城の調査
「まさかのそのまま過ぎてビックリしたが、これで城の中に入れたな」
「ここはもしかして戦闘と言うより謎解きメインなんですかね?」
「そういえば市街地の防衛戦も防衛設備があったから防衛自体はかなり楽だったかもしれない」
「墓地の戦闘も順番を考えれば割と楽な戦闘だったからな……」
ドクターとダイコーンさんが自分達の戦闘を思い出しているらしい
「これ、謎解き系をミスったら敵が出てくるパターンが濃厚ですね」
「あの敵を倒しても経験値はファステリアスの敵以下だし、アイテムも入手出来なかったからな。そういう敵が出て来たらただ面倒なだけだが、ここならそれもありそうだ」
経験値もアイテムも見込みなしの敵とは中々嫌らしい。でも、そういう敵が居るなら謎解きで間違いをした時にそういう敵が出て来てくるという想定も出来る
「とりあえず何かお宝がありそうな……宝物庫でも探してみますか」
探すならやっぱり宝物庫だろう
「どっかにこの城の見取り図とかありませんかね?」
「流石に無いんじゃないかな。それがあったら宝物庫の場所とかすぐに……」
「おい、これ見取り図じゃねぇか?壁に張ってあったぞ」
「あるんかーい!」
ダイコーンさんが壁に張ってあったらしい見取り図を取ってきた
「えーと、これは……一応色々書いてますが、宝物庫は流石に載ってないですね」
残念ながら宝物庫は見取り図には載っていなかった
「あっ!これあれじゃないですか?見取り図と実際には違う所があるみたいな……」
「隠し部屋パターンのあれか!」
「部屋の大きさと見取り図のサイズが違って本棚の裏に秘密の通路が……みたいな奴ですね」
「皆やっぱり脱出ゲームとかやるのか?」
「たまにやりますね」
「やりますやります」
「やっぱりたまにやると面白いですよね」
「仕事の息抜きとかに結構やってましたね」
皆脱出ゲームとかやるんだなぁ……まぁ脱出ゲームを一回でもやったことがあればこういう場面で隠し部屋の可能性を考えるか
『テストテスト』
「ん?ハチ君どうしたんだい?」
「さっきメッセージを飛ばした時は皆には届かなかったんですが、同じ場所でなら届くかなって、これで届くのなら皆で手分けしてこの城を調べられるなと」
時短の為には手分けをするのが一番。メッセージが飛ばせるのなら画像も一応送る事が出来るから何か謎を発見した時、他の場所でヒントが見つかった時とかに共有しやすい
「見取り図も撮ってしまえば皆でメッセージを使って共有出来ますし、宝物庫を見つけた時にどこで見つけたか見取り図に丸を付ければ現地集合も出来ますし、それにメッセージが使えれば手分けした時に何か問題が起こっても救援を呼べますから」
何処かの部屋に閉じ込められたとかになった場合、手分けしていれば外から救助する事が出来るかもしれない。捜索効率上昇とリスク分散の為にはメッセージが使えるかはかなり重要だ
「とりあえず、今回は1人ずつ分かれて捜索しますか」
「良いぜぇ?誰が最初に見つけるか競争ってか?」
「おっ、良いですね。それなら私が最初に見つけましょう!」
「自分が最初に見つけてみせます!」
「おいおい、私を忘れてもらっちゃ困るなぁ?」
皆ノリノリである。これは意外とすぐに宝物庫とか見つかるんじゃないか?
「じゃあこのエントランスからスタートって事で、5」
「4」
「3」
「2」
「1」
とりあえず横並びで立っていたのでカウント5から始めてみたら皆がカウントを順番に言ってくれた。そして最後は……
「「「「「0!」」」」」
皆で0のカウントを言って走り出す……
「じゃあ、あっちの方見ますね」
「じゃあ、自分はこっちを」
「じゃあ俺は向こうを見て来るぜぇ」
「それじゃあ私はあの辺りから」
「ならその辺から見て行こうかな」
訳もなく、しっかり皆で行く方向が被らないように決めて歩き出す。だってエントランスだって何かあるかもしれないしね?
「よーし、それじゃあ行きま……」
エントランスを歩き出したハスバさんの上から鉄格子が落ちてきた。なんかスイッチでも踏んだのかな?
「いきなり来たなぁ」
「あの……助けてくれないかい?」
「はい、ちょっと皆集合」
「「「はーい」」」
「せーので行きますよ。せーの!」
落ちてきた鉄格子を4人で持ち上げてハスバさんを出す。まだ皆が近くに居る時で良かったなぁ?
「ふぅ、皆!探索する時は気を付けるんだぞ!」
見ろ、一発目にトラップに引っかかった人の言葉だ。重みが違う
「ま、まぁ皆さん気を付けましょう……」
「そうだね。とりあえずこういう事があったら皆メッセージですぐに伝えてくださいね」
トーマ君がハスバさんを見て、何とも言えない表情をしていたのでとりあえずもう一度何かあったらすぐにメッセージで呼ぶように言っておく
「パっと見で見取り図に謎の空間は無さそうだな」
一応トラップに警戒しながら城の中を進んでいるが、ダイコーンさんの見つけた見取り図と廊下や部屋の大きさを照らし合わせたりしながら進んでいるが、今の所部屋の大きさが見取り図と合わないという事は無いし、謎らしい謎も特に見つからない。今回は僕が進んだ道はハズレだったのかもしれない
『図書館みたいな所で何か謎みたいな物がありました!』
どうやら今回はトーマ君が何かを見つけたらしい。さぁ、どんな物かなぁ?