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620/2002

図書館での取り引き

「丁度良い人達が居たけど、あの人達何か前に見た事ある様な気がするんだよなぁ……」

 街の清掃をした後なのか、掃除道具を持ったマジナリア魔法学園の制服を着た男。そして他に2人の男女が掃除道具を持って合流し、歩いて行くので追跡する事にした


「今日も街の清掃か……」

「あんな化け物に会って生きてるだけでも充分でしょ……」

「そもそも禁書を盗もうとして清掃罰だけで済んでいるだけでもかなり軽い罰だよ」

 あぁ……あの時の禁書を盗もうとしてた3人か。喋っていて警戒が薄くなっているので割と簡単に追跡してマジナリア魔法学園に到達する事が出来た




「うん、見た事ある学園だ。おぉ我が母校……」

 在学2~3日の超短期間だけど


「あの場所はどうなってるかなぁ?」

 僕が向かうのはもちろん寮……ではなく、例の大木を目指す。何か残ってたりするかな?


「この辺は特に変わってないな。という事はまたクリスタルスラッグとかを狩りに行けそうだ」

 ある程度森を歩いてみるけど、見かけた生き物とか生えている植物とかに変化は無かった。森の奥までは確認して無いけど、あの大木に向かう所までは特に大きな変化とかは無いから森の奥も特に変化はしてなさそうだ


「ここも懐かしいなぁ。環境も良いから生活するのもそこまで苦じゃなかったし」

 過去に住んでた大木に辿り着き、その時の事を懐かしむ。ニャラ様に送られた時は海の向こう側に送られてたなんて気が付かなかったなぁ……


「まぁ、夜になるまでここに居ても問題ないだろう。ご飯の準備でもするか」

 久しぶりにサバイバル飯を作るかな……あの食材を枝に刺して焚き火で炙って食べるの結構好きなんだよね


「さて、準備するかね」

 深海で取った魚を最近ずっと食べていたからたまにはお肉も食べたい。その辺を歩いていた猪には悪いが、今日の晩御飯になってもらった


「やっぱこれぞ冒険って感じ!いただきまーす!」

 鍋で焼いても良かったけど、この串で焼くのが良いんだ


「うまー!」

 自然の中で食べるご飯って最高!




「ご馳走様でした。よし、図書館に行ってみるか」

 早めの晩御飯を済ませて図書館に向かう。その気になれば不法侵入も出来るけど……


「やっぱり来ましたね……ハチさん」

「やぁ、お久しぶり。ルクレシアさん」

 図書館にはやっぱりと言うべきかルクレシアさんが待ち構えていた


「何ですかハッサって。あんな嘘を言ってなんであの時一緒に来てくれなかったんです?」

「何でって……周りに取り巻きは居るし、あの時一緒に行ったら何処かに連れていくつもりだったんじゃないですか?」

「まぁ、校長の所に連れて行こうかとは思ってましたよ?流石に今からでは時間は遅いですが」

 やっぱり……校長の所とか絶対面倒になる事確定だ。今はもう夕方過ぎだし、今から校長の所に行くって流れにはならないだろうからあの時一緒に行かなかったのは正解だったかも


「それにどうやったんですか?追跡魔法で追いかけたのにいきなり消えるし……」

「そこは企業秘密って事で。でもルクレシアさんには会いたかったんですよ。ちょっと本の事で色々聞きたい事があってね?」

「はぁ……それで、どんな本が読みたいんですか?」

 呆れられてる?なんで?


「ちょっと星の事について知りたいんだけど……」

「天体!素晴らしいですよ!この前新しい本とか入荷したばかりです!」

 読みたい本の内容が魔法とか強くなりたい方法じゃないと分かったら目の色が変わったルクレシアさん。だが、今回はごめん。星座魔法について知りたいから強くなる方法を探す為に本を読むっていう事になるのかもしれない


「この世界の星座について知りたいなぁって」

「そう言う事なら……これと、これと……これなんかも良いかも!こういうのもオススメですね!」

 図書館の中を走って本を数冊持って来るルクレシアさん。図書館内を走るのはどうかと思うんだけど……それにもう閉館時間も近いんじゃないだろうか?


「あの、その本今から読むのだと閉館時間も近くてマズいんじゃ……」

「閉館時間くらい、私の匙加減でどうとでも出来ます」

「えぇ……」

 もうなんか図書館がルクレシアさんの私物レベルだなぁ


「じゃあちょっとだけ……この一番薄い奴を読ませてもらうよ」

 時間を考えて一番薄い物を読もう。流石に用意してもらって1冊も読まずに帰るのはね?


「ごゆっくり!」

 ごゆっくりとは言われたけども可能な限り速く読もう




「はぇ~、やっぱり昔の神様とかが星座の元になってるんだ……」

「そうなんですよ!もっと深く知りたかったら神話の本とかも読むと良いですよ!例えば……」

「ストーップ!今日はもうやめておきましょう。読むなら明日の時間がある時にします」

「それなら明日は校長の所に行きましょう!」

「それは却下します」

「なぜ!?」

 だって面倒そうだし……


「僕は本が読みたくて戻ってきただけなんで、校長に会うとかそんな事するつもりはサラサラ無いです」

「本が読みたくて帰ってきた!?あなた生粋の本好きですね!」

 うーん、何か騙してるみたいで申し訳ないな……


「分かりました。明日は朝から図書館は開けておきますし、ハチさんが読みたいと言っていた星座に関する本とそれに関する神話の本も纏めておきます。カウンターの裏に置いておきますので、私が居ない時に来たらそこから取り出して読んでください」

「なんか……悪いね?」

「いえいえ、ただでとは言いません。私だって知的好奇心はあります。どうやって追跡を躱したのかを教えてくれればいつもみたいな分かりやすく纏めた冊子も付けましょう。新しく入った本のお陰で最新版ですよ?」

「良いよ。その条件を飲もう」

 情報の交換という事でここは僕の魔法の事も少し出しつつ、ルクレシアさんのまとめ冊子を貰えれば結構良い取引になるんじゃないかな?



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― 新着の感想 ―
[一言] 二日でも三日でも。卒業どころか入学すらしてなくても。 思い出がそこにあり、学びを得たなら、母校でいいと思う。 (by 他校に忍び込んで部活と委員会活動をし。数年後。顧問教師に披露宴の席で「と…
[一言] 薄い本。作者の天文趣味が高じて作られたのでしょうか。
[一言] ルクレシアさんは本の説明をするときめっちゃ早口になるイメージ
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