表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
657/1998

輝くお届け物

「とりあえずフィフティシアの近くまで送ってもらえれば良いんで、お願いします」

「任せとけ!そんじゃあ行くぞお前ら!」

「「「アイサー!!」」」

 心なしか船員達も喜んでいる様に思える。お宝が手に入って嬉しいんだろう。まぁ海賊にとってはお宝はいくらあっても嬉しいか


「船長?あのクリーナー達って放置しても問題無いんですかね?」

「クリーナーは1か所の火山で増える最大の量が決まってるんだ。それ以上増えると古い奴はバラバラに壊れちまうらしい。調べた奴は相当頭おかしいぜ?」

 近寄ったら分解される危険性があるのにクリーナーの生態?を調べたのが居たんだ……


「という事は例えば100匹あのクリーナーが居たとしたら、101匹目が産まれた瞬間に最初の1匹目が死んで総数は100匹のままになるって感じですかね?」

「あぁ、そんな感じだろう。海の中の事だから俺らもその学者の話はそこまで理解は出来なかったが、なんでも制御が出来なくなるから全体の数を調整してるだかなんだか」

「へぇ……ん?」

 全体を調整……それってつまり操作している親玉みたいなのが居るのか?


「とりあえず何処かに掴まっておいた方が良いぞ?アイツらお宝を多めに貰えた分かなり張り切ってるからな?」

「「「アイサー!」」」

「ちょ!?」

 とんでも加速で海の中を爆走するデッドマン号。ゆっくり考える暇もないぞ……




「到着!」

「はぁはぁ……吐きそう……」

 流石に【耐圧】の効果があるとはいえ、急激な上昇は体に負担が掛かる。これはちょっと勘弁して欲しいな……


「大丈夫か?流石に飛ばし過ぎたか?」

「一応何とか…大丈夫です。あの、良かったら今度その学者さん?に会ってみたいんですけど」

 海の中の事を相当知っている人だろうし、クリーナーの話とか色々と話を聞いてみたい


「学者か?動いて無けりゃあルールイアに居ると思うが……」

「ルールイアに居るかもしれないんですね?じゃあ今度行ってみます。なんか見た目のイメージとか教えてくれますか?」

 ルールイアにまだ居るかもしれないその学者さんの見た目が分からなければ僕がその学者さんに辿り着くのは厳しいだろう。多分船長は相手の事を学者って呼んでる時点で名前を覚えてない可能性が高いから名前は別に良いだろう。それよりも見た目が分かった方が僕が学者さんに到達出来る可能性が出てくる


「学者は頭がタコみたいな見た目してっからすぐに分かる。あとはそうだなぁ……妙な杖をついてるからそれで分かると思うぞ」

 頭がタコで妙な杖……確かにその見た目ならすぐに見つけられるかも


「分かりました。妙な杖って木の杖とは違うんですかね?」

「何かうねうねしてっから見りゃあ分かるさ」

 うねうねした杖は持ってる人そうそう居ないだろうな。気難しい相手じゃ無ければ良いんだけど……


「まぁ学者も興味ない奴には全く見向きもしないが、恩人様なら多分学者も興味を持ってくれっから見つけられたら話は聞けると思うぜ?」

「興味持ってくれれば良いんですけどね……」

 話を聞きたくても興味なかったら話を聞かないっていうのは僕でも同じような物だ。船長が興味あるかもしれないと言っても、本人じゃないから実際に会えた時に話を聞いてもらえるかはまだ分からない


「まぁ、そこは本人次第だな!とりあえずこの辺で良いか?」

「はい、ありがとうございました。また何かあったら言ってください」

「おう!また何かお宝を見つけたら声掛けるぜ!」

 今回僕が見つけたお宝はお宝というより危険物だし、今後船長達について行ってもお宝に見える危険物回収の旅になるんじゃないか……?


「じゃあな!」

「さようならー」

 僕を港近くにまで送ってくれたダイビング・デッドマン号が海の中を進んで行くのを見送る。よし、そろそろ呼びかけてみるか


「アビス様。見ていらしたら覗き穴を繋いでくださると助かります」

 海の中でも繋いでくれるかなぁ……


「おぉ、海の中でも覗き穴は開くんだ……お邪魔します」

 深淵の覗き穴に向かって泳いでいく。覗き穴を通って深淵に辿り着くといつの間にか泳ぎから歩きに変わっていた。やっぱりここは不思議だなぁ


「おやおや~?ハチ君?どうかしたのかぁい?」

 今回は赤い服を着た女性みたいな姿で現れたニャラ様。深淵という空間では凄く目立つ


「ニャラ様。これ、ニャラ様の物ですよね?」

 輝くトラペゾヘドロンをインベントリから取り出してニャラ様に手渡す


「あれま、確かにそれは元々私の物だね。どっかの誰かが持って行ったと思ったけど」

「海底火山でクリーナー達によって他のお宝とかと一緒に集められてました。見つけた時になんかこれニャラ様の物っぽいなと思ったんで持ってきました」

 赤い服を着た女性体のニャラ様に輝くトラペゾヘドロンを渡す。宝石の入っている箱は不気味だけど、中の宝石は赤っぽい光を放って綺麗なので、女性に宝石をプレゼントしている様に見えそうだな


「わぁお?プレゼント!ハチ君からプレゼント~!やっと私の信奉者になる気になった?やっぱり女の恰好の方が良い?」

「多分無くしたんだろうなと思った物を届けに来ただけでどうしてそうなるんですかね?まぁその姿の方が綺麗ですけど、最初のインパクトが強すぎてどうしてもチラついちゃうんですよね……信奉者にはならないです」

 どうしてもあの顔の部分に穴があるあっちの姿の方がインパクトがあって頭に残ってるんだよなぁ


「うーん、失敗だったかなぁ」

 そう言いながら赤い服を着た女性がグズグズに溶けて、今までのニャラ様の姿に戻った



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 98!ファンブルッ!
[良い点] いあいあハチさぁーん(詠唱
[一言] 目の前で女性が溶けるようにグニャグニャ変わるとかそう言うとこやぞ。 にしても深きものっぽい学者といい、ハチくんサイコロ振った方が...いや、振らせる側だったわ。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ