表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
602/1999

一つの結論

「今後は気を付けます」

「本当にそうしてくれ。ルールイアの外だと我々は助ける事は出来ない」

 やっぱりどこの街も街の近くは守れるけど外はノータッチなんだな


「とりあえず一度街に戻ろう。君、泊まる所はあるのかい?」

 これは……ちょっとヤバいか?居住がしっかりしてないと保護という名目で捕えられるかもしれない


「これから見つけようかと……」

「そうか……なら街の大通りを進んで行けば街灯が赤に変わる場所があるからその隣の細道を進んだところにお手頃な価格の宿がある。もし、金に困っているのなら宿の仕事を手伝えば素泊まりくらいはさせてもらえると思うぞ?」

 良かった。お金無くて困ってる人だと思ってもらえた。なら乗っかろう


「そうなんですか!気が付いたらここに飛ばされて、お金が無くて、持ち物……食べる物も無かったから取りに行く為にこの近くで泳いで体を慣らしてたんです。安い宿があるって情報だけでも助かります!」

 気が付いたらここに(自分の意思で)飛ばされて、お金が(最初から持って)無くて、持ち物(は別に問題無く、海底で使える物が無いだけ)……食べる物(村の皆が食べたがっていた深海魚)も無かったから取りに行く為に体を慣らしていただけだから嘘は言ってない。ただ要点を言ってないだけだ


「うっ……そんな苦労をしてたんだな!よし!飯食うか?俺が奢ってやるぞ!」

「いえいえ、そんな……ただ今回の事は良く知らなかった僕が悪いだけですから……今回の事は注意で済ませてもらえてるだけで助かります」

 流石に騙してご飯を奢ってもらうのはいい気分では無いので、ご飯は遠慮させてもらう


「ぐすっ……分かった!じゃあ人間には優しくしてやってくれと言っておこう。だが、本当にドームの外は危険がいっぱいだから出ない様に気を付けるんだぞ!」

「はい、ご迷惑をお掛けしました……」

 とりあえず解放してもらったけど、なんか今海底都市に居る人間は可哀想だから恵んでやれと変な話が代わりに広まってしまうかもしれない。まぁ、得になる事だろうから修正はしなくても良いか




「よし、行ったか。今度はバレないようにしないとなぁ……とりあえず海中でも【アビスフォーム】無しでも戦える様に練習するべきか」

 水の中の抵抗。それは【アダプタン】のお陰でかなり軽減されているから格闘攻撃が水中でも打てる。だが、水中はリーチが物を言う。噛みつく攻撃が基本の深海魚相手に素手で戦いを挑んでも腕や脚を噛まれて大打撃を受ける可能性は0じゃない。圧がかなり少なくなっているこのルールイアでまずは水中戦闘の師匠を探すのもありかもしれないな?何と言ってもここには水中のスペシャリストと言っても過言では無い人魚達が居る。体の形状は違っても参考に出来る事は沢山あるかもしれないし、深海の水圧が掛かろうと基礎の動きがしっかり出来れば対深海生物相手にも素手で戦える可能性が見えてくる。急がば回れの精神で行こう!


「深淵の方は……ぐぬぬぬぬ」

 何となく一本銛の先端の様に尖らせて返しの付いた形を頭に思い浮かべて深淵を手の中でその形にしてみたりと強くイメージしてみたが、やっぱりすぐに霧散してしまう。地上と違う環境だし、やっぱり意識が少し散ってしまって上手く行かない


「やっぱりこの方法は違うのかも……もう一度説明文を見直してみるか」

 こういう時にはこの能力の事を見返してみるのが良い気がする。自分の力なのに使いこなせないって事は何らかの見落としがあるのかも


『【深淵接続者】 深淵の領域を利用出来る様になった者に与えられる称号 (繋がる所が)ヤバいわよ! MIND+20%アップ 特殊スキル【アビスコネクター】が使用可能になる』


『【アビスコネクター】パッシブスキル 自身の深淵領域を自由に使える』


「深淵の領域を利用出来る様になった……自身の深淵領域……」

 見落としというか引っかかるのはこの辺だろうか?自身の深淵領域……今僕に使える深淵は大きさにしたらよく跳ねるスーパーボールくらいだろうか?これが今の僕の限界だ


「アビス様これは種みたいな物って言ってたっけ。比喩表現として受け取ったけど、これが種であるならば僕は水を与えるべきなんじゃないか?」

 単なる野に種を蒔いたとしても、芽は出るかもしれない。だが、しっかりと耕した土壌で、肥料や水があればその種は管理されていない物よりも大きく育つんじゃないだろうか?深淵を誰彼構わず広めるつもりであればアビス様はもっと大々的にやっているハズだ


「僕を選んでくれたって考えれば、僕には深淵の種を託すだけの土壌があったって事?」

 良い意味で捉えるのならそういう事だろう。悪い意味で捉えるのなら利用されてるだけなのかもしれないが、この種を成長させるのに充分な土壌、そして栄養になりそうな物……




「自身を高める為にあえて苦難に挑む心意気は素直に賞賛だな」

 アビス様は確かにそう言っていた。そしてニャラ様も同感して「命の輝きが無ければ生きてる意味が無いしね!」とも言っていた


「もしかして強敵相手とか困難な状況に挑めって事?」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] >>「もしかして強敵相手とか困難な状況に挑めって事?」 とある致命兎『ウォーパル魂ですわ!』
[一言] >「そうなんですか!気が付いたらここに飛ばされて、お金が無くて、持ち物……食べる物も無かったから取りに行く為にこの近くで泳いで体を慣らしてたんです。安い宿があるって情報だけでも助かります!」…
[一言] ルールイアを深淵にしたら封印されているあれ心配 浮上しなければ復活しないからヘーキヘーキ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ