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狂気の護衛

「さテ、おカネはナイので、ソノいのチをワケてモライましょうカネ?」

 所々片言で喋って相手に恐怖感を与える。触手4つをうねうねさせながら前傾姿勢で獣っぽいイメージだ


「び、ビビるな!相手は1人だ!その後ろの奴らはどうせ足手まといだから後で良い!」

「「「う、うすっ!」」」

 周りの奴もエリシアちゃんとフォビオ君からこっちに標的をチェンジしてくれたみたいだ。危なそうな奴を排除してから弱そうなのを倒す。何かしらの物を奪うと考えたら護衛排除は理にかなっている


「あの化け物を囲め!」

「絶対に1人で行くな!」

「相手は人間じゃねぇ!油断するな!」

 まぁ酷い言われ様……別に姿が人じゃなくても心は人のままですよ?もう慣れたけど


「「「うおりゃぁぁ!」」」

 左から斧を振りかざす人、正面から短剣で攻撃を仕掛ける人と後方からクロスボウを撃つ人。殺さない様に、尚且つやられない様にするには……


「ぐえっ!?ぐはっ」

 左から走ってきた男を触手で捕えて、クロスボウから放たれた矢から守る盾にする。左肩くらいに当たる感じにして、正面からの攻撃は右手で払って受け流す。そのままクロスボウの盾にした人の右足に短剣が刺さる


「こうゲきスレば、こいつのイノチは、ナイ」

 襲ってきたのはそっちだけど、これで形勢逆転かな?


「がはっ……」

 とりあえず捕まえた人の首に触手を巻き付かせて、これみよがしに見せつけた後に少し地上から浮かせる


「ま、待て!」

「まタない」

 とりあえずここで待ってもこっちが有利にはならないだろう。両手と右足にも触手を巻き付けて引っ張る


「うぐあああ!」

 短剣が刺さった右足と、矢の刺さった左肩は引っ張られたら痛いだろう。死にはしないだろうけど、確実に痛いのには変わりない


「皆武器を捨てろ!」

「「は、はい……」」

 敵が全員武器を捨てたのを確認して手足の触手を解き、地面に下ろす。まぁ首の拘束は解かないけどね?


「なんてバケモンを標的にしちまったんだ……」

「こちラに、ひガイをあタエナければ、ぜんインみのガシテモ、いいデスよ」

 敬語を使う必要はなかったけど、ここで理性があると理解してもらわないとね


「わ、分かった……俺達は退く。おいお前ら退……」

「なんだ……この2人は」

「なんか興奮してきた……」

「「ひっ!」」

 あららー、2人の魅了範囲に入っちゃった人が居るみたいだねぇ?


「ふたリにテをダスやつは、ユルサナイ……」

「「へぐぁ!?」」

 触手で持っていた奴を投げ捨てて、2人にフラフラと近寄って行った奴らの首を締めあげて地面に叩きつける


「おい馬鹿!お前ら何してんだ!?」

 この2人は撤退の指示も聞かずに急に僕が守ってる2人に襲い掛かるという謎行動をしているんだからそりゃあ驚きもするよな。実際は吸血鬼の魅了に掛かってしまっているだけだけど……


「きサマら、シニタイのか?しにタインダな?」

「お、俺は死にたくねぇ!」

「俺だって嫌だ!」

 数人が逃げ出して、残ったのはボスっぽい人とナンバー2っぽい人、後は僕が首を絞めている2人だ


「ま、待ってくれ!本当にこれ以上抵抗はしねぇ!さっきのは何かの事故だ!だから許してくれ!」

 事故なのは知ってる。エリシアちゃんとフォビオ君に近付いただけで魅了されちゃうんだからね


「……ならバ、こイツらをもってキエうせロ。つぎ、はナイ」

 捕まえた2人をボスっぽい人の足元に放り投げて威嚇する


「感謝する!急げ撤退だ!」

 放り投げられた人を背負って逃げ出す人達。とりあえずこれで何とか2人から他の人間を遠ざける事には成功したかな




「っと。よし、もう安全ですよ」

「「……」」

 凄い引いてるんだけど……あっいつもの奴か


「【解除】これで話を聞いていただけるでしょうか」

【アビスフォーム】を解除してお辞儀しながら2人に話しかける


「本当に何者なの……」

「さっきの姿の説明は、してもらえるんですか?」

「……邪魔者も居なくなったので先に進みましょう」

 とりあえずスルーして街に向かう事を提案する


「「……」」

「説明しないとダメでしょうか」

「「聞かないと行かない」」

 さっきまで迫って来る人間相手にビビってたのに今は僕にビビらないで聞かないと動かないと言うし、判断基準が良く分からないな……


「端的に言うと、知り合いに貰った力です。それ以上は言えません」

「その知り合いって人間じゃなさそうね……」

「明らかに何かしらの人ならざる者の力だったし、深く聞かない方が良いのかも……」

 フォビオ君良いぞ。そういう聞かなくて良い事があるって理解するだけでも偉い


「そうです。無知は良くありませんが、知らなくても良い事もあると理解するだけでも偉いです」

「ちょっ!」

 何となくフォビオ君の頭を撫でてしまったけど、驚かせてしまったようだ


「失礼しました。ですが、お二人を街に、リリウム様の下に送り届けるまでしっかりと護衛しますので、それまで今しばらくわたくしに護衛を任せて欲しいのですが、よろしいでしょうか」

 アレはその場しのぎにしてもかなりインパクトが有ったと思う。後少しの道のりだからこそ、これから色々襲ってくると思うとここでもう一度護衛として信頼してほしい所だ


「まぁ、さっきもちゃんと守ってくれたし?」

「別に今更な事だと思いますけど」

「では最後まで護衛としてお二人をお守りします」

 これでまた別の盗賊とかに襲われても【アビスフォーム】で解決出来るな



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― 新着の感想 ―
[一言] 意外と仲間思いで理性的な盗賊やったなw
[気になる点] 街の近くにやべぇの出たって、討伐隊が組まれなければいいけど [一言] ハチくん、ハチくん いざとなったら、レストで眠らせて 触手使って運んじゃえ
[気になる点] 前から思ってたけど、自分で雇ったんじゃなく人につけてもらった護衛なのに態度でかいな?と。 守ってもらってやってもいいみたいな。
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