ヘックスさんからの贈り物
『踏み躙る自我 掴み取る欲求を入手』
「おぉ……カッコイイ!」
ヘックスさんから黒いガントレットとグリーブを貰った。何と言うかメカメカしいと言うべきか鎧っぽいと言うべきなのか迷う……でもデザインが凄いカッコイイから文句は無い
「……!……!…………!」
ピュアルが何かを表現しようとしている。なんだろう?
「ヘックスさん?ピュアルは何て言ってるんです?」
「ん?あぁ、ピュアルもお礼をしたいって言っているぞ?」
もう今回は断るのを辞めよう。話が進まなくなる
「…………!」
頷き、こっちに歩み寄ってくるピュアル
「何だい?」
「…………!」
「ちょ!?」
ガバッと服を脱ぐピュアル。何をするのかと思ったらピュアルのお腹の部分が開かれる
「…………!」
「これを、受け取れって事?」
ピュアルが何か丸くて平たい物をお腹の中から取り出し、僕に差し出してくる
「…………!」
頷いているから受け取ろう
『無形の仮面 を入手』
ツルッとしてて目も鼻も口も描かれていない本当に仮面なのかも分からないけどこれは仮面らしい
とりあえず全部の詳細を見てみようかな?
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踏み躙る自我
レアリティ ユニーク
全ステータス +40(制限中)
耐久値 破壊不可
特殊能力 (※1)リミッター (※2)戦意奪略
(※1 現在のレベルによりこの装備の能力が制限される ※2 この防具を装備し、敵の頭を踏みつけた場合、恐怖の状態異常をその敵に付与する)
どんな状況でも自身の主張を押し通した力ある者が生み出したグリーブ。秘められた力がある……らしい
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掴み取る欲求
レアリティ ユニーク
全ステータス +35(制限中)
耐久値 破壊不可
特殊能力 (※1)リミッター (※2)幻影手
(※1 現在のレベルによりこの装備の能力が制限される ※2 両拳を打ち合わせる事で発動可能。1分間実際の腕が見えなくなり、虚像の腕が現れる 一度発動すると1時間再使用不可)
己の欲する物を全て掴み取った者が生み出したガントレット。秘められた力がある……らしい
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無形の仮面
レアリティ ユニーク
HP +200
MP +300
耐久値 破壊不可
特殊能力 (※1)成長装備 (※2)形状変化
(※1 自身のレベルに合わせて防具の性能が上昇する ※2 形状を自在に変化させる事が出来る)
とても古い物のはずだが全く古さを感じない真っ黒な仮面。戦闘人形ピュアルの感謝の念が込められている
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なんかもう……なんかもう凄い。至れり尽くせり過ぎませんか?
「…………!」
「早速付けてみて欲しいと言っているぞ?」
「分かった。じゃあ全部付けてみるね?」
最初のズボンと靴をエゴに替える。エゴに替えた時に靴とズボンが同時に外れたから脚装備って事で纏められてるのかな?
イドの方も初めて腕の装備付けたけどずり落ちるとかサイズが合ってないとか無く、自分の体の一部の様だ。イドもエゴも僕の動きを阻害しないし、尖ってて痛いとかも無いからとても良い
無形の仮面は外からの様子は確認出来ないけど顔に付けてみる。息苦しいとか見えないとかも無い。というか貰った装備全部がまるで僕の邪魔にならない様になってるみたいだ。普通の装備とかだともう少し抵抗とかもあるのかな?
「凄いしっくりくる……ありがとう!」
「…………!」
「ふむ、顔が全て隠れてしまうのは勿体無いな?どれ、この形を教えよう」
ヘックスさんが寄って来て僕の顔の仮面に触れる。すると仮面が変形し、首輪の様な形になった
「これならば良いだろう。仮面に触れながら魔力を流せば顔付近だけだが動かしたり、変形させたり出来るぞ?そうだな?」
「………!」
ピュアルも肯定と言わんばかりに首を縦に振る
「魔力を流せば……こうかな?」
首輪形態の仮面に手を触れ、MPを流す。MPを10くらい使うと半透明のウィンドウが出てくる。そこには最初の仮面の形態と首輪の形態の表示と+のマークが出ている。多分この+マークを触れれば新しい形を追加する事が出来るのかな?まぁ今は止めておこう。一度仮面の形に戻す
「ほうほう、これは便利だね?」
仮面に触れて首輪にする。せっかくヘックスさんがやってくれたからね?
「で、ハチ?今から村に行くのか?」
「行けるなら行きたいですけど……二人はどうやって山を下りるんです?僕は崖を飛び降りれますけど……」
シロクマコスチュームを着て、崖を駆け降りる強行軍だけど
「なぁハチ?あの玉座に座っているのがただ座っているだけの物に見えるか?」
そうヘックスさんが示すは玉座に座る大きな人型の服?って言えば良いのかな?とりあえずスーツって事で
「あのスーツ……もしかして変形とかするんですか!?」
僕だって男の子だ。大きいロボットとか変形とかワクワクしちゃう!
「フッフッフ!そうだ!色々変形出来るぞ?」
「おぉ!」
玉座からスーツ(?)が立ち上がり、ガチャンガチャンと音を立てながら人型からかなり大きめのバイクの様な形に変形した
「か、かっこいいー!」
「これの良さが分かるか!やっぱりハチは見る目があるな!」
ヘックスさんと堅い握手をしながらメカメカしいバイクを見ている所をピュアルが僕達の事を何とも言えない顔で見ていた