初クエストクリア
シロクマ、戦闘人形、ゴーレムの王様?女王様?がデカいバイクの様な物に乗り、山を下りて行く
「すっごい迫力だ!」
「………!」
「たまに出掛けるのも良いな!はははははっ!」
ブルルォン!とアクセルをふかして更に加速させるヘックスさん。あれ?このままだと木とかにぶつかったりするんじゃ……?
「ちょっと!?ヘックスさん?ぶつかるぶつかる!」
「ぶつからないさ!ピュアル!」
「……!」
ピュアルがバイクから飛び降り、走り出す。うわっ!バイクより速い!
「……!」
ピュアルの両腕から剣が生え、バイク前方の木々を切り倒す。走りながら斬り進むピュアルによってバイクの道が開かれる
「すご……」
僕達の後ろには山から村に向けての一直線の道が出来上がっていた
「……!」
「よくやったぞ!流石だな!」
村までの道を切り開いたピュアルを褒めるヘックスさん。うん、良い主従関係だと思う
「何事だっ!?」
「なになに?何が来たのー!?」
「おいおい、なんかヤベーのが来たぞ!」
「むっ?」
村に居た姫様、ホーライ君、ワリアさん、ヴァイア様が一斉に警戒態勢……前にもありませんでしたかこれ?
「おーいみんなー!いつもの奴でーす!」
「「なんだハチか」」
「ハチだー!」
「ハチか、おかえり」
僕が皆に声を掛けたら一斉に警戒を解いた。それはそれでどうなの?
「ハチ?とりあえず紹介してもらっても良いか?」
「あ、そうでしたね?とりあえず皆ただいま。アルファン山の山頂から連れてきたゴーレム……で良いんでしたっけ?」
「オリジンゴーレムだ」
「オリジンゴーレムのヘックスさんとパーツが全部揃った戦闘人形のピュアルだよ」
「ヘックスだ。よろしく」
「……!」
ヘックスさんは軽く、ピュアルは深々と礼をする
「何事だー!」「ぽよっ!」「どうしたっ!」「何があったんや!」
他の皆もやって来た。アトラさんも居るな?
「ん?なんだハチか……皆、何でも無かったようだ」
「ぽよ?」
「まーたハチが誰か連れてきたのか?」
「兄さんはほんま凄いな?」
これは僕がおかしいのかな?いや、絶対皆の方がおかしいでしょ……
「ほぉ?これはまた懐かしい顔だ」
「ん?ほう……お前も変わらないな?アトラ?」
お知り合いかな?
「お前山の上に居たのか?」
「この恰好を見られるのはあまり好きでは無いんでな?色々と物を集めて楽しんでいたさ」
「ハチは良いのか?」
「ハチは別に良い。理解があるからな!」
理解があるって言われてるけどなんだか複雑な気分だ……
「あ、アトラさん」
「ぬおっ!?あぁそういえばそうだったな、ハチか」
シロクマコスチュームのままだったからアトラさんが一瞬驚いていた。一応村まで来たし脱ぐか
「これで分かりますか?」
「顔面真っ黒の面が付いてて良く分かんないぞ?」
「おっと」
そういえばあのバイクに乗る前にシロクマコスチュームに着替えたけどひょっとして服を着替えると仮面の形も最初の形に戻るのかな?とりあえず仮面に触れて首輪状態にする
「これでオッケーっと」
「おぉ、ハチだな!」
「兄さん見ない間にかなり良いもん手に入れたんやな?」
「まぁ確かに良い物はいっぱい貰っちゃったね」
だって今の装備はほとんどレアリティがユニークだし、絶対良い物ばかりだ。そもそも悪い物を貰ったとしても思い出として残したりはするけどね?
「あ、アトラさん?一応マスターがヘックスさんになりましたけどあの人形のパーツを集めて修復しました。そこに居るピュアルがその人形です」
「なっ!?パーツを譲ったのか?」
驚くアトラさん
「僕よりもヘックスさんの方が多分彼女を幸せにしてくれると思ったので譲っちゃいました」
「こんな面白い奴中々居ないよな?」
「…………!」
ヘックスさんとピュアルが面白そうに笑っている。まぁ良いか
「神時代の戦闘人形を他人に譲っちまうってハチ……マジか?」
「マジですよ?だって人間よりゴーレムの方が人形と近いじゃないですか?それにヘックスさんなら安心して託せますから」
「ハチは私が会った事のある人間の中でもダントツで面白い!もっと早く会いたかったぞ!」
「…………!」
うんうんと、頷くピュアル。神時代の人間って面白いも何も生き延びるのに必死でそんな余裕もなかっただろうに……そんな人達と比べたら流石に面白いとか言われるのも無理もないかもしれない
「まぁ、ハチの物にはならなかったが、修復してくれてありがとう。神時代の数少ない生き残りにも出会えたしな」
『レガシークエスト 神時代の遺物修復 をクリア』
報酬がどこかから来るとかは無い。やっぱりあの警告はそういう事だったんだろう。だけどもう十分な報酬貰っちゃってるし、僕としてはこれで良かった
「で、アトラさん?ヘックスさん達はこの村に自由に入っても良い感じですか?」
「それは構わないさ。どうせハチもピュアル……だったか?その修復が終わったから街に行くんだろう?」
「まぁそうですね……」
ヴァイア様のお陰でここに戻ってくる事は結構簡単に出来るハズだから街に着いたらまずは泉を探しに行こう
「そうか、ハチは旅に出るのか。なら私もこの村に厄介になろうかな?ピュアルも良いだろう?」
「…………!」
ついて行きますと言っている感じだ
「ハチ、村を出て行く前に宴会でもどうだ?」
「おっいいですね。ああでも流石に寝たいので3日後でどうでしょう?」
現実では丸1日分だけど良いだろう。まだイベントに間に合うはずだ