島の先輩
「よし、とりあえずこんな所でしょう。そろそろ帰りますね」
「あぁ!やり方もかなり分かった!ありがとう!」
「また来てください」
「「サンキュー!」」
「「……」」
「うんうん、多分それで使えると思うよ」
「これからも頑張ってください」
「色々とありがとうございます」
お互いに挨拶をしてミニゲートを通って冥界の門にショートカットする。戻ったらこれから本格的に島中央の開放をする為にも色々と話を通さないとな……
「おぉ!やっと帰って来たか!」
「お、ウカタマ。待ってたの?」
「心配だったからな」
「じゃあなんで口の周りがべったべたなのかな?」
「うっ……それは、その……」
分かりやすいミスしてるなぁ?
「ウカタマ様?もしかして私達が冥界に行っている間にこっそりつまみ食いしてたなんて言いませんよね?」
「そ、それよりも冥界はどうだったのだ?話を聞かせてくれ……」
「分かりました。では社の方でお話いたしましょう。ハチさん今日はありがとうございました」
「いえいえ、僕の方こそかなり協力してもらったお陰で冥界の方とも円滑に事を済ませられたので飯綱さんには感謝です」
ウカタマはあとで説教されるのかなぁ……
「あ、あとこれからここら辺を他の旅人にも開放しようと思ってるから、もしなにか出来る事とかあれば勝手にやっちゃっても良いからね?」
「それは商売をしても良いと言う事か?」
社で商売と言ったらおみくじとかお守りだろうけど……
「うーん、社で商売か……そうだ!お賽銭箱とか作ってお賽銭を貰ったら代わりに何か植物の種とかあげるのはどう?なにを渡すのかはランダムで良いから。それなら何回も社に人がお賽銭を入れに来てくれたりするんじゃないかな?」
「それなら結構楽に出来る!種で喜んでくれるのであれば用意は容易い!」
言い方は悪いが、お賽銭ガチャとなればそこそこの人がお賽銭を入れてくれるんじゃないかな?
「それなら賽銭箱の用意をしましょう。あとはこっちで色々調整して……ウカタマ様?キリキリ働いてもらいますよ?」
「は、はい……」
本当にどっちが上か分からないなぁ……
「とりあえず教会の皆にもちゃんと話をしに行かないと。師匠は……まぁ好きにしてください」
師匠は別にこの島で商売とかする事無いし、準備とかする事が無いよな
「はいはーい、それじゃあ街の方でも行ってるねー」
やる事も終わったしあとは自由にってするのが一番良いだろう。教会の皆に今日明日あたりから本当に人が来るとキチンと伝えないと
「という訳で本当に開放するからまだ何か準備に必要な物とかあったら言ってくれれば用意するよ?」
「そうですね…でも特に必要な物は…ないですね」
「準備は出来てます!いつでもいいですよ!」
「大丈夫です」
「やれる」
前にも聞いたし本当に大丈夫なんだな。よし、それじゃあ街の方に解除の知らせをしに行くか
「とりあえずこんな物で良いかな」
島の中央部分開放と書いた張り紙を街の所にある泉の近くに張り付けて置く。これで気が付いた人が勝手に広げてくれるだろう
「おっと、そうだった。白武と黒武はこの島だったらどこに行っても、休んでも良いからね?」
「「……」」
城で休んでも良いし、草原とかで休んでも良い。あ、たまにはゲヘちゃんに会いに行くか
「2人とも僕の他の仲間とも会ってみない?」
「「……!」」
興味ありっぽいな。今は城に居るかなぁ?
「じゃあ行こうか」
2人と一緒に城に向かってみる。今回は若干隠れながら行ってみるか
「2人ともちゃんとついて来てるね。おーい!ゲヘちゃん居るー?」
「オヨビデショウカ?」
「居た居た。ゲヘちゃん?」
「ソチラノカタガタハ……シロムサマト、クロムサマデスネ?」
「そうそう。この2人も色々あったんだけど、禊?みたいなのも終わったからこの島で暮らしても良いかなって。ゲヘちゃんはそれでも良いかな?」
「モチロン、ハチサンノ、ハイカノカタデシタラ、モンダイナイトオモイマス」
「「……」」
「ヨロシクオネガイシマス。ワタシハ、ゲヘナマキアト、モウシマス」
「「……」」
2人ともゲヘちゃんを見上げて一歩引いたけど、ゲヘちゃんがしっかり挨拶したら2人ともしっかり挨拶を返していた
「たまには外出てる?」
「サイキンハ、ヨルニ、カゲノスピリットノ、チカラヲカリテ、デテマス」
「そっかそっか。ちゃんと外に出てるなら良かった。とりあえず新しい仲間が増えるって事でよろしく!」
「ハイ!アタラシイナカマハ、ダイカンゲイデス!」
ゲヘちゃんに認められたならもう大丈夫といっても過言では無いだろう。まぁ、ウカタマとか、アトラさんとかは上位存在的な物だから勝手に来て色々やってもゲヘちゃんが何も言えない可能性は高いけど、白武と黒武なら同等くらいの存在だから許可するという行為があった方がここで島での先輩と後輩という形をお互いが理解しておけばより自然に受け入れられるだろう
「2人とも受け入れてもらえてよかったね?」
「「……!」」
言葉は無くても喜んでいるのが分かる。この島の住人がどんどん増えていくなぁ……