作戦確認
「ほ、本当に来た……」
「マジかよ……」
「来たか!」
僕が他の皆と一緒に港の方に向かうと、先に待っていた人達が驚いていた。一部驚くというより期待の眼差しって感じだけど
「よく連れて来てくれた!これで揃ったな!」
「ジェイドさんでしたっけ?組んだ事は無いですけど……」
この人僕のプリズムの実験を邪魔したからなぁ……まぁ過去のどうこうは一旦忘れよう。そんな事考えてたら余計なダメージ……で済めば良いけど致命的なミスが発生するかもしれない。一応協力関係になるのだから気に喰わないとかは一度考えないようにしよう
「君とは一度しっかり話をしたかったんだ。どうだろう?この戦闘が終わったら会話の機会を設けて欲しいんだ。前回は無視されてしまったからね……」
あぁ、そういえばギルドに来てだか何だか言ってたな。行かなかったけど
「一応これから一緒に戦う仲間になるならそのくらいなら別に……いや、やっぱり勝てたらにしますか。負けたら多分次は組む事は無いでしょうし」
負けてもう一度やり直すとなった場合は今度は負けた時の情報を元に計画を組んでボスを攻略するだろう。そうなったら今の所僕の代わりになれそうな人は……居ないんじゃないかなぁ?代替が効かないやり方はまともなリーダー格はそうそう採用しないと思う。その辺を考えると今回ダメならこの人達ともう一度……はないと思う
「……分かった。それで頼む」
「一応作戦だけ聞かせてもらえますか?」
どうやって戦う予定なのか聞いておきたい。作戦によっては僕みたいなのは邪魔になる可能性も高い
「作戦としては遠距離魔法戦主体でダウンが取れたら近接がダメージを稼ぐ。対巨大ボス戦のセオリーで行こうと思っている」
「なるほど、それなら自分の船で行っても良いですか?攻撃する人達と別の方向にヘイト稼ぎ出来ればボスの背後から攻撃とか可能になりますよね?」
ドクターが居るのなら多分アンガーアンプルを持っているだろうし、それを使えばヘイトは取れると思う。攻撃を主力メンバーに集中させないようにすれば効率良くダメージを与えられるだろう
「なるほど……確かにそれなら攻撃に集中出来るし、パーティのタンクはいざという時にMPやスキルを温存出来る。因みにその船には何人乗せる……」
「僕一人です。沈むというか途中で離脱する可能性がある船に他の人は乗せられません。水中で呼吸出来るとかならまぁ話は別ですが」
こうでも言わないとダイビング・デッドマン号の特性を活用出来ないだろう。潜航した時に乗ってる人全員窒息なんてシャレにもならない
「そ、そうか……」
「ドクター」
「はい、なんでしょう?」
「この前のアンガーアンプルってまだあります?アレ使ってヘイト稼ぎたいんですけど」
「ありますよ」
ドクターからアンプルを受け取り、自分がヘイトを稼ぐと他の人に印象付ける
「これで他にヘイトチャージ系のスキルとか使わない限り僕にヘイトが集まるはずなので台船で戦う人はある程度攻撃に集中出来るはずです。自力で回復も出来ますし、それなりの時間は注意を引けるはずです。僕がやられた場合はそこから台船に乗ってる人が防御に本気を出せばボスを倒すまでに何とかMPも持つんじゃないでしょうか?」
もっともらしい事を言ってるけど、僕の本心としては邪魔されたくない。あとは可能な限り見られたくないっていうのが本心だ。ボスに取り付いて攻撃を仕掛けるのが一番かな?海に沈んだら【アビスフォーム】を解禁する形で戦闘すれば良いだろうし
「彼の戦闘力は君達も良く知っているだろう?彼がヘイトを稼ぎ、我々でボスを討伐して海を越えるぞ」
「まさか共闘する事になるとはなぁ?」
「あんときの奴がこんなヤベー奴になるとはな……」
ガチ宮さんとグランダさん本当に仲良しになってるなぁ
「ボスをぶっ倒して先に進むんですわ!」
「よろしくお願いしますね」
レイカさんとタナカムさんも居る。ぱっと見勇者軍の人はこの5人と他に数人居るくらいか
「よろしくお願いします」
とりあえず戦力としてはジェイドさん、ガチ宮さん、グランダさん、タナカムさん、レイカさん、アイリスさん、ロザリーさん、キリエさん、キリアさん、チェルシーさん、ハスバさん、ダイコーンさん、トーマ君、ドクター、そして僕とあと名前の知らない人5人。人間は合計で20人でダイコーンさんとトーマ君用に4枠開けているみたいだ。まぁ僕はダイビング・デッドマン号を呼ぶ予定だから1枠で空いてダイコーンさんとトーマ君がフルで呼べる状態になるかな?
「とりあえずバフ飯食ってけ!海の向こうの食材期待してるぜ?」
「皆応援してるわ!」
ホフマンさんとめろにゃんさんは残るらしい。まぁ仕方がないと言えば仕方がないか
「おぉ、美味そう……」
ホフマンさんが皆に提供したバフ飯とは……
「煮干しを使った塩ラーメンだ」
透き通るような塩のスープ。卵やチャーシュー、ネギといった具材、そして黄色い中華麺。これは見ただけで美味いと分かる。大体の人が唾を飲み込んだ
「とりあえず全ステ13%アップの最高傑作だ!スキルのお陰で上昇ステータスが食材に囚われなくなったからコイツは誰が喰っても効果はあると保証しよう!」
魔法使いが筋力アップしても仕方がないもんなぁ……このラーメンは全ステータスが上昇するから誰でも効果が出るって訳だな
「よし!いただきます!ズゾゾー……うまぁ」
口の中にスッキリだけどコクのあるスープと麺の味が広がる。これはたまんないな……
「美味かったぁ……ご馳走様でした!」
「おう!頑張ってこいよ!」
「はい!」
ホフマンさんのラーメンで元気いっぱい。港に停泊している台船に皆が乗り込んでいくのを見たので僕もオルカの魔笛を吹く
「……あれ?」
音が鳴らないな?あ、もしかして吹く時に水の中に居ないとダメか
「よっ!」
「「「「ちょ!?」」」
桟橋から海に飛び込んでオルカの魔笛を吹く
「~~~~♪」
例の音が鳴り、少し待ったら海の中からダイビング・デッドマン号が僕を甲板に乗せながら浮上した
「天が呼ぶ!海が呼ぶ!我等の恩人様が呼ぶ!水さえあればどこへでも!ダイビング・デッドマン号ただいま登場!」
「「「「「えええぇぇぇ!?」」」」」
いやぁ、良い反応だ
「船長!今回はちょっと大変な事なんだけどお願いしても良いかな?もしダメだったら近くまで連れてってくれるだけでも良いから」
「良いぜ!海の男に危険は付き物だ!」
漢らしいなぁ?




