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追い素材

「頼まれたカーボンウッド集めてきましたー」

「何だと!?もう集まったのか!?」

 集めるの大変だったーとかは特に言わない。報酬として情報をどのくらい引き出せるかなぁ


「とりあえず300個です」

「マジで集まってやがる……本当にこんなすぐに集めるとは……」

「とりあえずこれである程度完成までの道のりは短縮出来ましたよね?」

 船を造るのにどのくらいの木材が必要になるのか分からないけど、これである程度造れるんじゃないだろうか


「これだけあればかなり完成が近いぜ!」

「じゃあこれを納品するので造船所の中を見せてもらっても良いですか?」

「あぁ!是非入ってくれ!」

 造船所のおじさんに案内されるように造船所の中に入っていく。白武と黒武の2人は色々騒がれると思ったので戻しておいた




 案内されて造船所の中に入っていくと黒いカーボンウッドで建造中の飛行船を間近で見る事が出来るようになった

「これが新しい飛行船になるんですね」

「おう!これでかなり形になるぜ!お前ら!新しいカーボンウッドが届いたぞ!」

「うぉぉ!新しいのが来たか!」

 作業中のおじさん達がカーボンウッドに群がっている。そんなにか


「こいつぁ新鮮なカーボンウッドだぜぇ!すぅー!」

「上物だぁ……」

「これだぜこれ!」

 ヤバい物吸ってるみたいな感じでカーボンウッドの匂いを嗅がないで欲しい。おじさんが木材に集ってすんすん匂いを嗅いでハイになるのを見せれれても困る。どう反応すればいいんだ


「おいお前ら、匂いを嗅いでないでさっさと作業を始めろ。お客さんも困ってるだろ」

「「「へーい」」」

 そう言って僕を案内してくれたおじさんは他のおじさん達を作業に向かわせる。リーダー格おじさんだったか


「茶も出せずにすまんな」

「いえいえ、お構いなく。ところで飛行船ってどういう風に空を移動するんですか?風を受けて?それとも何か別の動力で?」

 帆船の様に風を受けて移動するのか、それともプロペラのように何か動力を使って進むのか。その辺りが割と気になる


「普通の飛行船はプロペラを使って進むがこいつは違う。フルカーボンウッドのボディで造れるから新技術であるジェットを採用予定だ!」

「ジェットですか」

「あぁ!炎の魔石と風の魔石の組み合わせによる燃焼率を強化して得る強烈な推進力!カーボンウッドという軽量で耐久性抜群な素材を活かすにはこれを搭載するしかねぇ!今からワクワクが止まらねぇぜ!」

 なるほど、速度にどのくらいの差が出るのか分からないけどこっちは男のロマンで早くなると、そういう訳ですね?


「それって飛行船が速くなるんですよね?剥き出しの人達って凄い強風に晒されるんじゃ……」

 仮に現実のジェット機と同等だとしたら甲板に居る人とか吹っ飛ばされるんじゃないか?強風というより恐怖との戦いだな


「飛行船の上にあるバルーン。あれは船を浮かせるだけじゃなく、風の魔石を搭載しているから甲板に強烈な風が当たらないように風量の調節が出来るんだ。こいつはジェットを搭載するから船全体を細く、槍の様に包んで風の抵抗を減らす。そうする事でこいつは凄まじい速度で移動する事が出来る!」

 流線形で風の抵抗減らしてジェットの推進力で空を突き進む……これは確かに造っている人達がのめり込むのも分かる気がする。安全性を考慮してどこまで速く出来るのか、一度にどれだけ運搬出来るのか、技術屋の腕の見せ所って奴だろう


「この飛行船はこれから色んな人達がお世話になるって考えたら良い船にしたいって気持ちがより分かるようになった気がします。でも載せられる物は色々載せたいけど搭載し過ぎると速度が犠牲になるだろうし、速度を重視し過ぎると中身スカスカになっちゃうからその辺の兼ね合いとか難しそうですね」

 めちゃくちゃ浅い事を言っている自覚はある。でも、自分も飛行船に興味があると思って欲しい


「そうなんだよ!人が乗れる量は確かに大事だが飛行船に必要になる設備だって沢山ある。そうなると船の最大積載量を増やせるカーボンウッドの重要性を分かってもらえるか?」

 色々載せたいけど積載量の問題が普通の木材で造った飛行船では最高の物が造れない。これから最高の飛行船を造ろうとしているんだからだからそりゃあ積載量が少なくなる普通の木材は使いたくない訳だ


「入手するのも大変でしたが、最高の飛行船の為に時間を掛けても集めたい理由はとても良く分かりました。あとカーボンウッドを集めていた時についでに集めた素材の事で少し聞きたいんですけど……こいつって何かに使えますか?」

「サラマンダーの死体!?しかも5体も!?」

「もう少しあったんですけど、それは置いて来ちゃいました。これって何かに使えますかね?」

「鱗と皮は鎧に使えるし、体内の火炎袋は耐熱性が抜群だから武器にも、防具にも使える。正直コイツの素材も飛行船に使いたい所だが……」

「じゃあそれもあげます。その内この飛行船に乗せてくれたりします?」

「なんだって!?コイツを譲ってくれるなら勿論それで構わない!コイツの火炎袋があればジェットの内部機構の保護が出来る!コイツの素材も高いからカーボンウッド集めでカツカツの俺達にとっちゃ天の恵みだ!あんた名前は?この恩ぜってぇ忘れねぇからよ!」

「ハチって言います」

 こだわりの飛行船を造るって金が掛かるんだなぁ……



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― 新着の感想 ―
[一言] 海の男の恩人になり、今度は空の男の恩人になる。 そのうち称号かなんかが船の恩人とかにまとめられそうwww
[一言] ジェット飛行船とか現実だったらやばすぎる。(・・; しかもなんかサラマンダーの火炎袋でパワーアップしそうだしw(≧▽≦;)
[一言] あ、これ船首像がハチ君になるやつだ?像があればだけどw
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