博物館へ
「危なかった……戻れなくなるところだった」
「流石にそこまで行ったらフレンド解除も秒読みですよ」
ドMが行きすぎて死ぬくらいまでいかないと満足出来ないなんて事になったらもう本格的に僕がハスバさんを病院に連れて行かなければならないかもしれない
「待ってくれ。確かに私が悪いが、それは勘弁してくれ。最近ハチ君がまた色々やってたから中々遊べないなぁと思ってやっただけなんだ」
まぁドラーケン攻略以降は海底火山だ、冥界ファイトクラブの新体制だなんだと色々やってたから他の人と遊ぶというのは確かにあんまりやってなかったかもしれない
「普通に言ってくれればいいのに……」
「ハチ君が次はどんな事をしてくれるのかと思ってね?」
本当にお仕置き待ちだったのかい……
「今度はどうしてやろうか」
「次も楽しみにして良いんだね!?」
もうこれはどうしようもない。これぞハスバさんらしさって事で諦めよう
「はぁ……それで、何かします?」
「ハチ君、博物館に行ってみないかい?」
「博物館?」
博物館か……何か面白そうな物とかあるかも
「そうそう、フィフティシアには学生向けに博物館があるらしい。まだ行ってないから確認の為に一緒に見に行かないかなと」
「面白そうですね。行ってみますか」
歴史ある物とか見れるかもしれないなら行ってみる価値はありそうだ
「ハチ君、最近またハチ君の島が凄い事になったね」
「手伝ってくれる皆が居るからですね。僕だって流石に1人じゃ空島の運営なんて出来ませんよ。後は陸続きじゃないから入って来る人数を制御出来るのもかなり大きいですね」
そもそも1人でどうこう出来る物じゃないしなぁ……勝手に土地改良してくれたり、治安維持みたいな事をしてくれてるから僕も好きに動けるし、食料問題も基本皆は魔力で事足りたりするのでその辺滅茶苦茶助かっている。ほとんど貿易しなくても国が回るって素晴らしい
「そもそも人以外と会話して、国を成している時点でおかしいんだよ?」
「まぁ、その話はその辺で、何か博物館について情報とか無いんですか」
島の話をしても会話は広がらないし、ここは博物館について聞いてみよう
「昔の人が使っていた道具や武器、防具なんかが飾っているみたいだぞ」
「昔の人が使ってた道具があるんですね。何かの参考になるかも……」
昔の人が使ってた物のレプリカでも、どう動作するのか分かれば再現とか出来るかもしれない。案外昔の人が作った物とか別の用途で使えたりするんだよなぁ
「ハチ君その内パワードスーツとか着たりしないよね?」
「そんな事ある訳無いじゃないですか」
「だよねー」
「ですよー」
「「ははははは」」
あれはゲヘちゃんに守られただけだからパワードスーツでは無い……のかもしれない
「本当は?」
「……ノーコメントで」
「マジかよ……」
別に何も言ってないんだけど、なんか勝手にパワードスーツ持ってるとか言われる奴だこれ
「ハチ君、パワードスーツはマズいよ?それ絶対強いでしょ……」
「一応言っておきますけど、あのイベントの最後で僕が操ってたゴーレムっぽいの覚えてます?」
「あぁ、あの絶対コイツラスボスじゃんみたいな見た目の」
「あの子が弱体化した後、僕と契約して装着出来る?みたいな感じになったのでパワードスーツとは若干違うかなと思いますけど……」
「あぁー、そういう感じか。いや、やっぱりハチ君が強化されてる事には変わりないよね?」
「いつでも装備出来る訳でもないですし、そもそも装備しちゃうと動きが遅くなっちゃうので」
「ハチ君から速度を落として防御を上げる……確かにそれだと強化とはちょっと違うか」
「まぁ、危険な所に行く時はかなり助けになってくれるので」
「なるほどな。魔物の力を借りる事で危険な場所にも行けると……そう言う事かな?」
「あぁ、多分それが一番近いかもです。プレイヤー1人じゃ行けない所でも行ける様になったりするんで仲間になってくれると大分助かる事多いですよ」
「ほうほう……」
実際1人で何とか出来ない事を何とかしてくれる……かもしれないから交流って大事だよなぁ
「おっ、あそこが例の博物館だ」
「パストエド博物館……もしかして入場料とか取られないですよね?」
「まぁ取られるとしても誘ったのは私だから安心してくれ。行ってみよう!」
普通にフィフティシアの街中を歩いているけどハスバさんはいつも通りスク水の恰好だからめっちゃ見られてる。この状況で博物館に入って良いのかな……
「すみません、博物館に入りたいんですが今って開いてますか?」
「あ、開いてますが……出来ればもう少し普通の服装にする事は出来ますか?他のお客様のご迷惑になってしまう可能性があるので……」
「わぁ、まとも……」
思わずハスバさんの恰好にツッコミが入った事で言葉が漏れてしまった。ちゃんとした服着てないと怒られるというか入館拒否されるんだなぁ
「そうか……それは仕方ない。これで構わないか?」
茶色いマントを取り出して着るハスバさん
「はい、大丈夫です」
そのマントの下はスク水だけど良いんだ……
「入館料は1人500Gになります」
「割とお高めですね?」
中を観るだけで500Gって結構高いのでは?値段良く分からないけど
「収蔵品の保存や修復費用に充てる為にこの価格設定になっていますので……」
「なるほど、中々大変そうですね」
保存とか修繕を考えたらかなりお金とか掛かりそうだなぁ
「ハチ君?完全に他人事だね?」
「ハスバさん、よろしくお願いします」
お金が掛かる事に関しては僕は誰よりも下になる。ハスバさんにしっかり頭を下げてお願いする
「分かっているさ。さぁ、見てみよう」
ハスバさんが1000Gを払い、2人で博物館の中に入った