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天使が運ぶお手紙

「ア、ハチサン。ソウイエバジェリスサンガウケトッタノデスガ、ハチサンアテニ、ナニカオテガミガ、トドイテイタラシイデス」

「お手紙……もしかしてメルロ君かな?」

 お手紙が届くって言ったらメルロ君が持ってきてくれるとかいう招待状かな?


「ジェリスサンガ、マダモッテイルハズナノデ、イマオヨビシマス」

 ゲヘちゃんの部屋の天井に手を伸ばして振ると鐘の音が響き渡る


「どうしたゲヘナマキア。何か用……おぉ、ハチが来たから呼んでくれたのだな」

「何か手紙が来たんだって?」

「あぁ、驚いたぞ。まさかここに来るとはな……」

 ポケットから手紙を取り出し、僕に渡してくれる。さて、招待状だとしたらいつかなぁ


『選ばれた旅人へ』


「ん?なんかおかしいぞ……」

 あの造船所からの手紙ならこんな書き方はしないはず……


「まさか神が私に手紙を渡してくるとは思わなかった。旅人ハチの下でこれからも働く様にと、手紙を渡すまさに使いにされた訳だ」

「そ、そうなんだ……」

 なんか可哀想だな……こっちも後で何か心のケアを入れてあげた方が良いかな


「あの、良かったらたまには休みを入れて羽を伸ばしてきても良いよ?何処か行きたい所があるなら行っても……」

「心配しなくてもそこまで傷付いていない。まさかもう一度あの神と会話出来るとは思っていなかっただけだからな」

 そうは言うけどイベントの時に自分が派遣された元の神ともう一度会うってどうなんだろう?


「心配するな。元上司という繋がりを使ってハチに手紙を届ける為に私を使っているに過ぎないから精神ダメージの様な物は無い」

「そっか。でも辛かったらいつでも言ってね?休みは必要だよ」

 親に見捨てられたというより元上司との会話みたいな物ならそこまで精神的には影響がないのかな?でも実は無理してるかもしれないから心配だ


「ふっ、あの時のお前とは大違いだな?」

「あれは演技だったけど……悪かったよ」

 絶対にわざと言ってるな?


「だいたいにしてなんだ?お前は天使を手下にしているのに戦闘に使うでも無く、単なる衛兵として使っているんだぞ?その段階で心配をするのは少し間違っていないか?」

「そうかな?今まで頑張ってた分は楽しても良いんじゃない?」

「お前は……本当に悪魔だな。天使を堕落させようとして」

「悪魔を1人シスターにした事があるから天使が1人くらい充実した休みを楽しんだって良いんじゃない」

 もうね、悪魔だ鬼だ言われ慣れてるんだよこっちは。その程度の弄りではもう傷付かないぞ?


「……そうだな。たまには休みを貰おうか。我が主が休めと言っているのなら衛兵としての役割を……そこの2人に頼んでも良いか?」

「「……!」」

 白武と黒武がジェリスさんの代わりに衛兵か。中々似合うかも?


「2人共それでも良い?」

「「……!」」

 うんうんと頷いている。一応喋れないのは少し問題があるかな


「一応何かボードとかを持った方が良いのかも……」

 喋れないのなら意思を分かりやすく伝えられるように何かホワイトボード的な物を持ち歩いた方が良いだろう


「マグネット式のお絵描きボード……いや、誰かに何か無いか聞いてみるか」

 マグネット式のお絵描きボードとか、ホワイトボードとマジックペン、黒板とチョークとかを作る事を考えたけど、出来れば可能な限り早めに入手したいからフレンドに聞いてみよう


『すみません、誰か繰り返し書いたり消したり出来る物の存在って知ってますか?持ち運べる黒板とかホワイトボードみたいな物が欲しいんですけど』

 とりあえずこんな内容でフレンド全体に誰か情報を持っていないか聞いてみる。あればラッキー、無ければ無言で2人が衛兵として問題を解決するだけだ


「まぁ喋れなくても2人とも衛兵としてしっかり働いてくれると思うし、ボードに関しては後ででも良いか」

「1人から3人になっただけでも充分だ。喋れなくてもここに居る奴らが起こす問題は大したことはない。私を見たいからちょっとした小競り合いを起こしたとか、島の中央を見に行こうとしたなどを止めた程度だからな。島の中央を開放するんだろう?だったら衛兵として守る所は島中央と街に分ける事が出来るだけで充分だろう。その前にゆっくり休ませてもらおう」

「ジェリスサンハ、マイニチガンバッテマスカラ、コンカイクライハユックリオヤスミシテクダサイ」

「あぁ、そうだった。中々休むというのも難しいかもしれないな」

 ゲヘちゃんは体が大きいだけで滅茶苦茶礼儀正しいし、優しいから僕の言葉より受け入れやすいのか?


「ゲヘちゃんありがとう。お陰で何とかジェリスを休ませることが出来そうだよ」

「ジェリスサンハ、コノシマデモ、カナリジュウヨウナカタデスカラ。ヤスメルトキニハ、シッカリヤスンデホシイノデス」

「そんなに心配していたのか……」

「ゲヘちゃんは優しいなぁ」

「モチロン、ハチサンモヤスメルトキニハ、シッカリヤスンデクダサイネ?サイキンイロイロト、ハタラキドオシナノデハ?」

「まぁ……そうだね。休めるときには休んでおかないとなぁ」

 休める時って基本はゲームから抜けてる時なんだよなぁ……


「おっと、そういえば手紙の内容を確認しないと」

 そのまま忘れる所だった。どんな手紙かな?


『次回イベントでの協力要請』



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― 新着の感想 ―
[一言] 地獄ッキー渡さないのか…ちょっと期待してたから寂しい
[一言] そうだよね! はじめから引き込んでおけば、やべーかなってなったときに話し合いができるもんね! 調整ができる。 この一点こそ、前回の運営が最も欲したものだろう。
[一言] 運営がやめてくれと言っても、アビス様たちが口挟んで止められないオチですね? わかりますわかります。
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