友と財
「えっと何々……『特別なエリアで捕縛者から逃げきれ!巨大なフィールド内にある謎を解き、夜が明ける前に脱出せよ!』と」
「逃げるが前提になってる時点で戦うイベントでは無いだろう?という事は速度アップ系統か隠れる系の装備を用意しようと思うと結構お金がね……」
なるほど、通常装備から速度と隠密能力を上げようとしてる訳か。それでお金を一気に稼げそうなお宝探しをしたい訳だ
『夜明けの逃亡者 捕縛者の方へ、イベントは10日後に開始します。参加する事が出来なくなった場合、旅人様の代わりにNPC捕縛者が参加するので、当日参加出来なくても問題ありません』
うん、僕の所にも情報来たけど、この情報は漏洩しちゃいけないし、ここは黙ってよう
「とりあえずまだ調査してない文献に載ってる場所があるか聞いてみますよ。ハスバさんには結構お世話になってますからね」
お宝探し出来る所があれば行ってハスバさんの装備強化のお手伝いをしてみよう。まぁ僕、捕まえる側なんだけどね
「いやぁ、助かるよ。今回のイベントは逃げる事に重点を置いてるからハチ君と一緒に行動は出来ないだろうし、しっかり逃げ切る為にも新装備は必要だろうなと」
「まずは話を聞きに行ってみましょう。あ、ハスバさんは学園の外で待っててくださいね?警戒されて情報を貰えない可能性もあるので」
「分かった。待っていよう」
申し訳ないが、ルクレシアさんにハスバさんを見せられないので学園の中までの同行はさせない。どこかお宝が残ってそうな所があれば良いんだけどね
「という事で何処か文献に載っていて調査が進んでない所とか無いですかね?ルクレシアさん」
「突然戻ってきたと思ったら何を言ってるんですか?」
「ルクレシアさんなら知ってるかなと思ったんですけど……やっぱり知らないかぁ……そっかぁルクレシアさんなら知ってると思たんだけどなぁ……」
わざとらしく言ってみたけど、どうかな?ルクレシアさん乗って来るかな?
「知らないとは言ってませんけど?」
乗ってきた!
「えっ?じゃあルクレシアさんは知ってるけど、他の人は知らない様な所があるんですか!?」
「ええ、ここに保管されている巻物に書いてあった謎を解きましたが、行ってない所はあります。まぁ危険な所みたいですから、ハチさんに任せましょうかね?何か発見出来たら持ち帰っても良いんじゃないでしょうか?歴史的価値が有る物が発見されたら好きにしたら良いんじゃないですか?」
「それなら何か発見出来たらルクレシアさんにプレゼントしますよ。教えてくれたお礼って事で!」
「えっ!?」
流石にルクレシアさんから情報を貰って何かを見つけたら1つくらいは僕も貰ってルクレシアさんにあげよう。残りはハスバさんの装備強化費だ
「そ、それなら期待しないで待ってます……はい!これ場所の書いた地図です!」
僕の胸に叩きつけるように地図を渡して逆を向いてしまったルクレシアさん。これ以上は話を聞いてくれないっぽいな?
「わ、分かりました。じゃあ行ってきます」
これ以上ここに居てもルクレシアさんの機嫌が悪くなるかもしれないし、ハスバさんの所に戻ろう
「ハスバさん、情報入手出来たんで行きましょう」
「入手出来たんだ……」
「なんか危険な所みたいなんでお宝が残ってるかもしれません」
「それは期待出来るな!それで、何処なんだい?」
「えーっとこの地図を見るとですね……」
ルクレシアさんから貰った地図を見てみると、街と火山と何かの墓みたいな形のマークを三角で囲い、その真ん中部分に×印が付いていた。ここに何かあるみたいだ
「何も無いような所みたいだが」
「とりあえず行ってみますか」
何となくだけど、この墓っぽいマークの所にチェルシーさん行ってそうだなぁ……
「おっと……」
「どうしました?」
「ドクターとダイコーンが金策がてら何か探さないかとね……」
どうやらあのイベント情報で装備変更の為の金策の為に色々皆動いているみたいだ。ハスバさんにもドクターとダイコーンさんが声を掛けたみたいだけど、それが丁度お宝探しに行こうとしたタイミングだった訳だ
「じゃあ呼んで一緒に行きますか。それとも取り分が減るのは嫌ですか?」
「いや、こういう時に呼ばないと後で自分がそういう場面で呼んでくれなくなる事もあるだろうし、呼ぼう。それに、どうせなら皆でお宝を探しに行った方が面白そうだ」
「いっその事トーマ君も呼んじゃいます?男5人でお宝探ししましょう」
「良いねぇ!楽しんだ者勝ちだ!」
「じゃあトーマ君には僕から声を掛けるので、ハスバさんは2人を呼んでください」
「任された!」
単純に自分一人だけ強くなりたいならここで人数を増やそうとする選択はしない。でも、面白そうだからと、フレンドを呼んでお宝探しをしようと言えるハスバさんはやっぱり良い人だ
「ヒャッハー!わざわざ呼んでくれてサンキューだぜぇ?」
「お宝探しなんて面白そうな事に参加させてもらえるなんてありがとうございます」
「足手まといにならない様に頑張ります!」
声を掛けたら3人ともすぐに参加を決定してフィフティシアに集まってくれた
「とりあえず情報としてはここに何かあるみたいだけど調査はしていないらしいので危険はあるかもしれません。それでも来てくれますか?」
一応最後の確認だ。海外で良くある我々は責任を取りませんの誓約書を書くやり取りみたいだな?
「もちろんです」
「そいつを承知で来てんだ。今更怖気づくかよぉ?」
「冒険に危険は付き物です!」
「むしろ危険が無いとね?」
よし、皆危険は覚悟の内みたいだし、行ってみよう!
「じゃ、行きますか!」
地図の×印が描かれた所を目指し、お宝探検隊は街を後にした




