ドラーケン戦
皆様、今年もこの作品を読んでいただきありがとうございました。来年も引き続き書いていくので良ければこれからも読んでいただけると嬉しいです
「えっと、まずは属性を……おっ!ラッキー!一発!」
属性計を開いたら1発目に雷が来たので保存しよう。何かボタンみたいなのあるし、それを押したら属性計の中心から少し下の所に紫色の雷みたいなマークが出てきた。これで保存出来たかな?
「あ、じゃあちょっとだけ寝させてもらいますね?【レスト】」
「はぁ!?」
属性ガチャに成功したので残り時間はステータスをちょっとでも伸ばす為に自分に【レスト】を掛ける
「おはよーございま…」
「ギュオオオオオン!」
とんでもない寝起きになったものだ。【レスト】が終わったタイミングでボス戦も始まったみたいですよ?
「恩人さんよ!?何急に寝てるんだ!?」
「やる気を出す為の儀式みたいな物です。それじゃあ行ってくるのでヤバいと思ったらすぐに離れてください!」
執事服に変え、海面から飛び出していた近くの吸盤の付いた足に向かってダイビング・デッドマン号のマストに弾力を付与した魔糸を付けて、パチンコの要領でぶっ飛び、ボスの足に取り付く
「オイオイマジかよ!流石恩人さんだな!おい野郎共!行くぞぉ!」
「「「「アイサー!」」」」
触手に取り付いてからアンガーアンプルを使用して作戦開始だ
「ギュオオオオオン!!」
ザパァっと海から一本、また一本と巨大なイカの足みたいな物が上がってくる。あの吸盤側にくっ付いたら終わりだな……
「さぁ、こっちに集中しろ……」
執事服の左胸の所にあるプリズムに懐中属計を近付けてボタンを押す。するとプリズムが懐中属計から紫色の光を吸収し、執事服の装飾が同じ色に染まっていく。これで今、雷の属性を纏っているって状態なんだろう
「はぁ!」
瓦割りをするようにボスの足に対して正拳突きをするとバチバチと小さな電流の様な物が迸る。確かに属性は付与されているみたいだ。にしても【ラフライダー】の効果でボスに張り付いてゼロ距離で戦えるのは僕にとってはかなり大きい。例え水の中に引き込もうと離れないぞ?
「ほらほら!こっちこっち!【アダプタン】」
【アダプタン】で可能な限り水中での抵抗を抑え、ドラーケンの足の上を走る。本体も海面から出さないとあっちの皆が攻撃出来る場所が少なくなる
「うおっ!でっかい目玉!」
足を伝って水の中に入って行ったら巨大な目玉が2つとあそこに吸い込まれたら一発アウトと言わんばかりの内向きのトゲトゲと巨大な嘴のような物があった。とりあえず僕にヘイトを向ける為にもあの目玉に一撃喰らわせてやる
「おっとと、意外と遅いな?」
デカいだけで速い訳では無さそうだ。これなら水中でも躱せる
「やぁ?元気?おりゃ!」
ドラーケンの目元に辿り着いたので軽く手を振って、眼球に一発お見舞いした。これなら誰だって怒るだろう
「ギュオオアアアアアン!?」
目を攻撃されたドラーケンは大暴れして海面に浮上した
「何日か見なかっただけでこれ程とは……」
「彼はどうなっているんだ……?」
「ヒャッハー!こいつぁ面白れぇ!俺らもやってやらないとなぁ?」
「斬撃は敵の足を増やす危険性があるから刺突か打撃、魔法で対処だ!」
「とことんやるわよ?」
「あははっ!切らなきゃ良いんでしょ!」
台船に乗っている人達が色々会話してる。切らなきゃ良いって言ってるけど、君の武器はフランキスカだよね?ガチガチの斬撃武器な気がするんだけど……ん?なんか刃に付けたぞ?
「あははははっ!そりゃ!」
あれすごいな?刃の部分に何かカバーみたいなの取り付けたら打撃武器みたいになったぞ?あれなら上手く当てたら攻撃を弾くくらい出来そうだな……しかもあれ手元に勝手に戻って来るみたいだし
「とりあえずこのままやりますか、はぁい?また会ったねぇ?このレーシックパンチを喰らいな!」
「ギュオオアアアアアン!?」
体の上を走り、反対側の目にも雷を纏った拳をお見舞いする。目を良くするレーシックとは真逆も良い所だが、このくらいやってやればヘイトは完全にこっちに固定するだろう。さぁ攻撃し放題だぞ?
「うん、やっぱり【血凍芯撃】がしっかり発動してるかも」
目はやっぱり弱点だよなぁ?片目を重点に攻撃したら味方を守る方法にもなりそうだな
「おぉ?これからが本気って訳か?」
ザパァと海面から足が上がり、合計で7本が僕に向かって振り下ろされる状況になった。ボスもお優しい事にイカの腹部分は海面に出たままなのでその上で戦えるのはかなり助かる。足場があるとないでは戦いやすさに天と地ほどの違いが出るからわざわざ足場をくれるボスは優しいなぁ?
「よっと!ほっ!【インパク】!そりゃ!」
【ダブルジャンプ】と【インパク】を使い攻撃を回避、雷属性が付与されている蹴りでドラーケンの足に捕まれないように逃げ回る。この程度だと深淵の攻めに比べたらぬるい……
「いやあれは一発が小さいから避ける距離が小さいだけだった……」
あれはギリギリで避けなきゃ他の攻撃に対応出来なくなるから最小限で動いていたけど、今回の攻撃は完全に面攻撃レベルの攻撃サイズだから意外と厳しいかも……
「もう少し温存しようかな……」
まだ一応対処は出来てるし、深淵はまだ温存しよう。奴はまだ変身を残してるし、僕も残しておかないと……