味が変わらないとかだとなお良いんですけど……」

「それでしたら……スロウリの種の汁がよろしいかと」

 まじ?使えそうな物あるの?


「種をすり潰して濾した際に出てくる液体が無味無臭で遅効性の身体鈍重化の毒性があります。それでしたらハチさんのご希望に添えるかと」

 探すとあるんだなぁ……


「そのスロウリってどのくらい取れそう?」

「そうですね。実は美味しいので私が個人的に食べる分は育ててはいます。それでよろしければお持ちしますが?」

「その毒性、どのくらい強い?具体的にはスロウリの実1つから何人分の毒が取れるのか」

「……実1つから3人分程度の毒は採取出来るかと、なので用意しようとすると約30人分の毒が取れると思います」

 30人分ね。それだけあれば充分活用出来そうだ


「それ、持ってきてもらえるかな?スロウリの実が美味しいって言うのなら、実の方は調理してみたいし」

「分かりました。では取ってきます」

「うん、ありがとう!」

 イベントを盛り上げる為の道具になる予定だし、多分持ち込めるだろう。持ち込めなかったら……短期決戦用アイテムって事で



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― 新着の感想 ―
[一言] ヤバいやつらが手を組んだらさらにヤバいのが出来そうですね(白目)
[良い点] 飯綱さんチョー優秀。 [一言] つまみ食い犯、ドリルの用に態度が変わるw
[一言] 猟って言ったぞ…… 追いかけたり毒餌を置いたりして獲物を狩るのは、確かに猟だけど…… もうこれ、逃亡者と追跡者じゃなくて、獲物と狩人だわ
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