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601/2016

深海水泳

「久しぶりの海底都市……やっぱここは凄いなぁ」

 海底にある人魚とか住んでいる海底都市ルールイア。この都市のでっかいドームの外は海底の水圧で何も対策していなければ即座にペチャンコになってしまうだろう。さぁ、【耐圧】と【アダプタン】の力、見せてもらおう!


「これは中々……まぁ動けなくはないか。でも魚人化を推す理由も分からなくはないな」

 ルールイアのドームから一歩外に出てみると全身を握られている様な圧迫感を感じる。【耐圧】と【アダプタン】で軽減しても中々の締め付け感だ。【アダプタン】が解除されたら中々ヤバいかもしれない


「まずはドーム付近で深海に慣れよう」

 いきなり戦闘に行くのではなく、まずはしっかりこの深海の水圧に慣れる必要がある。あと【アダプタン】のお陰で泳ぐスピードとかも上がってるし、その辺の感覚を体に覚えさせる必要もあるだろう


「加圧トレーニングってこういう感じなのかな?」

 本当ならペシャンコになってもおかしくない圧が加圧トレーニングに感じるくらい弱くなってるんだから性能としては充分だ。後はこの締め付け感に慣れ、素手での水中戦闘……自分で言っておいてなんだけど、水中で格闘戦とか無茶も良い所だな?やっぱり水中だと【アビスフォーム】の触手頼りに……待てよ?【アビスフォーム】じゃなくても深淵って形状を変えられるから尖らせて指先に付ければほんの少しリーチを伸ばせるか?


「まぁ、そうだとしても泳ぎと深淵を同時に使用出来るようにならないと戦闘もままならないか……」

 今の深淵の使い方だと海底の水圧が若干ストレスになって泳ぎながらの使用は気が散って難しい。別の使い方の模索をしないと


「うーむ、何かいい方法は無いか……」

 深海は太陽の光も届かない暗闇の世界。ルールイアの近くだからちょっと明るいけど、深淵と似ていると言えば似ている。だからここなら何かが得られると思う




「あ、効果時間が切れたらどうなるか確認しないと」

【アダプタン】が使えない状況があるかもしれないから今のこの安全なドーム間際でワザと効果時間切れを待ってみよう。ヤバかったら即ドームに退避だ


「3、2、1……いでっ!?いででででで!?」

【アダプタン】の効果が切れたら一気に締め付けが強くなった。HPもガリガリ削れてるからかなりヤバい。急いでドームの中に退避せねば……


「ふぅ……この保護ドームが無かったら相当マズかったなぁ……【耐圧】だけじゃ深海の水圧には耐えきれないのか。凄いな深海?活動限界地域と言うか、限界を超えた地域だと耐えるスキル1つくらいじゃ生存も許してくれないのか」

 想像だけど溶岩の中とか、高濃度の毒地帯、宇宙空間とかも何もスキルが無かったら居るだけでHPが溶けるというか消し飛びそうだ


「この保護ドーム欲しいな?これがあれば他の人も戦闘出来そうだし……あっ水中呼吸の方法も無いとダメか」

 この深海でも戦える様にするのに絶対にスキルと魔法だけしか方法が無いことは無いと思う。使用する事でこういう場所でも戦える状態にするアイテムが有っても不思議ではない。ルールイアで売ってたりするかな?


「まぁ初日は確実に戦える状態になるまでこのルールイアの周りで頑張ろう!」

 レベル上げをするのに敵と戦わないのはどうかと思うが、誰も居ない所でレベル上げをするんだから下準備くらいゆっくり時間を掛けよう




「おーい!そこのドームの外を泳いでいる君!危険だからドームの内側に戻って来なさい!」

「ん?僕?」

「君以外誰が居るんだ!街の外を泳いでいる子が居ると通報があったんだぞ!」

「あれま……」

 通報されちゃったのはマズいな。まぁ、ずっと泳いでいたお陰で深海でもかなり泳げる様にはなったから今止められてもセーフと言えばセーフかな?


「すいません。深海でも泳げる様に練習してただけなんです」

 とりあえず初手謝りから入ろう。下手に高圧的に出ても敵対されたら面倒になるだけだ


「見た所人間の様だが……人間が深海で活動出来る訳が無い。君、種族は何だ?」

「いや人間ですけど……?」

 嘘を言っても意味が無いしなぁ?


「馬鹿な!?人間ならドームから出た段階で水圧で即死だぞ!?水中で呼吸出来るだけでもそんなに居ないはずだが……」

「そんな事言われても……ねぇ?」

 スキルとか魔法で耐える事が出来てるんだから出来る訳が無いと言われても困る


「もう一度聞くぞ?君は本当に人間か?」

「聞き直しても種族は変わらないですよ?人間です。あの、もうちょっと泳いでも良いですかね?体を慣らしたいんで……もし、ダメなら場所を変えますから」

「このドームの外は凶悪な生物が沢山居るからダメだ」

「……分かりました」

 よし、次からは【擬態】も使おう。バレなきゃ通報されないんですよ


「因みにどんな生物が?」

「アンコウ、サメ、ウナギ、他にも色々居るが、どいつもこいつも凶悪だ。深海には餌が少ないから餌になりそうな物は何でも喰い付くから絶対に街から離れるなよ?離れてしまうと二度と帰ってこれなくなってしまうぞ?」

「分かりました。御迷惑をおかけしました」

「気を付けるんだぞ?」

 アンコウにサメにウナギですか……調理したら美味そうなの結構居るじゃないですかぁ?



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― 新着の感想 ―
[良い点] 〉アンコウ、サメ、ウナギ どれも凶暴な面構えのサイズがおかしい奴らなんだろうが。 都市部周辺でとれるなんて…………さすが運営はわかってるね! 街の周りにごちそうがいっぱいなんて! いいおみ…
[一言] 多分ハチ君が一番凶悪な生き物だから問題ないね!
[一言] >「もう一度聞くぞ?君は本当に人間か?」 人間だと言い張るのはもう諦めてもいいかもwww ※ハチ君は人…ni…n…判別不能? >「このドームの外は凶悪な生物が沢山居るからダメだ」 >「……
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