順番?
「なになに……これは見取り図だよな?」
トーマ君から送られてきたメッセージには開かれた本の見取り図に4か所丸印が描かれていた
『皆でこの印の位置に行ってみようか。私はこの地点に向かう』
『そんじゃあ俺はこの部分に行くぜぇ?』
『では私はこちらが近いのでここに行きます』
『じゃあ、余ったここは僕が行きますね』
大体皆近場の丸印の位置に向かっていたので、僕も丸印の付いた2つ先の部屋に向かう
「この部屋に何かある……この壺怪しいなぁ?」
ドアを開けたら部屋の中央に壺が小さい机の上に置かれていた。一応、触らない様に見ているけど……壺の模様とか確認しよう。ついでに写真も送っておかないと
『壺がありましたね』
『こっちもだ』
『こっちにもですね』
『4か所に壺か……』
4か所に壺があり、各々微妙にデザインが違う。でもこの壺が絶対何かのトリガーだと思う
「うーん……あ、壺の中にボタンがあるぞ?」
壺の中を確認したら壺の底にボタンがあった。問題があるとすると壺は割と大きめだから底のボタンには手を入れただけでは届かないかも
『僕の所の壺の底にはボタンがあるみたいです。ただ、普通にやったら手が届かないし、押す順番もまだ分からないからまだ押してませんが、他の壺も底にボタンはありますか?』
『あ、あった!』
『あるぜ!』
『ありますね』
やっぱり皆の壺の中にもボタンはあるのか。と言う事はあとは押す順番かな?
『トーマ君、他に何か順番に関係してそうな文言が載ってるページとかない?』
あの1ページだけではまだ分からない。次のページとかに押す順番のヒントとか載ってないだろうか?
『これとかどうでしょう?』
トーマ君が載せたのは次のページなのか、何か文章が書いてあった
「『死は始まりに過ぎない。旅するには荷が必要。休むには位置に気を付けろ。さすれば悲惨な結末は避けられる』ですか……これはまた割と直球なの来たな?あとはこの壺の順番が分かればこれは解決しそうだ」
死は始まりに過ぎない。これはもうそのまま4から始まるって事だろう。旅するには荷が必要は2が必要。あとは位置に気を付けろと悲惨な結末だから1に気を付けろとひ3な結末と。4213の順で壺のスイッチを押せば解決するとして、この壺の順番が分からないのが問題だ
『4213の順か』
『4213だね。押す順番は分かったけど』
『どの壺がどの数値に対応しているかまだ分かりませんね』
判断材料はこの壺にある模様だろう。他の壺の画像と照らし合わせると波線の波長が違う位だろうか?
「この波長が順番に関係してるよな……」
長い波長から短い波長。これが順番に関係があるとするならどちらが1に該当するのか
『ここは1ミス覚悟で行ってみるかい?』
『いや、待ってくれ。部屋の中に他に何かねぇか?』
そうか、すっかり忘れてた。部屋の中央に机と壺で完全にそこに注目してたけど、この部屋はほとんど調べてなかった
「これ以外に家具らしい物も無い……それなら」
壺の中にボタンがあったけど机の下はまだ見てない。灯台下暗しって案外あるしなぁ~?
「まじぃ?3って書いてるねぇ?」
机の下に普通に3って書いてた
『皆さん、机の下確認してみてください』
『あっ、4って書いてんねぇ!』
『2って書いてんなぁ?』
『1って書いてますねぇ……まさかのこっちでしたか』
ドクター、ダイコーンさん、僕、ハスバさんの順に当て嵌めて4213でスイッチを押せれば多分良いんだろうけど、この壺の中のボタンを皆押せるのかな?
『とりあえず順番は分かりましたが、皆さん壺を壊さないでボタンは押せます?』
『剣を使えば届くかな』
『しらたきに頼めば届くな』
『部屋にモップが置いてあったのでそれで何とか押してみます』
『じゃあ、順番通り押しましょう。ハスバさんから』
皆何かしらの長物とかでボタンは押せそうだな。僕も魔糸を硬化させて棒状にすれば充分押せる物になるだろう
『4番押すぞー』
『2番押すぜぇ』
『1番押します』
『3番押します』
『仕掛け動きました!』
どうやら図書室で何か動いたらしい。これは一旦集合かな?
『地下に向かう階段みたいなの出てきました!』
『集合しようか』
『集合だな』
『一旦集合しますか』
『集合しましょうか』
ほぼ同時に皆で集合しようとメッセージを打っていた。そりゃあ隠された地下への道が開いたら行くしかないでしょう
「あっ!待ってましたよ!」
「トーマ君、もう先に見ちゃった?」
「いえ、まだ見てません。やっぱり全員が来てから一緒に見ようかと思って」
安全確認は重要だけど、こういう時はやっぱり皆で揃ってから行こうというトーマ君の考えは良いと思う
「よし、そんじゃあ行くか!」
「ハチ君も来たし、行きますか!」
「これで明かりを確保しましょう」
ドクターがケミカルライトみたいな物を取り出してパキッとする。中々明るいライトだ。しかも人数分以上の数が用意されているからライトを投げて調査する事も出来るけど……【ゲッコー】の効果で暗視能力はあるし、【察気術】もあるから敵の感知なら問題は無いんだけど……ここは雰囲気重視で行こう
「よし、それじゃあ行きますか」
この先は見取り図に載っていない地下だ。宝物庫の可能性は結構高いんじゃないかな?