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702/2001

報酬受け取り

「なるほど、これってどうやって集めたんです?」

「これかい?これは昔冒険して入手したり、物々交換、献上してもらったとかだね」

 なるほど、そうやって集めた物がこれなのか。中々凄いな


「思い入れがある物とかあるんじゃないですか」

「確かに思い入れがある物もあるけど、ハチ君にはそういったものでも渡しても良いと思ったから一番奥まで開放しているんだよ」

 どうやらリリウムさんが相手に対して渡しても良いと思う物がどのくらいのレベルなのかで見せる物が変わるらしい。それが全部オープンしてくれているのだから信用してくれていると捉えて良いだろう


「中々凄い物とかありますね」

 金色の竜の置物とか、水晶で出来た剣とかそれ使える?と思えるような物も色々あったけど、普通にカッコイイ三又槍とか、ポリカーボネートみたいな透明な素材で作られた盾などちゃんと強そうな物もある


「どうだい?何か気に入った物はあるかい?」

 この中の物から報酬として何か貰っても良いと言われても逆にどの程度の物を貰っても良いのか分からない


「ん-、ん?」

 何となく一番奥の壁に掛かっていたマントが気になった


「おやおや、それかい?」

「これってどんな物なんです?」

 近くて見てみるとちょっとボロボロになっている黒いマントがどうにも気になった。なんか他の物とはちょっと違う気がしたけど……


「それはおじい様から頂いた物なんだ」

「え、そんな大事な物は流石に貰えないですね」

 気になった物だったけど流石にリリウムさんがお爺さんから貰った大事なマントを僕が貰うのはマズい。何か別の物を選ぶか……


「別に構わないさ。ハチ君ならおじい様も許してくれるさ」

「流石にそのおじい様に一度話をした方が良いんじゃ……」

 元々おじい様から貰った物を大事に仕舞っていたのにそれを他の人に勝手に渡すのはマズいだろう


「その者になら渡しても構わん」

「やはり、おじい様も来ていたのですね」

「へっ?」

【察気術】でも気配を掴めなかった。気が付いたら部屋の中に白髪の長髪で立派な髭、意匠の凝った服と内側が赤いマントを纏ったカッコイイおじ様が居た。この人が吸血鬼のおじい様か?


「ここまでずっと彼の姿を見ていたが、我が孫に差別する訳でも無く、孫の身を案じて自らの血を与える。悪漢に襲われた時も2人に指一本触れさせなかった。それに自分に非があったらそれを素直に認めて謝罪が出来る立派な人間だ。その者にはそれを渡しても構わん」

 うん、1つ言いたいんだけど、確か僕が2人を迎えに行くまでは遠くから見ているっていう話だったのに普通にこっちまで来ちゃってるけど……


「おじい様。また抜け出して来たんですか?」

「はっはっは、たまには息抜きも必要だからな。それに孫が遠くまで行くと言うんだ。気になって見に行ってしまう物だろう?」

 確かリリウムさんのお爺さんは吸血鬼と人間の共存に成功した国を作ったんだっけ?それなのに抜け出しても良いんだろうか……でも抜け出して孫の様子を見に来ているのはある意味良いおじいちゃんなのかも?


「おっと、ほったらかしにして悪かったなハチ君?」

 ずっと見ていたのなら僕の名前を既に知っていても不思議では無いので驚く事では無い


「いえ、家族間のお話の邪魔をしないようにしていただけですので」

「やはり君は礼儀正しいな。どうだろう?吸血鬼の一族にならないか?」

「お誘いいただきありがたい話ですが、こちらにも都合がありますので遠慮させていただきます」

 何か吸血鬼にならないかとお誘いを受けたが、勿論お断りだ


「おじい様、ハチを丸め込むのはモルガ様よりも無理があります」

「なんと、モルガ様以上に無理か!はっはっは!それなら諦めるしかあるまい」

 おぉ、こんな所でも役に立ったぞモルガ師匠


「それに、ハチはモルガ様のお弟子さんです」

「それは残念だ。あの方のお弟子を奪ったなどとなってしまったらモルガ様もお怒りになってしまうな!」

 今更だけど、吸血鬼の(多分トップの)人が様付けするモルガ師匠ってかなり偉いんじゃ……いや、今後も今まで通りに接しよう。いきなり他人行儀になるのは僕はあまり好きじゃないし、それに喋る態度を変えて欲しかったら向こうから言ってくるだろう


「モルガ様は孫の為に色々なさってくれて、娘も良い男を見つけているみたいだし、心配する事はもう無いな。では、さらばだ」

「ちょ!?」

 マントを翻すとまるで霧のようになって消えてしまった。そういえばおじいさんのお名前聞いてなかったけど……国があるのならその内分かるか


「っと……こほん、ハチ君。あのマントが欲しいんだろう?持って行きたまえ!」

「は、はい……」


『特殊クエスト おでかけ吸血鬼達の護衛 をクリアしました』


 とりあえずおじいさんがまさかのここまでついて来ていたので、壁に掛かっていたマントを手に取ってみる。ちょっと高い所にあったので近くのはしごを使って取ったけど、見た目がちょっとボロボロなだけで素材は高級品っぽい手触りだ


 ---------------


 ノスフェラトゥマント


 レアリティ ユニーク


 全ステータス +5%


 耐久度 破壊不可


 特殊能力 血の奏者(攻撃時に出血属性が確率で付与される。出血状態の敵と接触している場合、その敵からHPとMPを吸収出来る)


 とある吸血鬼の一族にしか製法が伝承されていない特別なマント。血を吸っていないと一見ボロボロなマントだが、血を吸えば綺麗なマントになっていく


 ---------------


 これ、装備したら僕も軽く吸血鬼の仲間入りするんじゃないか?



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― 新着の感想 ―
あれ?おじいちゃん公認で付き合ってる判定されちゃったかな?
[一言] でもまぁ、吸血鬼化って言っても、ゲーム的に考えたら日光脆弱等のデメリットが付与される種族に変更されるだけですよねぇ
[一言] マントつけて〜、敵の頭踏んで〜、ハツ抜いて〜、月をバックに掲げたハツを握り潰して血を浴びる。 完璧なる魔王様です。誠にありがとうございましたw
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