猫死神さんと
「それじゃあ僕も戻りますかね」
4人捕まえたし、岩から飛び降りてセーレさんの所に戻ろう
「戻りましたー」
「なぁ、やっぱりハチは悪魔じゃないのか?実は翼とか隠してるだけとか言ったら信じるぞ?」
セーレさんの後ろには縛られた亡者3人と最後に落とした1人がガタガタと震えながらこっちを見ていた
「ほら、見てみろよ。こいつらの反応……普通の悪魔相手でも中々こんな事にならんぞ?」
「次上に行こうとしたら……分かってるよね?」
一応この4人に追い打ちをかけておく。一応拘束はもう解除しても大丈夫だろう
「「「「ワ、ワカリマシタ!」」」」
イベントの時にここまでじゃなくても怖がってもらえれば追いかける側としては良いかな。走って逃げてく4人を見送る
「追い打ちもやべぇな……やっぱ悪魔じゃないのか?」
「どこからどう見ても人間ですよ」
「あんな物を出しておいてただの人間って言うのは無理があるぜ」
やっぱり深淵触手を使ってただの人間って言うには無理があるかぁ……
「結構これ気に入ってるんですけど、やっぱり怖いですか?」
「まず、俺達の最初の出会いを思い出せ?腕試しをしようとしたら心臓ぶち抜こうとした力を使ってんだぞ?怖いに決まってんだろ……」
そういえばそうだった。幻影を使ってたセーレさんをあの時は【アビスフォーム】を使ってぶち抜こうとしてたんだっけ
「もう一回やります?」
「絶対やらない」
手合わせしようと思ったら拒否されちゃった
「仲良くしようぜって言ってるのにどうしてシバこうとするんだ……」
「嫌なら仕方ないですね。強要はしたくないし」
セーレさんに嫌われるのはあんまり良くないだろうし、ここは大人しくしよう
「あ、そろそろ地上に戻ります。エレベーターもすぐそこにあるので、今日はありがとうございました」
「お、おう、こっちも亡者を捕まえるのを手伝ってくれてサンキューな。またなんかあったら気軽に呼んでくれ。ただし、手合わせの為に呼ぶとかはするなよ?」
セーレさんそんなに戦闘力低いとは思わないんだけどかなり深淵の力を恐れてるなぁ?まぁ得体の知れない力だし怖いか……別に脅すつもりは無いけど下手に話を引き延ばそうとしたらなんか警戒されちゃうだろうし、素直に引き上げよう
「分かりました。それじゃあまた今度!」
「あぁ、またな」
エレベーターに乗って冥界に戻ろう
「お!お帰りニャ」
「ただいまです。おかげ様で欲しい物を作れました」
猫死神さんにしっかりお礼を言う。お陰で良い物が出来たし……というか呪いのアイテムって結構法則が分かれば作りたい物を狙って作れそうだよなぁ……それに合う怨念があるかどうかで作成にかなり時間のムラがありそうだけど
「で、どんな物を作ったのかニャ?」
「こんな物です」
「うわぁ……また変ニャの作ってるニャ……」
宝呪を見せたらドン引きされた
「生きてるニャら美味しい物食べれば良いのニャ」
「それはごもっともなんですけどね……今後こういう物があれば短期決戦の時とか役に立つんで」
確かに美味しい物を食べるのが一番だけどね……
「まぁハチがそれで良いのニャら何も言う事はニャいニャ」
「平時は使えない困ったちゃんでもいざという時に役に立ってくれれば良いんです」
常時弱い効果を発揮するよりも限定的な場面で強力な効果を発揮する。そうした方が結果的に生存に繋がったりする物だ。ちょっと違う気もするけど火事場の馬鹿力的ニュアンスかな?
「そういう物かニャ?」
「じゃあどんな仕事でも5割出来る人と、他の仕事は1割でも死神さんがやって欲しい仕事が8割出来る人ならどっちが欲しい人材ですか?」
「ニャるほど、それニャら1つが8割出来る人材の方が欲しいニャ」
「そういう何か1つが特化した人を集めてより色んな事が出来るようになるって面白そうじゃないですか!」
色んな方向に特化した物を合わせて色んな状況に対応していく。これが僕の目指す先なのかもしれない
「5割の人を集めてもその集まりは所詮、5割止まり。他が1割でも何か8割を持っている人を集めれば他の1割を埋める8割が居て、その集まりは8割の集まりになるからこちらの方が強い……中々面白い理論ニャ」
納得してくれたかな?
「今の死神さん達とか割とそうじゃないですかね?色んな姿の死神さんが皆で仕事を分担してるし」
「確かにー!そうかもニャ!」
ファイトクラブ運営、パトロール、建物の管理とか色々分担してる死神さんって凄いよなぁ
「こいつはそんな特化した力の1つなんですよ。だから一見他の人が使い難そうって感じてもそれは皆が1割の力の所を見ているだけで、僕が使う時はこいつの8割の力の所を使ってあげれば良いんです」
例え同じ力でも使い方次第、受け取り方次第で大きく変わる
「やっぱりハチは面白いのニャ!」
「そりゃどうも、そろそろ空島に帰ろうと思うのでこの辺で失礼しますね」
イベントに向けてレベルもそろそろ上げた方が良いだろうしなぁ……
「いつでも待ってるニャ」
「では、さよならー」
死神にいつでも待ってるって言われるの普通は怖い事なんだよなぁ……




