水晶引き渡し
「持ってきましたー」
「もう持ってきてくれたのか!すまねぇな。それで、何を持ってきてくれたんだ?」
「これです」
造船所に戻り、炎龍水晶をおじさんに渡す
「おいおいおい!?なんつーもんを持ってきてんだ!?」
「ダメでしたかね?」
「こんなの凡人は一生に一度見れるかどうかも怪しい代物だぞ?」
「あのドラゴンってそんなに危ないんですか?」
「そりゃあ危ねぇさ。逆になんでハチさんは無事なんだ?他に仲間が居たにしても無傷でドラゴンを倒すなんて出来ねぇぞ?」
「ん?僕、ドラゴンを倒したなんて言ってませんよ?」
実際話をして水晶を入手しただけだし、ドラゴンと戦うなんて事はしていない
「じゃあどうやってこれを……まさか莫大な金でわざわざ買ったなんて事は無いよな?」
「買った……ある意味買ったような物ですかね?ドラゴンから」
僕の情報と水晶の物々交換みたいな物だから買ったとはちょっと違うかな?
「ドラゴンと交渉したのか?」
「はい、ちょっとしたお話をして、その情報と交換で水晶を入手できました。まぁ取っても良い権利を貰えたって感じですけど」
「本当にハチさんには規格外って言葉が似合うな……」
「それで何とかなりますか?」
「加工はかなり難しいが、絶対にやってやるぜ!というか、これ……飛行船の動力強化にも使えそうだな……」
「ちゃんと奥さんにプレゼントしないとダメですよ?」
プレゼントにする物を飛行船に使っちゃうのは流石にマズいと思うけど……ちゃんと贈らないとダメだぞ?
「わ、分かってる。流石にその約束は守らないと嫁に顔向け出来ねぇ……」
「まぁちゃんと約束が守れるのならその素材の報酬は考えますよ」
「なら、この飛行船が完成したら好きなだけ乗ってくれ!ハチさんなら金は要らねぇ。これだけ協力してくれたんだ。もし、何処か行く時に必要になったら遠慮なく言ってくれ!」
飛行船無料と何かあった時に好きに使える権利はかなりデカいのでは?
「分かりました。それで構いません」
物がないなら権利で何とかする。別にそれを狙っていた訳では無いけど、これで飛行船が完成したら僕は自由に飛行船を使える用になるのかな?
「それならこのプレートに触れてくれ。この船に情報を記録しておくからこれでハチさんがどうしても船を使いたい時に権利行使して船を使う事が出来る。これで記録していれば通常航路で乗る時に無料で乗れるようにしておく」
おぉーパスポートじゃなくて船自体に記録してくれるのか。ハイテクだなぁ
「じゃあこれで取り引き完了です」
「ありがとう!本当にありがとう!嫁に最高のプレゼントを作ってやるぜ!」
「頑張ってください。それじゃ!」
『特殊クエスト 妻への感謝 クリアしました』
とりあえずクリア報酬として飛行船タダ乗り権を入手出来た訳だ。でもこれ、クエスト自体は終了したけど日数を置いたらおじさんのお嫁さんとか見れるのかな?
「さて、これからどうするかなぁ」
海底都市に居るかも知れない学者さんの所に行くか、それとももう一度あのドラゴンさんの所に行ってみるか?
『ハチ君~たまには一緒に遊ばないかい?』
おやおや?これはこれは……やるつもりはなかったけどお仕置きする対象から声をかけられちゃったらやるしかないなぁ?
『良いですよ。フィフティシアの港で待ってます!』
『おぉ!それじゃあすぐに行くよ』
知ってか知らずかすぐに来るみたいなハスバさんを港の方で待とう
「やぁ、ハチ君」
「ハスバさん!待ってましたよ!」
「えぇ?そんなに?」
ハスバさんの両手を握って港の先の方まで走っていく
「ど、どうしたんだいハチ君?何か変じゃないか?」
「何言ってるんですか?別に変じゃありませんよー。ちょっと常識の破壊者とか言われてるだけですからー」
「げっ!」
笑顔を崩さない様に、そしてハスバさんの両手をガッチリ掴んで海に向かう
「ハチ君?もしかして怒ってる?」
「そう見えます?」
「絶対怒ってるよねぇ!?じゃなきゃなんで海の中に向かってるのかなぁ!?」
「そりゃあお仕置きする為に決まってるじゃないですか」
「ちょ!?ハチ君?流石に水中で呼吸は出来ないんだけど……」
「顔色だけ見て限界ギリギリを見極めようかなと」
「今回のお仕置きはかなりキツそうだ……」
「じゃあ反省してください」
「この海……深い!ゴボボボボ」
ハスバさんを海の中に引き摺り込み、お仕置きを開始する
(ハチ君?流石にキツいんだけど……)
ウィスパーでハスバさんが話しかけて来るけど笑顔は崩さない様にしながら水上に上がれない様に両手は離さない
(流石にもう死ぬ!苦しくて死んじゃう!普通の責めじゃ満足できなくなっちゃう!)
(僕に常識が無い云々よりもハスバさんの方が常識的ではない気がするんですが……まぁもう良いでしょう)
死に掛けて満足出来なくなっちゃうとか言ってる時点で常識無いでしょこれ……僕より酷い可能性無い?とりあえずハスバさんを海上に出す。これで酸欠になるのがクセになったりしたらもう目も当てられない変態になってしまうかもしれない