何か居そう
「流石に船首像になるのは嫌ですね……もう少しなんとかなりませんか?」
これみよがしに僕の姿が船の船首像になるのは嫌だ。そんな自己顕示欲丸出しみたいな事はしたくない
「うーん、俺は結構良いと思ったんだがなぁ……」
この感じかなり本気だったみたいだぞ……止めに来る事が出来ただけでもこれかなりラッキーだったのでは?
「せめて仮面を着けた人の像くらいなら問題ないですけど」
それだったら別に僕ではないと言えるし、仮面を着ければ船首像の顔の部分を簡素化できるから良いだろう
「そうか、ならその仮面を模したものを付けた船首像なら問題無いんだな。よし!それなら全員の意見を纏められる!」
とりあえず僕が船首像になるっていうのは回避出来た。メルロ君を待ってたらかなり恐ろしい船を見る事になっていたかもしれない
「もし何か足りない材料とかあったら言ってください。取りに行きますから」
「……それじゃあ1つだけ頼みたい事があるんだが、良いか?」
「なんでしょう?」
何か頼みたい事があるのか。あれ?でも船の材料は足りてるんだっけ?
「……大きい声では言えないんだが、もうそろそろ嫁が誕生日なんだ。そこでプレゼントをやりたいんだが……大したものも用意出来なくてな?ハチさん!こんな情けない事を頼めるのはあんたしか居ねぇ!何でも良い。プレゼントの素材を取って来てくれねぇか?」
「素材ですか……」
「あぁ、流石に貰ったものをそのままなんて渡せねぇからせめて加工くらいはやらせてくれ」
『特殊クエスト 妻への感謝 を開始しますか?』
ふむふむ、おじさんのお嫁さんが誕生日が近いからそのプレゼントの素材を取って来るクエストか。やってみよう
「どんな物が良いとかあります?宝石が良いとか、服みたいな物が良いとか……」
おじさんがどんな加工技術を持っているか知らないけど、何を持って行けば良いのか……せめて何か指標が欲しい
「出来れば宝石関係の方が良いな。魔石加工の技術である程度何とかなるからな」
はぇ~魔石加工と宝石加工って融通利くところがあるんだ
「まぁ、何を持ってきても構わねぇぜ?何とかプレゼントの形にするからよ」
これ絶対に適当な物は持ってこれないな……
「とりあえず探してみますね」
「頼んだ。こんな事を頼めそうなのはハチさんくらいだ。礼は……」
「それは上手くいった時に話しましょう。報酬は要相談って事で」
「ありがとう!」
ま、報酬はどうでも良い。問題は何処にプレゼントの素材を取りに行くかだ
「期限とかあります?」
「出来るだけ早めが良いんだが、取って来てもらう俺が急かす訳にもいかない。いつでも良いぜ」
「じゃあ今からちょっと行ってきますね」
「お、おう!頼んだぜ?何か当てはあるのか?」
「特に無いですけど、行ったら何かあるだろうなと思う所があるのでそこを調査してみようかと……もし何も無かったら綺麗な魔石か属性金属辺りでも良いですかね?」
「属性金属って……簡単に言うけどそれ造るの結構大変な物だぞ?でもそんな良い物を保障してくれるならもう何も心配ねぇ!存分に好きな物を頼んだ!」
何も無かった時の為の最低保証の物がオッケーを貰えたので好きに探しに行けるな
「分かりました。それじゃ行ってきます」
よし、火山の麓は見たけど山頂はまだ行ってない。山の山頂には何かあるんじゃないかな?
「何処に行くのか分からないがハチさん、火山の山頂に行かなきゃ良いんだけどな……あそこは麓のサラマンダーなんざ比べ物にならない位危ねぇのが居るからな……」
残念ながら思惑とは真逆のように動くハチであった
「ふぅ、あっついけど海底火山程じゃないな……」
あれはもう人工的というか海底火山に住んでたクリーナー達が作り出していた熱さだったけど、こっちは溶岩の影響で気温が上がってきただけでまだ耐えられる。山頂まではまだ時間が掛かるけど、火口付近に到達するまではシロクマコスチュームが無くても問題無さそうだ
「さて、この先に何か宝石みたいな物とかあれば良いんだけどなぁ」
火山の火口で何かしらの原石とか転がってたりしないかな?もうあのアストライトが元あった所は泉ごとお引越ししてしまったので例の宝石が取れる岩塩の場所は分からないし、火山で宝石が安定供給とまではいかなくてもちょっとくらい取れれば嬉しいな……
「一応噴火はしてないみたいだけど……大丈夫かな?何となく強大なオーラを感じるけど」
まだ火山を登っている最中だけど、山頂というか火口付近から凄い強そうなオーラを感じる。これ絶対何か居るな?
「とりあえず登って怒られたら即撤退だな」
どれだけ良い物が有っても拾う前に死んだら持ち帰れないし、怒られるって事は来て欲しくないだろうから無理に行かないようにしよう
「まぁ怒られないならドンドン行っちゃうぞー!」
あくまで撤退するのは怒られた場合だ。怒られなかったら火口まで遠慮なく進んじゃうぞ?何せこっちは切り立った断崖絶壁でも余裕で登れちゃうんだからな!




