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可変と不変

「およ?なんだこの人だかりは……」

 皆で会話して泉を探しに行こうとしたところで港には大量の兵士みたいな人達が僕達に対して武器を向けてきた


「お、お前達!何者だ!」

「何者?何者に見えます?」

 あまり良くない事だけど質問で聞き返す


「……」

 緊張感からか、無言になる一同。これ僕が話進めないとダメな奴だな?


「我々は海からの侵略者……」

「「「「「!?」」」」」

「というのは冗談で、海に居たドラーケンを倒して海の向こう側からやってきました」

 軽く冗談を言って場を和ませようかと思ったけど、ざわっとしたのでやめて、ボスを倒してやってきた事を伝えた


「ドラーケンを倒した!?」

「本当に海を越えてきたのか!?」

「やっと交易がまた出来る様に!」

 おっ?なんか良さそうな反応だぞ?


「それで、出来れば旅人の泉があるのならそこに行きたいのですが……」

「ちょっと待ってくれ。それであれば国王が褒美を出してくれるはずだから手続きをする為に少し待っていてくれないか?」

 おっ?そういう事なら丁度良い人が居るじゃーん?


「そう言う事ならこちらの我等のリーダーであるジェイドさんが対応しますので私はこれで【ミスティックミスト】【ノイジック】」

「えっ?ちょ!?」

 他の人から見えなくする為の【ミスティックミスト】とどっちに行ったか追跡されないように周りの人達の耳を塞がせる為に【ノイジック】を使った。これで兵士の人達が僕を追跡する事は不可能だろう。味方にはどう動いたか見られてるけど、別に味方に見られても問題無いし、建物の上を移動ならついてくるのも無理があるだろう。まぁ、パーティはもう解除されてるだろうし、仲間判定も消えて他の皆にも姿が見えなくなっているかもしれない。【擬態】を使いながら泉を探そう。ヒーローインタビュー的なそういう面倒な物はジェイドさんに請け負ってもらおう。いやぁ、良い仲間を持ったなぁ?




「おっ、あったあった。あれだ」

 いつも通り屋根伝いで移動して、泉を探したらちゃんと見つける事が出来た。噂通り学園が多いからか、結構学生が多い気がする。その中に混じって泉に近付いて行こう


「あ、そういえばボス討伐のアイテムとか受け取らなかったな?まぁ良いか」

 別に何か欲しいって物も無いし、そこは気にしなくても良いか。最後にあれ使っちゃったから入手出来るアイテムが減ってるだろうし、何も貰えなくても文句は言わない


「さて、この街の泉を登録して今日は止めようかな。明日はオーブさんの所で色々練習しなきゃ」

 新しく入手した能力のチェックはもはや恒例行事だ。それに多分今までのと何かが違うだろう天衣無縫の器Lv5の能力である闘気開放。これに関しても聞いてみなくては


『フィフティシア を登録しました』

 この街フィフティシアって名前なのか。今後もお世話になるかもなぁ……主に情報収集で




「やぁオーブさん。お久しぶり」

「お久しぶりですハチ様。無事にフィフティシアに到達出来たみたいですね」

「他の人の協力もあってね。今回も色々お試しさせて」

 うーん、実家のような安心感。心置きなく色々実験させてもらおう


「はい、今回は何を試すんですか?」

「今回レベルアップで入手した魔法と、新しく入手したスキル?の仕様を知りたくて来たんだ」

「なるほど、先にどちらから始めましょうか?」

「先に魔法の方かな。確実に今までの僕の戦闘を変えてくれるような物かもしれないし」

【ジェミニ】は操作感さえ分かればとてつもない戦力アップが期待出来るし、先にこっちを確認しよう


「何か必要な物はありますか?的でも、動く的でも激しく動く的でもご用意しますよ」

 的ばっかりじゃないか……


「じゃあ、最初はただの的でお願いしようかな。使わないかもだけど……」

「分かりました」

 申し訳程度の白黒で交互に丸が大きく描かれている射撃用みたいな的が5mくらい離れた所に現れた


「まぁ、まずは出してみないとね。【ジェミニ】」

 その魔法を唱えると、僕の体からもう一人同じ姿の僕が一歩踏み出して僕が2人になった。ここまでは【イリュジオ】と感覚的には一緒だ。動けとも何も考えなければただそこに立っているだけだ


「うーん、本当に自分がもう一人居るみたいだ。それにしっかり触れる……」

【イリュジオ】と違い、手以外は貫通するという事は無く、完全に実体としてもう一人の僕がそこに立っている


「分身系統の魔法でしたか、それは……HPが固定されているタイプですね」

「そうなんだ。他にはどんな物があるの?」

「分身系統はざっくりと大きく分けて2種類です。ステータスを変動出来る可変タイプ。変動出来ない不変タイプの2種類です」

 めちゃザックリ説明だ。その分け方なら2種類しか分けられないでしょうよ


「可変タイプは自身のステータスを下げる代わりに分身のステータスを上昇させたり、HPやMPを分ける事で強化する事が出来たりします。不変タイプは一度呼び出したらステータスを変える事は出来ませんが、初期の段階からそこそこ思い通りに動いてくれたりします」

「つまり、初期性能は低いけど拡張性があるのが可変タイプで、最初からそこそこ戦えるけど拡張性は無い不変タイプって感じ?」

「まさにその通りです」

 という事は【ジェミニ】に何か追加する項目とか無いし、100MPで5分間呼び出せる不変タイプという事になるのか


「じゃあどのくらい動けるのか見てみようか」

 不変タイプの力。見せてもらおうじゃないか



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― 新着の感想 ―
[一言] 久しぶりのオーブさんだぁ!いつ出すのか気になってたんだぁ!ここでオーブさん出さないとみんな忘れちゃうかもしれないからだしたのかな?まあいいや!
[気になる点] ジェミニってことはすこしまえにある星座魔法なのかな?
[一言] 面倒事は〜ジェイドさんにポイッ! (都合の)良い仲間、ジェイド
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