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641/2001

合体技

「「がはっ!?」」

 飯綱さんがその細腕でドギーラとエイピーの手首を掴み、そのままリングに2人を叩きつける。流石は虫の弱点が見つからないなら頭を潰せと言っていただけはある。というか最近脳筋系女子が周りに居過ぎではないだろうか?もしかして僕、なにか悪い事でもしたのか?


「この程度でのびたりしませんよね?」

「ウォォォ!強烈な一撃だァ!」

「「「ウワァァァァ!!」」」

 会場に悲鳴にも似たような声が広がる。まぁ開幕1発目がこれならそりゃあ驚きもするだろう


「く、くそっ!」

「なんだこの強さは……!?」

「見たか見たかー!」

 マスクドグータラは何もやってないんだよなぁ?


「てりゃー!」

「止まってくださいモル……マスクドグータラ」

 うーん、まるでダメなパンチを出そうとしているマスクドグータラを止める様にマスクドキーツネが前に出る。足手まとい感が凄い


「息も合わせられない2人では私達には勝てません」

「そーだそーだ!」

 ただの腰ぎんちゃくにしか見えないぞ?マスクドグータラ……


「馬鹿にしやがって!1人でもぶっ倒してやる!」

「さっきのは油断しただけだ!」

「いいでしょう。ではもう一度来なさい」

 完全に2人の矛先がマスクドキーツネの方に変わった。マスクドグータラは完全に蚊帳の外だ


「「はぁぁぁぁ!」」

 気合いを入れる様にドギーラとエイピーが吼えると何処からともなくデカいハンマーとヌンチャクが2人の手元に飛んで来た。凶器出したぞ?あっちの方がより悪役じゃないこれ?


「「絶対にぶっ倒す!」」

「良いでしょう。それならばこちらも……」

「はいはーい【サモンウェポン】」

 マスクドグータラがここで何か魔法を使用するとマスクドキーツネの両手に半透明の武器が握られている。あれは扇だ


「「せやぁぁ!」」

 正面から迫り来る強烈な一撃。それを……


「1人ずつでは大した事はありませんね?」

 扇で受け止めた。いやぁ、なんてパワフル……あんな事僕は出来ないぞ?


「嘘でしょ!?」

「マジ?」

 それは確かに言いたくなると思う。飯綱さんとガチ戦闘はしたくないなぁ……というかそうだよなぁ?モルガ師匠の所にアイリスさんの魔札の師匠として僕が飯綱さんを紹介したから連携くらい出来る程度の友好度でもなんの不思議でも無い事だ


「舐めるなよ?」

 飯綱さんが扇を一振りすると2人の武器を弾き飛ばした


「なんてパワーだ……」

「それに後ろの奴もただの足手まといじゃ無かったの!?」

「凄まじいパワー!しかも武器を弾き飛ばしたァ!」

 司会も盛り上がっている。もう司会と言うよりただの実況だけど


「1人で戦おうとしている時点で貴方達に勝ち目はありません」

「そうだよそうだよ~。一人じゃどうやっても越えられない物だってあるんだよ」

「「っ……」」

 お互いに今のままでは相手に及ばないと既に頭が理解してしまった。ではどうしたら良いのか?どうやったら勝てるのか?その答えは隣に居る()()と協力するしかない。という雰囲気が会場に居る観客達にも伝わっていく


「頑張れー!」

「負けるなー!」

「2人で協力して!」

 応援の声がドギーラとエイピーに掛けられ、そしてそれは会場全体が一体感を持つようになってくる


「「「「ドギーラ!エイピー!ドギーラ!エイピー!」」」」

「なぁ、力。貸してくれねぇか?」

「あたしも、アンタに力を借りたくなってた所。アイツを倒すまででいいから協力して!倒すわよ!」

「あぁ!」

 ガッとお互いに拳をぶつけてマスクドキーツネとマスクドグータラに向き合う


「「「「うぉぉぉぉ!」」」」

「あのめちゃんこ仲の悪いドギーラとエイピーが強敵を倒す為に協力だァ!ここからが真のタッグマッチの始まりだァ!」

 司会の人中々良い煽りをするなぁ?これは熱い


「……」

 飯綱さんが僕とモルガ師匠にしか分からない合図を出してきた。扇を持つその手。人差し指、中指、親指で摘まんだような状態から握りしめる様に持ち直す。これはそろそろ負けますという合図にするとファイトクラブまでの移動中に言っていた。本当にそんな合図を出すと思っていなかったのでビックリしたけど、なんだろう?満足したのかな?


「では我々2人で全力で防御しましょう。見事突破出来たら貴方達の勝ちです」

 10カウントのルール全無視だけど、こういう時はノリで行くべきだろう。周りの観客もその言葉を聞いて1発勝負の行方を今か今かと待っている


「2人の必殺技で!」

「あれを一緒に決めて!」

「2人ならやれる!」

 観客が2人一緒に何かをやって欲しいみたいだけど……必殺技ってどんな物だろう?


「2人の流星ドロップキックを見せてー!」

 ……あぁ!もしかしてその人の必殺技みたいなのがあってそれが思いっきり被っちゃってどっちが自分の必殺技だとかでもめちゃって仲が悪くなったみたいな感じか!?


「今から出すのは俺の技でも、お前の技でもねぇ……」

「あんた何言って……」

「俺達の合体技だ!」

「!?」

 うわぁ、敵だけどこうやって仲悪かった者同士が強敵を倒す為に協力して合体技を出すとかめちゃめちゃテンション上がるなぁ?


「いつも撃ってるようにやれ!」

「命令されなくても分かってるって!」

 2人がバク転してリングのコーナーポールまで下がって行き、ポールの上に着地……したかと思ったらそこから更に高くジャンプ


「「これが2人の!」」

 普通はそのまま真下に落ちるだろうけど、物理法則を無視したマスクドキーツネとグータラに向かって斜めにキックが落ちてくる


「「D(ダブル)M(ミーティア)D(ドロップ)K(キック)だぁぁぁ!」」

 炎の様な物を纏って2人が鏡合わせになったようなドロップキックがキツーネとグータラのバリアに直撃した



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― 新着の感想 ―
[良い点] なんてガイナ立ちが似合いそうなんだ…。
[一言]    第六四一話 瞬 間 、 心重ねて すいません、どうしてもそうとしか見なかったんです!><
[一言] >もしかして僕、なにか悪い事でもしたのか? 千人規模の団体さんを演技で騙して手のひらコロコロしてたじゃないですか……
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