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608/2002

向こうへ

「ハチ君?このままスルーしてもらえると思うかい?」

「スルーしてくれないですかねぇ……今急患が」

 とりあえずモルガ師匠を背負った状態だから急患という事でスルーを狙う


「ハチさん。嘘はダメだと思うんです」

「あぁ、その人は私達の師匠だが、基本的に病気になる事はない。急患では無いだろう?」

 この2人もモルガ師匠の元で学んでいたし、簡単に見抜かれてしまった。というかモルガ師匠病気しないとか超健康じゃないか……


「協力してくれないとご飯はもう作りに行きません」

「ごっほごっほ!うぅ、体調悪い……早く島に連れて行ってー」

 迫真の演技……をしてるつもりなんだろうけどあまりうまいとは言えない。結構嘘だと分かりやすい演技だ


「ほら、こんな状態なので早く連れて行かないと」

「いやいや、流石にそれで誤魔化すのは難しいと思うよ。まぁ話だけでも聞いてくれよ。別にハチ君をどうこう……いや、とにかく心配してたんだよ?」

 待って?僕をどうこうするつもりなの?


「じゃあ話を聞きますからこの人を空島に送ってからでいいですか?じゃないと話をするのも難しいので……」

「あれあれ?もしかして私お邪魔?」

 邪魔と言えば邪魔になってしまうが、要件を先に伝えたのはモルガ師匠の方だ。だからまずモルガ師匠を空島に連れてく方が先だ


「いえ、僕の友人達も僕に用事が有りますが、モルガ師匠との約束が先です。これは譲れません」

 モルガ師匠と他の皆にも聞こえる様に言う。約束を守るのは大事だ。偉いから、親しいからなんて理由で約束なんて守らなくて良いとかそんな事は良くないと思う


「とりあえずこっちの約束を終わらせてから皆の話を聞く。それは約束しますから一旦通してくれません?約束破ったら1日言う事聞きます」

「「「「「乗った!」」」」」

 女性5人が一斉に乗った。怖いよぉ、破る気は全く無いけど1日言う事聞くで何させるつもりなんだ


「確かに、先に約束したのがそちらの方が先なら優先するべきだな。ハチ君の事は信じてるからここで待つ事にするよ」

「はい!ハチさんが約束を破る訳ないですから!」

「ヒャッハー!約束は守らねぇとダメだぜぇ?」

「私の研究成果も逃げはしませんから待ちますよ」

「また試食してもらいてぇ物もあるんだ。ちゃちゃっと帰って来てくれると俺は助かるな」

「あたしは面白そうだったから来てみたけど、この子逸材ね?今度服のモデルやってくれないかしら?インスピレーションを刺激されそうだわ!(一応あたし達がフレンドなのは秘密にしておくわ)」

 めろにゃんさんの配慮で泣きそう。これは女性に人気があるのも頷ける。男性フレンド達の優しさ沁みるわぁ……


「じゃあちょっとだけ待っててください。すぐに行ってきます」

「ではでは~」

 とりあえず背中の師匠を空島に連れていく。うーむ……ジェリス辺りに島の紹介を頼もうかな?




「ほうほう?ここがハチ君の島かぁ……師匠より良い所に住んでるんじゃな~い?」

 背中から飛び降りて周りの人とか、露店を見ているモルガ師匠。おっ、丁度飛んでたか


「おーい」

「呼んだか?」

 空を飛んでいたジェリスさんを呼び止めたら僕達の目の前に降り立った


「ジェリスさん。この人、モルガさんに島を紹介してあげて欲しいんだけど、良いかな?」

「分かりました。ではモルガ様。島をご案内いたします」

 スムーズにモルガ師匠の案内をしてくれるジェリスさん。一応お客さんだから口調が丁寧だ


「ちょいちょい……これはどうなってるの?なんで天使が案内係なんて事に……」

「まぁお友達です。詳しく知りたかったら本人から話とか聞いてみてください。それじゃあ僕は他の皆が待っているので行きますね」

 モルガ師匠なら多分自力で帰るくらいは出来ると思うし、島に放置して行っても大丈夫だろう。モルガ師匠をジェリスさんに任せてフォーシアスに戻る事に……


「ハチさん、これを」

しようとした時にジェリスさんから何か丸くて紐みたいな物が付いた物を渡された。これはなんだ?


「ヘックスさんが解析に成功して改良したとの事らしいです。あとで確認してください」

「おぉ!成功したんだ!ありがとう。後で試してみるよ!」

良かったぁ……ダイジョーブな博士的な心配をしてたから成功してくれるとはちょっと思ってなかった。あとで街に戻って皆の話を聞いた後で確認してみるか




「お待たせしました」

「お、早いな」

「それで?皆で待っているってどうしたんですか?」

「それがな?海のボスを攻略する為の装甲船と台船が完成したんだ。一度に乗れる人数は24人までという制限はあるが、これで海のボスと戦う準備が出来たからハチ君も誘おうと思ってね?他にも何人か居てもうそろそろ行こうかと思ってるからどうだい?」

「その為に話がしたくて待ってたって事ですか」

「いつものハチさんソロ参加出来る様に人数調整はしてあるのでいかがでしょう?皆で行きませんか?」

 なるほど、流石に海のボスをソロで攻略出来る程強くなるって考えたらまだまだ海底でレベル上げが必要になってくるだろうし、人数もそれなりの人数まで行けそうだから今のレベルでもある程度足は引っ張らないで済むと思う。これは乗っても良いかな?


「あの、船って自分が持ってたらそれで行く事とかも出来るんですかね?船が2隻あれば1隻沈められても何とかなるかなと思うんで」

「流石に個人で持つくらいのサイズの船だと転覆してしまうんじゃないか?」

 至極当然な返答だ。まぁ僕の場合は例え沈んだとしても関係無いんだけどね?


「確かに沈んじゃうかもしれないので僕以外は乗せない方が良いかなとは思いますが、それでも良いのなら参加したいですね」

 そろそろ海の向こうに行っても良い頃合いな気がしてきたし、他の人と一緒に攻略頑張ってみよう!



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― 新着の感想 ―
[一言] 〉偉いから、親しいからなんて理由で約束なんて守らなくて良いとかそんな事は良くないと思う こういうとこ、ハチは凄い。なかなかできないよね。 だからまぁ、履き違えてる連中とは決定的に合わないんだ…
[一言] ヘイ船長!ちょっと手伝って!
[一言] 船って天空島?
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